+サンデールの館+
「おいマーだかなんだか!!」
「いい加減覚えたらどうなの!マーネよ!!」
マーネの所へ戻れば
先程よりも荒れた声色で彼女へ問い詰める。
しかし問われた彼女も先程の清楚な感情から豹変し
可愛い声は残しつつも口調が荒々しくなっていた。
その変わり様にマリオですらも硬直し一同が呆然とするが、
静まった事ですぐさま我に戻るとゴホンと咳ばらいをする。
「んん…それで、どうかされましたか?」
「あんたねえ…どういう訳か知らないけど、
罠部屋ばっか案内してさ!本当にメイドさんなの?」
「…え?サンデール様はおられませんでした?」
「…ええ」
彼らの反応に清楚な笑みの口角が一瞬さらに上がる。
…ようにも見える微笑を見せると瞼を閉じてにこりと笑う。
そして両手を両頬にあて、
大袈裟な表情と共に体をくねらせた。
「あらあら…マネリン大しっぱ~い♡♡」
「はぁ…?」
「サンデール様がおられるのは
先程の所の真ん中の部屋ですわぁ
どうぞそちらへお入りくださ~い」
「こ、こいつ…」
「まあまあ…落ち着いて」
だんだんと気だるげな猫撫で声に近付く声色に
神菜は引くを超えてふつふつと別の感情が沸き上がり
ただ睨みつけながら拳を握りしめていた。
相変わらずマリオはただ無言で睨みつけており
それに気付いたマーネも「きゃっ♡」と謎の反応を見せる。
ピーチが思わず苦笑を浮かべれば呆れたように溜息をつき
そのままマーネの案内した扉へと向かっていこうとした。
「ねえ~この流れは絶対罠だよ…」
「…」
しかしマリオは階段の手前でピタリと足を止める。
後ろから二人が覗き見ているが、
彼の視線は一階の奥を見つめていた。
神菜を丸のみにしたバンケンの大型版というべきか。
遠くからでもわかるその大きさのバンケン、ダイバンケンは
まるで犬の息遣いのように薄く口を開き
何故かこちらをじっと見つめていたのだ。
「マリオ?」
「あのバンケンの…鎖の先、扉があるの見えるか?」
「鎖…?」
背後の二人が目を凝らしてそれを見る。
確かにダイバンケンの首元には首輪から鎖が繋がっており
それは扉のハンドルの部分に固定されている状態だ。
「アレって確か…サンデールの番犬、だったわよね」
「番犬を縛り付けるか?普通」
「あのデカさだからヤンチャした~とか?」
「どうだか…」
そして視線をダイバンケンから彼女らに向け
その背後に見えるマーネに警戒しながら口を開く。
「とりあえず…あの番犬の所以外だと扉は残り二つあった。
あの様子じゃ
神菜の言う通り罠の可能性は高い」
「じゃあどうする?大人しく言う事聞いて罠にかかるの?」
「素直に罠にはまるのは癪だが…
どこかしらに正解の部屋はあるはずだ。
俺は上の方を行くから、お前は姫と一緒に一階の方を頼む」
「マーネの指示から逸れてしまって大丈夫かしら?」
「まあ…その時はその時だ」
どうせこの作戦会議も行動に移せば背後の彼女にバレる。
神菜とピーチが一度頷けば、
マリオは意気込むようにパシンと自身の両手を叩く。
そして二人が一階の扉へ駆け出すと同時に
彼も二階へと駆け上がると各々扉を開いて中へ入っていった。
「…ふぁぁ~」
マーネ、もといマネーラは一応その様子を眺めつつも
彼らがいなくなれば呑気に大あくびをしていた。
「どーせ無駄よ。色々細工させてもらったんだからっ」
耳を澄ませ物音が聞こえなくなったのを確認すると
両腕を上に掲げ背筋を一気に伸ばした。
…………
「……」
「見たことある光景ね」
部屋の内装は相変わらずの変わらないデザイン。
きっと正解の部屋以外は基本この構造なのだろう。
そして部屋の奥に目線を向けてみれば
不自然にキノコがポツンと配置されていたのだ。
今度は吊るされていないものの
やはりそのキノコにも紐が括り付けられており
その紐は部屋の一番奥の壁の穴から伸びていたのだ。
どう見たって罠ですと言わんばかりの存在感だ。
「いったんトナで引っこ抜い…あれ?」
神菜は周囲を見渡すが
彼女が望んでいたものはそこについてきておらず。
丸いフォルムのフェアリンだけがぴょんぴょんと跳ねていた。
《ヒゲ達の方にいったビ~ン》
「自力で取るしかないわね」
「ひええ…」
アンナとトるナゲールはマリオの所に向かってしまい
そんな率先して進む彼も先程別れたばかりだ。
神菜はピーチの姿をじっと見たあと、
覚悟を決めたように静かに頷いた。
「よし、私が行く!ピーチは何かないか後ろで見てて」
「大丈夫?」
「大丈夫、大丈夫…!」
握りこぶしから親指を上に立てるハンドサインを見せると
ピーチも不安そうな表情だったものの素直に頷いた。
先程の下がる天井の件があってのピーチの反応なのだろうが
神菜自身、そんな事よりも
勇敢であれど地位の高い人であろうピーチを
盾にする気が起きなかったのだ。
ボムドッカんに手招きをし、
二人並んでそのキノコへと近付く。
「…は?」
するとそのキノコが一定の距離を保ち、
避けるように奥へと移動したのだ。
なんとなくそのまま後ろに下がってみれば
そのキノコは何故か彼女に付いて来るように滑り、
もう一度前へ進めば同じように奥へと滑っていく。
《ワァオ!自在に動くキノコだビン!
