フェアリィ・ダンス編
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キリトとリーファと、一緒に世界樹を目指すことになってしまった。
うっかりキリトの手を取ってしまったせいで、こんなことになるとは予想していたけれども……。
「ほぅ、勝負か」
そう言って、私の隣で息巻いているのは、ひとつ前の街で会った最強と言われているプレイヤー、同種族のユージーンである。
そして、私の後ろにはサラマンダーの軍勢がずらりと勢ぞろい。
もちろん、茅場はこの場にはいない。
きっと、どこかからこの状況を見ているだろうけど。
「スー!」
キリトに名を叫ばれても、私はここから動けない。
「ごめーん、前に約束してたから、私今回はコッチ側につくわ」
あっけらかんと言ってのける私に、呆然と私を見上げるキリトとリーファ。
そして、二人の周りにいる人たち。
(しかし、この状況を一体どうしようか……)
現在いるのは、街から離れたフィールドマップ。
何だかよくわからないうちに、リーファとキリトに連れて来られたのだが、話を聞いているとどうやら他種族同士で同盟を組むらしい。
そして、サラマンダー的にそれは何とかしたいような印象を受けた。
面倒なので、さっさと抜けてしまおうとしたが、ユージーンに止められ、以前の時に協力しなかった分今回は……
そう言われ、渋々こちら側へとつくこととなった。
とにかく、一触即発状態である。
闘うならば、なるべくリーファとキリトには近寄らないようにしようと心に決めて、彼女は剣をいつでも抜けるよう準備をした。
そうこうしているうちに、キリトとユージーンがどうやら一対一の勝負を始めたらしい。
ユージーンの剣は何やら特殊能力があるようで、キリトが不利な状況だった。
「…………ねむ……」
思わず欠伸をしながら、のんびりと二人の勝敗の行く末を見守った。
大きく伸びをして上空を見ると、煙幕が広がり始めていた。
どうやら、キリトが何か仕掛けたようだった。
そして、煙幕が晴れた瞬間に、何故か一本しか持っていなかった剣が二本に増えているキリトは、いつもの二刀流でケリをつけた。
しかし、勝負がついたがキリトはスキルを発動していたようで、剣を弾かれて落としてしまったユージーンは無抵抗だ。
このままでは、いくら重装備のユージーンとはいえ、直にキリトのスキルが当たれば、最悪ゲームオーバーになる可能性がある。
(危なっ————)
キリトもなんとか避けようとしていたが、まずいと判断した私は咄嗟に体が動いていた。
一瞬で背中の羽をはばたかせ、全速力でユージーンの前に立ちはだかる。
そして、止められず焦った表情をしたキリトの剣が振り下ろされる前に、私は自身のレイピアを抜いて、来るであろう衝撃に備えた。
しかし、備えていたとしても受け切れるとは限らない。
HPが削られることはなかったが、二刀流対レイピアでは勝てるはずもなく、大きく剣を弾かれた私は背後のユージーン諸共、崖の方へと吹き飛ばされた。
「いった〜……」
「無事か」
衝撃でHPが少し減っているものの、命の別状はないと思っていると、頭上からユージーンの声がした。
どうやら、私が崖にぶつからないよう壁になってくれていたようだった。
「すまんな」
「いや、こちらこそ」
ユージーンが立ち上がり、私の手をとり、そっと立ち上がらせてくれた。
すると、リーファが走ってきてくれて、私たちのHPを回復してくれた。
「ありがと、リーファ」
礼を言うと、彼女は私に向かってニッコリと笑う。
「全然いいよ。それよりも、約束は約束よ」
彼女は、ユージーンにそうキツくいうと、彼は仕方なく部下たちとこの場から引き上げていった。
私も一緒に戻ろうと言われたが、用事があるといいここに残った。
前の街に戻っている暇はない。
(早く、キリト達にバレないようにここを抜け出して、世界樹で私のデータを探さなきゃ)
「スー!!」
ユージーンたちが去っていくのを眺めていると、空から慌ててキリトが降りてきた。
「怪我ないか!?」
「大丈夫だよ、大袈裟」
「相変わらずだな、お前」
「キリトもね」
そんな会話をしていると、不意に背筋を何かが駆け抜けた。
言いようのない嫌な感覚。
遠くで、何か声が聞こえた。
『み〜つけた』
聞いたこともないけれど、蛇のような男の声が聞こえた。
話すだけで、気持ち悪さを表現できるような男の声だ。
その声と共に、私は意識を無理やり引き離される。
