フェアリィ・ダンス編
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「————じゃあ、スーはSAOの生き残りなんだ」
「まぁ、一応ね」
「うちのお兄ちゃんも、そのゲームやってたんだよ」
「へー、知ってる人だったりして?」
「あはは! 案外、そうだったりして!」
私とリーファは、この世界のこと、自分たちのことをお互いに色々と話していた。
現在いる場所は、シルフ領の大きな街にいた。
本来、その種族が支配している街に行くことは、いつ殺されても可笑しくないことだと聞き、マントを被って素性を隠して、リーファとカフェにいた。
「とりあえずさ、この世界では魔法や空を飛ぶことも出来るってことでいいんだよね?」
「うん、飛び方と、魔法の使い方はさっき教えた通りだよ」
「飛ぶことは自由にできるけど、飛行時間には限りがあって、どこまでも高く飛べるわけじゃない」
「そう、それを可能にするためにこのアルヴヘイム・オンライン……通称、ALOでは真ん中にある世界樹を目指すの」
「そこに辿り着けば、ずっと飛び続けられる高位種族のアルフっていう種族に生まれ変われるんだよね」
「そう……最初にそこに辿り着いた種族だけがね」
そこで、私たちは黙る。
(多分、その世界樹が怪しいんだろうけど……聞いてる限り、一人で行くのは危険すぎる……茅場に相談してから決めようか…………)
「で? スーは、魔法は覚えないの? サラマンダーは、炎とか、攻撃魔法を得意としている人が多いわよ」
「うーん、でも呪文唱えてる間に攻撃されそうで……」
「そこは、戦略でしょ?」
「そうなんだけど……」
悩んでいると、リーファは一つ溜息をついた。
「とにかく、回復魔法は一つでも覚えておいた方がいいわ。一人でやるにしても、パーティーでやるにしても、回復もできないんじゃ、ピンチの時に困ることになるから」
「…………はーい」
しぶしぶ返事をして、リーファとフレンド登録をしてから、彼女は一旦ゲームをログアウトした。
「…………いいな……私も、このゲームから好きに出入りできればいいのに……」
静かに苦笑して、私は目の前にある紅茶を一気に飲み干した。
それからしばらく、街をブラブラと歩いていると、茅場が再びどこからともなく現れた。
「このゲームには慣れたか?」
「……おかげさまで。うんざりよ」
「どうかしたのか?」
茅場が、私の顔を覗き込む。
お互いにフードを被った隙間から、視線が合った。
「…………もう、帰りたい」
ようやく出てきた言葉は、自分が思ったより覇気もなくて、みっともないような声になってしまった。
何だか、そんな姿を彼に見せてしまったことが恥ずかしくて、うつむくと彼の手が私の肩に乗った。
「わかっている」
彼の、自信ありげな声に顔を上げると、ベンヌの顔で彼が笑った。
「何か掴んだの?」
「私とて、ただ休んでいたわけではない。このゲームの外から、色々と情報を探っていた」
それから、茅場は語りだした。
このゲーム、ALOがSAOから派生してできたような存在であり、そのためSAOをしていたものがALOを始めると、容姿や持っているスキルを共有して使用することができること。
そして、ALOはSAOのデータをそのまま持ってきて使っていることから、SAOのデータ内に私のデータがあること。
それは、ALOの中央に位置する世界樹にある可能性が高いこと。
このゲームを作った人は、妖精王オベイロンという名前で世界樹にいて、その人が私のデータを隠し持っている可能性もあるということ。
「何にせよ、奴にスーの存在を知られると、良いように利用される可能性もある。一刻も早い、データの回収が必要だな」
「ちょっと待ってよ。その話が全部本当なら、おかしいことがある」
私は、茅場の言葉を遮った。
「私のデータがこの世界にあるのなら、私の持っていたスキルとかが使えるはずじゃないの? 全部初期化された感じになってるんだけど?」
「そこが、私も引っかかっているところだ。最悪の場合、既に奴がスーの存在に気付いており、何か手を加えられた可能性もある」
「何かって、なに」
「それがわかれば苦労しない」
とにもかくにも、一刻も早いデータの回収が最終目標と定まった。
後は、それを目指して行動するだけだ。
「今回は、最後まで味方でいてくれるんだよね?」
茅場にそう尋ねると、彼は声を出して笑った。
「君が戻れない責任は、私にある。私が、なんとしてもスーを守り、無事に元の居場所へ帰れるようにすると約束しよう」
その言葉を聞いて、私が頷くと彼は満足そうに笑みを浮かべた。
「さて、ではひとまず武器の調達からだな。ALOはスキル性だ。攻撃スピードや武器の威力を上げるだけでも、初心者でも十分世界樹までの道のりは攻略できるだろう」
シルフ領の街で、遠慮なく武器屋を巡り巡って、自分たちの装備を整えた私たちは、世界樹へ向かって旅立つことにした。
(目指すは世界樹————!)
