加州清光
「行ってきます」
本丸から、転移装置を使い第一部隊と共に出かける審神者。
今日は定例会議もないのだが、彼女は同業者の救援係としてある審神者の元へ向っていた。
その審神者と彼女は友人だった。
だが、先日その審神者の本丸が襲撃を受けたと聞き、彼女から政府に進言したのだ。
「襲撃を受けた本丸は、直ぐに体制を立て直せない。せめてそれまでだけでも、救援部隊を作成し派遣するべきではないでしょうか」
言い出しっぺの法則により、その救援部隊に彼女が今回選ばれたわけだが。
彼女としては、刀剣と結婚し子どももいるその審神者のことがとにかく気がかりであった。
(皆さん、無事だといいけど)
元々審神者として秀でいたその人の本丸であれば、甚大な被害ではないだろうと彼女は考えていたが、念のため自分の本丸の中でも精鋭を選び抜いた。
加州、蛍丸、薬研、小竜、日本号、長義の六名。
山姥切長義は修行に出てはいないものの、政府とのパイプがありいざという時の判断が適格できっと審神者の本丸を立て直すのにも一役買ってくれるだろうという人選だった。
転移装置での移動が完了し、目の前には玄関口が見えた。
近侍の加州が、戸を叩く。
「すみませーん」
すると、すぐに審神者が現れた。
「山城の審神者さん!? もう来てくれたのね!」
「相模さん、私なりに精一杯お力になりますので何でもおっしゃって下さい」
山城、相模は互いの本丸があるエリアを指すのだが、刀剣たちの手前本名で呼び合うわけにはいかないので、今回に限りこのような呼び方をすることを二人の間で決めていた。
そして、彼女は相模の手を取り強く握り締めた。
何でも力になる。その為に来たのだと、頼って欲しいと強く願って。
そう彼女が思っていると、相模はくすっと笑った。
「相変わらず、真っ直ぐな霊力ね。こっちがビックリするぐらい」
「え、そうなの? 真っ直ぐが良いのかわからないけど、役に立てるなら嬉しい」
「良いことよ。さ、入って入って。いつまでも玄関にいたってしょうがないわ」
「お邪魔します」
相模の案内で一通り本丸内の構造と使用可能な部屋を教えてもらい、居間へ通される。
「被害はどのぐらいなの?」
出された茶を啜りながら、彼女の蛍丸がそう尋ねた。
(なんて直球な!?)
もう少ししてからやんわり尋ねようとしていた彼女は、蛍丸の直球にドキリとした。
だが、慌てる彼女の横に座っていた加州が小さく笑い、テーブルの下の審神者の手を擦った。
「大丈夫だよ」
小声でそう言われ、審神者は少し肩の力を抜く。
彼にそう言われると何故か、理由もないのに安心できるのだ。
誰にも見られないところで手を擦られたことには驚いていたが。
「……刀剣たちの被害は特に。皆軽症で済んでいるのだけれど」
「そういえば、建物の被害が酷いね」
「えぇ、今日中に政府から修復用の式神を送ると連絡があったから、それは大丈夫よ」
建物の破壊された跡も、かなり残っている。
居間は綺麗だが、それは審神者が自身の霊力を用いて修繕したとのことだった。
「刀剣より、建物を狙われたの?」
「建物じゃないの。実は、執務室で保管していた戦況記録や、今後政府から伝達される任務の為に立てていた計画書なんかの資料が全て盗まれたの」
「何それ……じゃあ目的はこっちの戦力を削るんじゃなくて…………」
「政府側の情報、だね」
障子を開き入ってきた相模のところのにっかり青江が、お茶菓子を手にそう静かに告げた。
「多分、ここの本丸だけの情報を盗っても戦況に影響はないと思う。問題は、これが色んな本丸で起こってしまった時ね」
相模の審神者は、お茶を啜りながら冷静にそう言った。
ここの夫婦は、本当にいつでも冷静沈着だ。
だからこそ、被害が盗まれる程度で済んだのだと彼女は思っていた。