頭が、一瞬で真っ白になっていく。
「スーっ!!」
そんな合間に、キリトともう一人、ベンヌの声が聞こえた気がした。
うっかりキリトの手を取ってしまったせいで、こんなことになるとは予想していたけれども……。
「ほぅ、勝負か」
そう言って、私の隣で息巻いているのは、ひとつ前の街で会った最強と言われているプレイヤー、同種族のユージーンである。
そして、私の後ろにはサラマンダーの軍勢がずらりと勢ぞろい。
もちろん、茅場はこの場にはいない。
きっと、どこかからこの状況を見ているだろうけど。
「スー!」
キリトに名を叫ばれても、私はここから動けない。
「ごめーん、前に約束してたから、私今回はコッチ側につくわ」
あっけらかんと言ってのける私に、呆然と私を見上げるキリトとリーファ。
そして、二人の周りにいる人たち。
(しかし、この状況を一体どうしようか……)
現在いるのは、街から離れたフィールドマップ。
何だかよくわからないうちに、リーファとキリトに連れて来られたのだが、話を聞いているとどうやら他種族同士で同盟を組むらしい。
そして、サラマンダー的にそれは何とかしたいような印象を受けた。
面倒なので、さっさと抜けてしまおうとしたが、ユージーンに止められ、以前の時に協力しなかった分今回は……
そう言われ、渋々こちら側へとつくこととなった。
とにかく、一触即発状態である。
闘うならば、なるべくリーファとキリトには近寄らないようにしようと心に決めて、彼女は剣をいつでも抜けるよう準備をした。
そうこうしているうちに、キリトとユージーンがどうやら一対一の勝負を始めたらしい。
ユージーンの剣は何やら特殊能力があるようで、キリトが不利な状況だった。
「…………ねむ……」
思わず欠伸をしながら、のんびりと二人の勝敗の行く末を見守った。
大きく伸びをして上空を見ると、煙幕が広がり始めていた。
どうやら、キリトが何か仕掛けたようだった。
そして、煙幕が晴れた瞬間に、何故か一本しか持っていなかった剣が二本に増えているキリトは、いつもの二刀流でケリをつけた。
しかし、勝負がついたがキリトはスキルを発動していたようで、剣を弾かれて落としてしまったユージーンは無抵抗だ。
このままでは、いくら重装備のユージーンとはいえ、直にキリトのスキルが当たれば、最悪ゲームオーバーになる可能性がある。
(危なっ————)
キリトもなんとか避けようとしていたが、まずいと判断した私は咄嗟に体が動いていた。
一瞬で背中の羽をはばたかせ、全速力でユージーンの前に立ちはだかる。
そして、止められず焦った表情をしたキリトの剣が振り下ろされる前に、私は自身のレイピアを抜いて、来るであろう衝撃に備えた。
しかし、備えていたとしても受け切れるとは限らない。
HPが削られることはなかったが、二刀流対レイピアでは勝てるはずもなく、大きく剣を弾かれた私は背後のユージーン諸共、崖の方へと吹き飛ばされた。
「いった〜……」
「無事か」
衝撃でHPが少し減っているものの、命の別状はないと思っていると、頭上からユージーンの声がした。
どうやら、私が崖にぶつからないよう壁になってくれていたようだった。
「すまんな」
「いや、こちらこそ」
ユージーンが立ち上がり、私の手をとり、そっと立ち上がらせてくれた。
すると、リーファが走ってきてくれて、私たちのHPを回復してくれた。
「ありがと、リーファ」
礼を言うと、彼女は私に向かってニッコリと笑う。
「全然いいよ。それよりも、約束は約束よ」
彼女は、ユージーンにそうキツくいうと、彼は仕方なく部下たちとこの場から引き上げていった。
私も一緒に戻ろうと言われたが、用事があるといいここに残った。
前の街に戻っている暇はない。
(早く、キリト達にバレないようにここを抜け出して、世界樹で私のデータを探さなきゃ)
「スー!!」
ユージーンたちが去っていくのを眺めていると、空から慌ててキリトが降りてきた。
「怪我ないか!?」
「大丈夫だよ、大袈裟」
「相変わらずだな、お前」
「キリトもね」
そんな会話をしていると、不意に背筋を何かが駆け抜けた。
言いようのない嫌な感覚。
遠くで、何か声が聞こえた。
『み〜つけた』
聞いたこともないけれど、蛇のような男の声が聞こえた。
話すだけで、気持ち悪さを表現できるような男の声だ。
その声と共に、私は意識を無理やり引き離される。
頭が、一瞬で真っ白になっていく。
「スーっ!!」
そんな合間に、キリトともう一人、ベンヌの声が聞こえた気がした。