「まぁ、一応ね」
「うちのお兄ちゃんも、そのゲームやってたんだよ」
「へー、知ってる人だったりして?」
「あはは! 案外、そうだったりして!」
私とリーファは、この世界のこと、自分たちのことをお互いに色々と話していた。
現在いる場所は、シルフ領の大きな街にいた。
本来、その種族が支配している街に行くことは、いつ殺されても可笑しくないことだと聞き、マントを被って素性を隠して、リーファとカフェにいた。
「とりあえずさ、この世界では魔法や空を飛ぶことも出来るってことでいいんだよね?」
「うん、飛び方と、魔法の使い方はさっき教えた通りだよ」
「飛ぶことは自由にできるけど、飛行時間には限りがあって、どこまでも高く飛べるわけじゃない」
「そう、それを可能にするためにこのアルヴヘイム・オンライン……通称、ALOでは真ん中にある世界樹を目指すの」
「そこに辿り着けば、ずっと飛び続けられる高位種族のアルフっていう種族に生まれ変われるんだよね」
「そう……最初にそこに辿り着いた種族だけがね」
そこで、私たちは黙る。
(多分、その世界樹が怪しいんだろうけど……聞いてる限り、一人で行くのは危険すぎる……茅場に相談してから決めようか…………)
「で? スーは、魔法は覚えないの? サラマンダーは、炎とか、攻撃魔法を得意としている人が多いわよ」
「うーん、でも呪文唱えてる間に攻撃されそうで……」
「そこは、戦略でしょ?」
「そうなんだけど……」
悩んでいると、リーファは一つ溜息をついた。
「とにかく、回復魔法は一つでも覚えておいた方がいいわ。一人でやるにしても、パーティーでやるにしても、回復もできないんじゃ、ピンチの時に困ることになるから」
「…………はーい」
しぶしぶ返事をして、リーファとフレンド登録をしてから、彼女は一旦ゲームをログアウトした。
「…………いいな……私も、このゲームから好きに出入りできればいいのに……」
静かに苦笑して、私は目の前にある紅茶を一気に飲み干した。
それからしばらく、街をブラブラと歩いていると、茅場が再びどこからともなく現れた。
「このゲームには慣れたか?」
「……おかげさまで。うんざりよ」
「どうかしたのか?」
茅場が、私の顔を覗き込む。
お互いにフードを被った隙間から、視線が合った。
「…………もう、帰りたい」
ようやく出てきた言葉は、自分が思ったより覇気もなくて、みっともないような声になってしまった。
何だか、そんな姿を彼に見せてしまったことが恥ずかしくて、うつむくと彼の手が私の肩に乗った。
「わかっている」
彼の、自信ありげな声に顔を上げると、ベンヌの顔で彼が笑った。
「何か掴んだの?」
「私とて、ただ休んでいたわけではない。このゲームの外から、色々と情報を探っていた」
それから、茅場は語りだした。
このゲーム、ALOがSAOから派生してできたような存在であり、そのためSAOをしていたものがALOを始めると、容姿や持っているスキルを共有して使用することができること。
そして、ALOはSAOのデータをそのまま持ってきて使っていることから、SAOのデータ内に私のデータがあること。
それは、ALOの中央に位置する世界樹にある可能性が高いこと。
このゲームを作った人は、妖精王オベイロンという名前で世界樹にいて、その人が私のデータを隠し持っている可能性もあるということ。
「何にせよ、奴にスーの存在を知られると、良いように利用される可能性もある。一刻も早い、データの回収が必要だな」
「ちょっと待ってよ。その話が全部本当なら、おかしいことがある」
私は、茅場の言葉を遮った。
「私のデータがこの世界にあるのなら、私の持っていたスキルとかが使えるはずじゃないの? 全部初期化された感じになってるんだけど?」
「そこが、私も引っかかっているところだ。最悪の場合、既に奴がスーの存在に気付いており、何か手を加えられた可能性もある」
「何かって、なに」
「それがわかれば苦労しない」
とにもかくにも、一刻も早いデータの回収が最終目標と定まった。
後は、それを目指して行動するだけだ。
「今回は、最後まで味方でいてくれるんだよね?」
茅場にそう尋ねると、彼は声を出して笑った。
「君が戻れない責任は、私にある。私が、なんとしてもスーを守り、無事に元の居場所へ帰れるようにすると約束しよう」
その言葉を聞いて、私が頷くと彼は満足そうに笑みを浮かべた。
「さて、ではひとまず武器の調達からだな。ALOはスキル性だ。攻撃スピードや武器の威力を上げるだけでも、初心者でも十分世界樹までの道のりは攻略できるだろう」
シルフ領の街で、遠慮なく武器屋を巡り巡って、自分たちの装備を整えた私たちは、世界樹へ向かって旅立つことにした。
(目指すは世界樹————!)