「でも、ここの情報だって盗まれたら政府的には困ると思うよ。審神者の中でも優秀な本丸で戦果を上げてるところなんだし。今後、他の本丸でも襲撃があるにしろ、ないにしろ戦況はまた変わる可能性があるってことだよね?」
「えぇ、間違いないわ。刀剣たちにはもっと強くなってもらわなければ、今後の戦いはかなり苦しくなるでしょうね」
「彼等にばかり負担がいくのは、私的には反対だけどね」
「山城の審神者さんは、主の言う通り変わった方だね。僕等に心を砕く必要はないんだよ?」
青江の言葉に、審神者はきょとんとした。
「なんで? 一緒に戦う仲間なのに、私だけ戦ってないのは不公平だよ」
そう彼女が言うと、青江は一瞬驚愕の表情を浮かべたがその後彼女の刀剣たちを見て笑った。
「君たちの審神者は、凄いお人だね」
「青江、山城さんは私と違って心も体も強いのよ。救援として来てくれるのに、こんなに心強い人はいないわ」
「納得だ」
青江と相模の審神者は笑い、何故か彼女の刀剣たちも嬉しそうに笑っていた。
彼女だけが、意味が分からず頭にはてなマークを浮かべていたが。
加州が、そんな審神者を見てこっそりと彼女に耳打ちした。
「主が、俺等の主で嬉しいってこと。それを二人が認めてくれたんだよ」
「……それは私も嬉しいな」
そう言って、二人は笑い合った。
その後、互いの近況報告も終わり相模の審神者の刀剣たちは一部を残し一度警備体制を解除した。
彼等の疲労を回復する間、山城の審神者が連れてきた刀剣たちが警備と残党がいないかの確認を行う。
審神者二人は、襲撃の際崩れた建物の場所確認と穢れの浄化作業を行った。
「……浄化出来たよ」
「ありがとう。少し休憩しましょうか」
本丸の図面を見ながら倒壊、半壊などと記入していき同時に穢れを見つけ次第浄化作業を行うという流れで作業していた二人は、縁側に腰かけた。
「やっぱり襲撃者に触れられた箇所は、穢れが酷い傾向にあるね」
「そうね」
「あ、そういえば娘ちゃんは大丈夫だったの?」
「えぇ。襲撃の時は出かけていたから、いつも通り元気よ」
「良かった」
彼女のほっとした笑顔に、相模は嬉しそうに笑った。
「なんか、嬉しいわ」
「え? 何が?」
「山城さんが私たちのことを気にかけてくれたこともそうだけど、何か雰囲気がいつもと違う。恋、してるの?」
「え?! なんで!?」
「なんとなく。刀剣の誰かに告白でもされた?」
「…………」
答えられず、審神者が言い淀むと相模は嬉しそうに目を輝かせた。
「告白されたのね!? 誰に!? 今日来てるのかしら?」
「ちょちょちょっと!? されてないされてない! そういうのは何も言われてないし!」
「じゃあ…………何か、された?」
「なにか、って……別に、なにも…………」
「怪しいーっ!!」
先ほどまで穏やかで冷静だった相模はどこへやら。
目を輝かせ、ウキウキと彼女へ質問攻めを続ける。
「ストップ! 私が自分のこと話すの苦手なの知ってるでしょ!?」
「えー、だって山城さんと恋バナ出来る日が来るなんて興奮しちゃうもの」
「恋バナって……」
「誰かと距離を縮めるの、少しは楽しいと思えたらいいなって」
「………………でも、好かれてるのかどうか……」
「何をされたの?」
相模の審神者の言葉に、うっと詰まった彼女は恐る恐る相模に加州との出来事を話した。
キスやハグをされたこと、その前から彼を見るとドキドキしてしまっていたこと。
また、その接触以降彼の距離が近いことが増え、二人きりになるとキスやハグをされてしまうこと。
それを拒絶できない自分のことも。
「…………もう、毎日頭がパンクしそうで」
「青春っ! 春なのね~!!」
困っている彼女を見て、相模は口元に手をあてるが手から口がはみ出るほど弧を描いている。
