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ぼんやりと、夕焼けを眺めていた。
「ヒカルー、帰ろー!!」
「はーい」
ベンチからすっと立ち上がり、走っていく。
「あ~、疲れたね」
「ほんと、お疲れだーっ!!」
「じゃ、いつもの買っときますか」
「いえす、うぃーきゃん」
「Yes,we can.でしょ?いい加減これぐらい発音できるようになりなよ。ていうか言っとくけど、使い方間違ってるからね」
「いえす、アイドゥー!!」
「もういいよ、恥ずかしいから早く買っちゃおうよ」
学校帰りに、コンビニでアイスを食べながら歩く二つの影。
「あたりアイスだといいなぁ」
「私、このアイスであたり出たことないんだよねぇ」
「あんなに一杯食べてたのに?」
「うん」
「不運すぎるでしょ」
「そーなのかなぁ」
交差点で、二つの影は止まる。
その交差点は、とても広くて大きい。
立ち止まった二人の前は、残像を少し残して去っていく色とりどりの自動車たち。
そのうち、人の波はどんどんと押し寄せてきた。
赤色のシグナルは、それでもまだ変わりそうにない。
そんな時だった。
足元を子どもが走っていった。
「―――え?」
子どもは、車道へと飛び出したところでピタリと動きを止めてしまった。
「危ないっ!!!」
「ちょ、ヒカル!??」
友人の言葉も聞かずに飛び出した彼女。
子どもに迫り来る車を横目に必死で己が手を伸ばした。
(助けなくちゃっ!!あと、ちょっと・・・)
子どもの動きも、自動車の動きも己の動きさえ緩慢に感じる数秒のその時間。
彼女は、必死に子どもを助けることだけを考え続けた。
ただ、それだけを―――。
手が子どもに届き、子どもを車道の白い線の上に突き飛ばした。
そして、彼女のアイスはゆっくり時間をかけて地面に落ちて行った。
(不運だったのは・・・・・・アタシか)
溶けかけたそれは、夕焼けで真っ赤に染まり、美しい紅色に色付く。
紅色の奥には、『あたり』という三文字が記されていた。
その文字を見ることなく、彼女は人ごみの中から子どもの姿を探す。
そして、子どもの無事な姿を見て、彼女はそっと微笑み優しく目を閉じたのだった。
「ヒカルー、帰ろー!!」
「はーい」
ベンチからすっと立ち上がり、走っていく。
「あ~、疲れたね」
「ほんと、お疲れだーっ!!」
「じゃ、いつもの買っときますか」
「いえす、うぃーきゃん」
「Yes,we can.でしょ?いい加減これぐらい発音できるようになりなよ。ていうか言っとくけど、使い方間違ってるからね」
「いえす、アイドゥー!!」
「もういいよ、恥ずかしいから早く買っちゃおうよ」
学校帰りに、コンビニでアイスを食べながら歩く二つの影。
「あたりアイスだといいなぁ」
「私、このアイスであたり出たことないんだよねぇ」
「あんなに一杯食べてたのに?」
「うん」
「不運すぎるでしょ」
「そーなのかなぁ」
交差点で、二つの影は止まる。
その交差点は、とても広くて大きい。
立ち止まった二人の前は、残像を少し残して去っていく色とりどりの自動車たち。
そのうち、人の波はどんどんと押し寄せてきた。
赤色のシグナルは、それでもまだ変わりそうにない。
そんな時だった。
足元を子どもが走っていった。
「―――え?」
子どもは、車道へと飛び出したところでピタリと動きを止めてしまった。
「危ないっ!!!」
「ちょ、ヒカル!??」
友人の言葉も聞かずに飛び出した彼女。
子どもに迫り来る車を横目に必死で己が手を伸ばした。
(助けなくちゃっ!!あと、ちょっと・・・)
子どもの動きも、自動車の動きも己の動きさえ緩慢に感じる数秒のその時間。
彼女は、必死に子どもを助けることだけを考え続けた。
ただ、それだけを―――。
手が子どもに届き、子どもを車道の白い線の上に突き飛ばした。
そして、彼女のアイスはゆっくり時間をかけて地面に落ちて行った。
(不運だったのは・・・・・・アタシか)
溶けかけたそれは、夕焼けで真っ赤に染まり、美しい紅色に色付く。
紅色の奥には、『あたり』という三文字が記されていた。
その文字を見ることなく、彼女は人ごみの中から子どもの姿を探す。
そして、子どもの無事な姿を見て、彼女はそっと微笑み優しく目を閉じたのだった。
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