猫可愛がり
「紅蓮」の筆神・燃神はとある筆神に恋焦がれていた。小さな体、長い尻尾。そして愛くるしく自分を呼ぶニャーンと鳴く声。その熱い心は壁神に永遠の炎を燃やしているのだ。
氷を身にまとった車輪や鏡の妖怪を紅蓮の炎で焼き尽くす。奴らの氷が解けて弱っている所を一気に叩き込む。すると、妖怪共は花となり消え失せていった。
妖怪を退治た燃神はその白く美しい羽を羽ばたかせ飛んでいく。火の鳥がその大きな翼を広げ青い空を駆ける様はなんとも壮麗であった。燃神の煙管の火は風にたなびいていた。
「あー、燃神だー!おーい!」
清々しい気持ちで飛んでいると下の方から自分を呼ぶ可愛らしい声が聞こえた。見てみると、その心を燃やす爆炎、壁神が二つの足で立ち、もう二つの足をこちらに向けていた。
薪でも投下されたかのように、燃神の心が激しく燃え出す。心の熱を感じながら、壁神の元に降り立つ。
「やぁ、壁神。奇遇だな。」
想い人に目を細めて燃神は言う。
「あ、そうそう、燃神。撃神見なかった?」
「撃神?さぁな。」
「う〜ん、そっかぁ…。」
壁神は肩を落とす。気落ちした想い人の力になりたいと思い、燃神は言う。
「…もしよかったら、俺の上に乗って探さないか?地上よりも空から探した方が見つけやすいだろう。」
「え?本当に?うん、そうする!」
燃神が座り、壁神がぴょんと跳び乗る。
「しっかり捕まってろよ。」
そう言い、大きな翼をはためかせ宙へと舞う。羽音とともに地上がだんだん遠のいていく。
「うん、ここからなら見つけられそう!」
壁神はそう言って下を見やる。白い身体と、自身とよく似た隈取をしている虎。そのような虎など撃神くらいしかいないので、一目ですぐにわかる。
この時、燃神の心は先程よりもさらに激しく燃えていた。親切心で壁神を乗せたはいいものの、想い人が自分の背に居ると考えると、やはり心が安らかにはいられないのだ。 燃神の中で壁神への「好き」が昂っていた。この心持ちがもし壁神に悟られたとしたらどうしようかとまで考えていた。いやむしろ、悟られてしまう前に自分から気持ちを打ち明けるのも得策ではないだろうか。どうせこの空中には今、自分と壁神以外誰もいないのだから。
そのように考えた燃神は背中の壁神に向かって口を開く。
「なぁ、壁神…、実は、俺…」
喉元までその想いが出かかった時、突如背中から声がした。
「あ、撃神見つけた!」
壁神の声と共に下を見やると、猛々しい白虎が威風堂々と立っている後ろ姿かあった。 燃神が着陸すると、壁神はすぐに背中から降りる。
「ありがとう!燃神。あ、そう言えば空で何かいいかけてたよね?」
「え、あぁ、いや。撃神が見つかったか聞こうとしたら、先に答えが返ってきただけだから。気にしなくていい。」
燃神の返答に納得した壁神は早速撃神の方へ向かう。尻尾を立てて嬉しそうに駆け寄っていく壁神の後ろ姿に、燃神は愛らしさを感じるとともに少し胸が締め付けられた。
(やはり壁神は撃神のことが…。)
それについては何となくだが勘づいていた。壁神が撃神に向かって何かを言っているのが見える。恍惚としたその表情はきっと、自分が壁神に向かっている時と同じような物なのだろう。
炎は時に何かを破壊する。紅蓮で万物を燃やし尽くす燃神の心は、壁神の炎に焦がされていた。
氷を身にまとった車輪や鏡の妖怪を紅蓮の炎で焼き尽くす。奴らの氷が解けて弱っている所を一気に叩き込む。すると、妖怪共は花となり消え失せていった。
妖怪を退治た燃神はその白く美しい羽を羽ばたかせ飛んでいく。火の鳥がその大きな翼を広げ青い空を駆ける様はなんとも壮麗であった。燃神の煙管の火は風にたなびいていた。
「あー、燃神だー!おーい!」
清々しい気持ちで飛んでいると下の方から自分を呼ぶ可愛らしい声が聞こえた。見てみると、その心を燃やす爆炎、壁神が二つの足で立ち、もう二つの足をこちらに向けていた。
薪でも投下されたかのように、燃神の心が激しく燃え出す。心の熱を感じながら、壁神の元に降り立つ。
「やぁ、壁神。奇遇だな。」
想い人に目を細めて燃神は言う。
「あ、そうそう、燃神。撃神見なかった?」
「撃神?さぁな。」
「う〜ん、そっかぁ…。」
壁神は肩を落とす。気落ちした想い人の力になりたいと思い、燃神は言う。
「…もしよかったら、俺の上に乗って探さないか?地上よりも空から探した方が見つけやすいだろう。」
「え?本当に?うん、そうする!」
燃神が座り、壁神がぴょんと跳び乗る。
「しっかり捕まってろよ。」
そう言い、大きな翼をはためかせ宙へと舞う。羽音とともに地上がだんだん遠のいていく。
「うん、ここからなら見つけられそう!」
壁神はそう言って下を見やる。白い身体と、自身とよく似た隈取をしている虎。そのような虎など撃神くらいしかいないので、一目ですぐにわかる。
この時、燃神の心は先程よりもさらに激しく燃えていた。親切心で壁神を乗せたはいいものの、想い人が自分の背に居ると考えると、やはり心が安らかにはいられないのだ。 燃神の中で壁神への「好き」が昂っていた。この心持ちがもし壁神に悟られたとしたらどうしようかとまで考えていた。いやむしろ、悟られてしまう前に自分から気持ちを打ち明けるのも得策ではないだろうか。どうせこの空中には今、自分と壁神以外誰もいないのだから。
そのように考えた燃神は背中の壁神に向かって口を開く。
「なぁ、壁神…、実は、俺…」
喉元までその想いが出かかった時、突如背中から声がした。
「あ、撃神見つけた!」
壁神の声と共に下を見やると、猛々しい白虎が威風堂々と立っている後ろ姿かあった。 燃神が着陸すると、壁神はすぐに背中から降りる。
「ありがとう!燃神。あ、そう言えば空で何かいいかけてたよね?」
「え、あぁ、いや。撃神が見つかったか聞こうとしたら、先に答えが返ってきただけだから。気にしなくていい。」
燃神の返答に納得した壁神は早速撃神の方へ向かう。尻尾を立てて嬉しそうに駆け寄っていく壁神の後ろ姿に、燃神は愛らしさを感じるとともに少し胸が締め付けられた。
(やはり壁神は撃神のことが…。)
それについては何となくだが勘づいていた。壁神が撃神に向かって何かを言っているのが見える。恍惚としたその表情はきっと、自分が壁神に向かっている時と同じような物なのだろう。
炎は時に何かを破壊する。紅蓮で万物を燃やし尽くす燃神の心は、壁神の炎に焦がされていた。