「楽しまないで助けてよ~」
「私じゃ何にも助けられないわよ? 自分がどうしたいのかによるんじゃない?」
「それがわからないから、こんなことになってるのに……」
「聞いてみたら?」
「何を?」
「私のことスキなの? って」
「好きと言われそう」
「じゃあ!」
パァ、と花が咲き誇るような相模の笑顔に、違うのと首を振る彼女。
「審神者として、ってこと。恋愛的な感情を持たれている気がしない」
「ちゅーしてるのに?」
「なんか、それは……雰囲気というか、興味本位なんじゃないかと」
「じゃあ、貴女はそれ出来るの? ほかの人に?」
「アメリカンだと思えば…………」
「なにそれ?」
「海外では、キスもハグも挨拶だし!」
「貴女海外の国籍でも取って永住するの?」
「しないけど」
「じゃあ、好きな人とだけにすれば?」
それでは、彼としている今彼を好きだと認めることになる。
だが、そうでないのなら付き合ってもいない男とキスやハグをする軽い女になってしまうのではないか。
それか、一線はもっと深いところにあるからこの程度なら誰とでもしても大丈夫と認識していていいのか。
「一般人の感覚を教えて欲しい」
「好きな人だけよ」
ズバリ、そう言い切られ審神者はぐぅの音も出ず押し黙る。
「ちゃっちゃと言ってしまえばいいのよ! そして一緒に子育てしましょーよー」
「段階飛びすぎ!」
(ハッキリ……させるべきなんだろうなぁ)
きっとその日は近い。
胃がキリキリしてくるのを感じて、審神者は静かに目を閉じた。
本丸から、転移装置を使い第一部隊と共に出かける審神者。
今日は定例会議もないのだが、彼女は同業者の救援係としてある審神者の元へ向っていた。
その審神者と彼女は友人だった。
だが、先日その審神者の本丸が襲撃を受けたと聞き、彼女から政府に進言したのだ。
「襲撃を受けた本丸は、直ぐに体制を立て直せない。せめてそれまでだけでも、救援部隊を作成し派遣するべきではないでしょうか」
言い出しっぺの法則により、その救援部隊に彼女が今回選ばれたわけだが。
彼女としては、刀剣と結婚し子どももいるその審神者のことがとにかく気がかりであった。
(皆さん、無事だといいけど)
元々審神者として秀でいたその人の本丸であれば、甚大な被害ではないだろうと彼女は考えていたが、念のため自分の本丸の中でも精鋭を選び抜いた。
加州、蛍丸、薬研、小竜、日本号、長義の六名。
山姥切長義は修行に出てはいないものの、政府とのパイプがありいざという時の判断が適格できっと審神者の本丸を立て直すのにも一役買ってくれるだろうという人選だった。
転移装置での移動が完了し、目の前には玄関口が見えた。
近侍の加州が、戸を叩く。
「すみませーん」
すると、すぐに審神者が現れた。
「山城の審神者さん!? もう来てくれたのね!」
「相模さん、私なりに精一杯お力になりますので何でもおっしゃって下さい」
山城、相模は互いの本丸があるエリアを指すのだが、刀剣たちの手前本名で呼び合うわけにはいかないので、今回に限りこのような呼び方をすることを二人の間で決めていた。
そして、彼女は相模の手を取り強く握り締めた。
何でも力になる。その為に来たのだと、頼って欲しいと強く願って。
そう彼女が思っていると、相模はくすっと笑った。
「相変わらず、真っ直ぐな霊力ね。こっちがビックリするぐらい」
「え、そうなの? 真っ直ぐが良いのかわからないけど、役に立てるなら嬉しい」
「良いことよ。さ、入って入って。いつまでも玄関にいたってしょうがないわ」
「お邪魔します」
相模の案内で一通り本丸内の構造と使用可能な部屋を教えてもらい、居間へ通される。
「被害はどのぐらいなの?」
出された茶を啜りながら、彼女の蛍丸がそう尋ねた。
(なんて直球な!?)
