猫可愛がり
月光を司る筆神、白兎の弓神は苛立っていた。大好きな友人、壁神がここ最近撃神のことばかり話すことに。自分といるのに心が撃神の方に向いている、そのことが無性に許せないのである。
「撃神ってやっぱり…強いひとがすきなのかな…。」 妖怪退治の帰り。少し明るくなってきた空を背に壁神が足を止めて弓神に問う。口を開けば撃神、撃神。もう少し自分のことも気にしてほしい。そんな気持ちが募り、この友人に少しイジワルをしてみたくなった。
壁神の恋愛相談に弓神は振り返って答える。
「うーん、そうなんじゃないの?撃神ってすっごく強いし、いつも高みを目指してる感じだし。それになんて言ったってあの強力な筆しらべ!やっぱ相当な力のある神じゃないと恋愛対象になんないのよ。」
(嘘。そんなことない。撃神がアンタのことが好きなことくらい知ってるわ。アタシの耳は長いもの。)
弓神の返答が壁神には堪えた。壁神はすっかり肩を落としてしまった。その白い頭だけが悲しげに弓神の方を向いている。その様子は何だか可笑しく可愛らしいものであった。
弓神は吹き出してしまいそうなのを堪える。
(ホント面白い子…。でもちょっと言い過ぎちゃったかも…。)
「ごめん、壁神。言い過ぎたわ。アンタが撃神のことばかりで、アタシ…。寂しかったの…。」
自分の想いを打ち明けると弓神の目から涙がこぼれ落ちた。そして、涙と共に積もり積もった気持ちもあふれ出した。
「壁神が、アタシを、蔑ろにしそうで、アタシ怖かったの。アタシのこと、もっと、ちゃんと見てほしかったの…。」
そう言った弓神の様子は雪うさぎのようだった。少し間をおいて壁神が口を開く。
「わ、わたしの方こそ…ごめん…。撃神や自分のことばかりで弓神のことちゃんと考えてなかった…。」
弓神の目…というよりかは額の方をまっすぐ見つめてそう言った。
真剣な壁神に涙が引っ込んだと同時にふふっと笑いをこぼし、弓神は答える。
「いいのよ。壁神のそういう素直なところ、大好き。」
「わ、わたしも、弓神の毒舌な割には結構優しい所、大好き!」
「ちょっとそれどういうこと!?」
壁神が屈託なく笑い、弓神もヤレヤレと笑う。
君が友達なら、きっと大丈夫。何故かは分からないが、確かにそんな気がするのである。西空の月がこの永遠不滅の友情を静かに見守っていた。
「撃神ってやっぱり…強いひとがすきなのかな…。」 妖怪退治の帰り。少し明るくなってきた空を背に壁神が足を止めて弓神に問う。口を開けば撃神、撃神。もう少し自分のことも気にしてほしい。そんな気持ちが募り、この友人に少しイジワルをしてみたくなった。
壁神の恋愛相談に弓神は振り返って答える。
「うーん、そうなんじゃないの?撃神ってすっごく強いし、いつも高みを目指してる感じだし。それになんて言ったってあの強力な筆しらべ!やっぱ相当な力のある神じゃないと恋愛対象になんないのよ。」
(嘘。そんなことない。撃神がアンタのことが好きなことくらい知ってるわ。アタシの耳は長いもの。)
弓神の返答が壁神には堪えた。壁神はすっかり肩を落としてしまった。その白い頭だけが悲しげに弓神の方を向いている。その様子は何だか可笑しく可愛らしいものであった。
弓神は吹き出してしまいそうなのを堪える。
(ホント面白い子…。でもちょっと言い過ぎちゃったかも…。)
「ごめん、壁神。言い過ぎたわ。アンタが撃神のことばかりで、アタシ…。寂しかったの…。」
自分の想いを打ち明けると弓神の目から涙がこぼれ落ちた。そして、涙と共に積もり積もった気持ちもあふれ出した。
「壁神が、アタシを、蔑ろにしそうで、アタシ怖かったの。アタシのこと、もっと、ちゃんと見てほしかったの…。」
そう言った弓神の様子は雪うさぎのようだった。少し間をおいて壁神が口を開く。
「わ、わたしの方こそ…ごめん…。撃神や自分のことばかりで弓神のことちゃんと考えてなかった…。」
弓神の目…というよりかは額の方をまっすぐ見つめてそう言った。
真剣な壁神に涙が引っ込んだと同時にふふっと笑いをこぼし、弓神は答える。
「いいのよ。壁神のそういう素直なところ、大好き。」
「わ、わたしも、弓神の毒舌な割には結構優しい所、大好き!」
「ちょっとそれどういうこと!?」
壁神が屈託なく笑い、弓神もヤレヤレと笑う。
君が友達なら、きっと大丈夫。何故かは分からないが、確かにそんな気がするのである。西空の月がこの永遠不滅の友情を静かに見守っていた。