もう少ししてからやんわり尋ねようとしていた彼女は、蛍丸の直球にドキリとした。
だが、慌てる彼女の横に座っていた加州が小さく笑い、テーブルの下の審神者の手を擦った。
「大丈夫だよ」
小声でそう言われ、審神者は少し肩の力を抜く。
彼にそう言われると何故か、理由もないのに安心できるのだ。
誰にも見られないところで手を擦られたことには驚いていたが。
「……刀剣たちの被害は特に。皆軽症で済んでいるのだけれど」
「そういえば、建物の被害が酷いね」
「えぇ、今日中に政府から修復用の式神を送ると連絡があったから、それは大丈夫よ」
建物の破壊された跡も、かなり残っている。
居間は綺麗だが、それは審神者が自身の霊力を用いて修繕したとのことだった。
「刀剣より、建物を狙われたの?」
「建物じゃないの。実は、執務室で保管していた戦況記録や、今後政府から伝達される任務の為に立てていた計画書なんかの資料が全て盗まれたの」
「何それ……じゃあ目的はこっちの戦力を削るんじゃなくて…………」
「政府側の情報、だね」
障子を開き入ってきた相模のところのにっかり青江が、お茶菓子を手にそう静かに告げた。
「多分、ここの本丸だけの情報を盗っても戦況に影響はないと思う。問題は、これが色んな本丸で起こってしまった時ね」
相模の審神者は、お茶を啜りながら冷静にそう言った。
ここの夫婦は、本当にいつでも冷静沈着だ。
だからこそ、被害が盗まれる程度で済んだのだと彼女は思っていた。
「でも、ここの情報だって盗まれたら政府的には困ると思うよ。審神者の中でも優秀な本丸で戦果を上げてるところなんだし。今後、他の本丸でも襲撃があるにしろ、ないにしろ戦況はまた変わる可能性があるってことだよね?」
「えぇ、間違いないわ。刀剣たちにはもっと強くなってもらわなければ、今後の戦いはかなり苦しくなるでしょうね」
「彼等にばかり負担がいくのは、私的には反対だけどね」
「山城の審神者さんは、主の言う通り変わった方だね。僕等に心を砕く必要はないんだよ?」
青江の言葉に、審神者はきょとんとした。
「なんで? 一緒に戦う仲間なのに、私だけ戦ってないのは不公平だよ」
そう彼女が言うと、青江は一瞬驚愕の表情を浮かべたがその後彼女の刀剣たちを見て笑った。
「君たちの審神者は、凄いお人だね」
「青江、山城さんは私と違って心も体も強いのよ。救援として来てくれるのに、こんなに心強い人はいないわ」
「納得だ」
青江と相模の審神者は笑い、何故か彼女の刀剣たちも嬉しそうに笑っていた。
彼女だけが、意味が分からず頭にはてなマークを浮かべていたが。
加州が、そんな審神者を見てこっそりと彼女に耳打ちした。
「主が、俺等の主で嬉しいってこと。それを二人が認めてくれたんだよ」
「……それは私も嬉しいな」
そう言って、二人は笑い合った。
その後、互いの近況報告も終わり相模の審神者の刀剣たちは一部を残し一度警備体制を解除した。
彼等の疲労を回復する間、山城の審神者が連れてきた刀剣たちが警備と残党がいないかの確認を行う。
審神者二人は、襲撃の際崩れた建物の場所確認と穢れの浄化作業を行った。
「……浄化出来たよ」
「ありがとう。少し休憩しましょうか」
本丸の図面を見ながら倒壊、半壊などと記入していき同時に穢れを見つけ次第浄化作業を行うという流れで作業していた二人は、縁側に腰かけた。
「やっぱり襲撃者に触れられた箇所は、穢れが酷い傾向にあるね」
「そうね」
「あ、そういえば娘ちゃんは大丈夫だったの?」
「えぇ。襲撃の時は出かけていたから、いつも通り元気よ」
「良かった」
彼女のほっとした笑顔に、相模は嬉しそうに笑った。
「なんか、嬉しいわ」
「え? 何が?」
「山城さんが私たちのことを気にかけてくれたこともそうだけど、何か雰囲気がいつもと違う。恋、してるの?」
「え?! なんで!?」
「なんとなく。刀剣の誰かに告白でもされた?」
「…………」
答えられず、審神者が言い淀むと相模は嬉しそうに目を輝かせた。
「告白されたのね!? 誰に!? 今日来てるのかしら?」
「ちょちょちょっと!? されてないされてない! そういうのは何も言われてないし!」
「じゃあ…………何か、された?」
「なにか、って……別に、なにも…………」
「怪しいーっ!!」
先ほどまで穏やかで冷静だった相模はどこへやら。
目を輝かせ、ウキウキと彼女へ質問攻めを続ける。
「ストップ! 私が自分のこと話すの苦手なの知ってるでしょ!?」
「えー、だって山城さんと恋バナ出来る日が来るなんて興奮しちゃうもの」
「恋バナって……」
「誰かと距離を縮めるの、少しは楽しいと思えたらいいなって」
「………………でも、好かれてるのかどうか……」
「何をされたの?」
相模の審神者の言葉に、うっと詰まった彼女は恐る恐る相模に加州との出来事を話した。
キスやハグをされたこと、その前から彼を見るとドキドキしてしまっていたこと。
また、その接触以降彼の距離が近いことが増え、二人きりになるとキスやハグをされてしまうこと。
それを拒絶できない自分のことも。
「…………もう、毎日頭がパンクしそうで」
「青春っ! 春なのね~!!」
困っている彼女を見て、相模は口元に手をあてるが手から口がはみ出るほど弧を描いている。
「楽しまないで助けてよ~」
「私じゃ何にも助けられないわよ? 自分がどうしたいのかによるんじゃない?」
「それがわからないから、こんなことになってるのに……」
「聞いてみたら?」
「何を?」
「私のことスキなの? って」
「好きと言われそう」
「じゃあ!」
パァ、と花が咲き誇るような相模の笑顔に、違うのと首を振る彼女。
「審神者として、ってこと。恋愛的な感情を持たれている気がしない」
「ちゅーしてるのに?」
「なんか、それは……雰囲気というか、興味本位なんじゃないかと」
「じゃあ、貴女はそれ出来るの? ほかの人に?」
「アメリカンだと思えば…………」
「なにそれ?」
「海外では、キスもハグも挨拶だし!」
「貴女海外の国籍でも取って永住するの?」
「しないけど」
「じゃあ、好きな人とだけにすれば?」
それでは、彼としている今彼を好きだと認めることになる。
だが、そうでないのなら付き合ってもいない男とキスやハグをする軽い女になってしまうのではないか。
それか、一線はもっと深いところにあるからこの程度なら誰とでもしても大丈夫と認識していていいのか。
「一般人の感覚を教えて欲しい」
「好きな人だけよ」
ズバリ、そう言い切られ審神者はぐぅの音も出ず押し黙る。
「ちゃっちゃと言ってしまえばいいのよ! そして一緒に子育てしましょーよー」
「段階飛びすぎ!」
(ハッキリ……させるべきなんだろうなぁ)
きっとその日は近い。
胃がキリキリしてくるのを感じて、審神者は静かに目を閉じた。