超菌類電波を感じるビビンビン!!》
どういう原理か、裏に誰かいるのか不明だが
ボムドッカんは小さな羽を興奮気味に羽ばたかせていた。
「……はあ」
あからさまな誘導に立ち止まってため息をついた。
ふと背後から聞こえた物音で振り向いてみれば
ピーチが扉を開けようとしていたようだったが
先程の罠部屋と同じように自動的に施錠されていたのか
そのままドアハンドルから手を離していた。
観念した彼女の様子を見て再びキノコを視界に映す。
そしてなるべくゆっくりと慎重に、
何が起こるかわからない空間を進んでいった。
「…アッ!とァーーッ!!」
「
神菜っ!」
するとやはり起きたアクシデントにピーチが駆け寄る。
神菜が突然体勢を崩したと思えば
そのまま勢いよく落下するように残像を残したまま
彼女の姿が一瞬で消えてしまった。
つまり先程と同じ落とし穴の罠だった。
彼女が立っていた床はぽっかりと開いており
その先にあるキノコだけがぽつんのと残っていたのだ。
ボムドッカんはそのまま落下した
神菜の元へ飛んでいき
ピーチも急いで駆け寄ったが
辿り着いた時には床は既に元の形に戻っていた。
…………
「ぶはっ…!」
《デジャヴを感じるビン~》
「いやっ、だって怖いじゃん…
高い所からの着地はまだマリオが居ないとさ」
《ウ~ンそういうとこはニンゲン全然変わってないビン~》
「申し訳ございませんね進化してなくてぇ…」
再びリュックをクッションにし地面に着地する。
しかし事故でそういうスタイルになっている訳ではなく
神菜が空中で咄嗟に取った一つの受け身だったのだ。
体勢を整え立ち上がり周囲を見渡せば
そこもやはり見覚えのある地下牢のような空間。
「…お、スイッチだ!」
しかし変化は一つあった。
バクーがいた場所と似た所に赤色のスイッチがあったのだ。
それ以外は何も見当たらず、彼女はそれに近付く。
過去の仕掛けのように踏んだりと試みるも反応せず
むしろどこか硬さを感じる触感だった。
一度後ろを振り向くが、勿論何もない。
「動かない…土管もないし、やっちゃったか?これ…」
《ビン…ビビン…》
焦りと諦めとで肩を落とす彼女に対し
ボムドッカんはそのスイッチにジリジリと近付く。
神菜はちらりとその姿を見下ろしていた。
「…もしかして!」
その動きで彼女にも何かを察したのか、
何かを感じ取っているボムドッカんの後ろ姿を掴みあげる。
爆弾姿になったのを確認すれば
そのままスイッチの上にコトンと乗せた。
そして急いでスイッチと爆弾から距離を取り様子を見る。
—ドカァアン!
「ケケケッ!」
「クケケッ!」
「ん…?」
爆発音とともに何者かの声が聞こえる。
しかし止みかけている爆風の視界を確認しても
神菜以外の生命体の姿は見当たらず。
だが例のスイッチは作動していたのか
彼女の背後にズズ、と緑の土管が出現していた。
そして爆発を済ませたボムドッカんが
ひょろりと彼女の元へ戻る。
「ナイス!ボム助!」
《フゥ~!破壊衝動が抑えられなかったビ~~~ン!》
「ていうか…ん~…ま、いいか!」
とはいえ同時にカレの使い道が
壁の破壊以外にある事を知れたのはラッキーだった。
謎に興奮するボムドッカんを無視しつつ
聞こえた声の事も気にする事なくそのまま土管へ潜っていった。
……………
上昇すれば頭上が明るくなり、
そのままの勢いで土管の外へと飛び出せば
丁度その前の前に心配そうにこちらを見るピーチが居た。
「
神菜…!大丈夫?」
「なんとか!でもやっぱ何もなかったよ」
「そう…」
手ぶらを見せて苦笑する
神菜の姿を見て安堵する。
しかしこうなればもうやる術はなにもない。
マリオが向かった部屋を除いて全てが罠の部屋だったのだ。
部屋の扉は既に開くようになっており
悩んでいても仕方がないと、とりあえず外に出る事にした。
廊下に出れば丁度二階から足音が響く。
途切れた階段から飛び下り、マリオは彼女達へ振り向いた。
「マリオ!」
「どうだった?」
「ううん。収穫ゼロ!落とし穴だけ」
「同じく…つー事は、」
神菜の答えを聞いて
頭を掻きながら彼女達に背を向ける。
その先には例のメイド姿のマーネがおり
睨まれている彼女もこちらを見ていたが
その表情は変わらずにこやかだった。
マリオが率先して彼女に近付く。
「おい、居なかったが?」
「アララ?もしかして~…一階の方にも?」
マリオの背後にいる
神菜達に目線を送る。
目が合った彼女が睨みながら数回頷けば、
マーネは大げさに驚き、目を丸くする。
「おかしいですね…
二階の一番奥の部屋におられると思ったのですが…」
「二階の一番奥…?」
「お客様の目がふしあなだったという可能性もありますわ。
もう一度よく探してみて下さい」
一行の様子を気に留めることなく
おしとやかな微笑みを見せるが
むしろその表情は言動と含めて彼らを煽るもので。
「ふ、ふしあなァ…!?」
「
神菜…!行きましょう」
露骨にその煽りを受ける人物の反応を見て、
思わず面白半分でそんな言動を繰り返しているのもあって。
案の定その人物が感情のこもった声を上げるも
なんやかんや仲裁役となっていたピーチが何とか制止する。
しかしマーネの様子は変わることなく悠々とした笑みを見せ、
思わずバチバチと火花が散りそうなほど睨みつけるが
そのままピーチによってマーネの傍から引きはがされた。
「…」
「このままじゃ思う壺だよ!なんとかしないと…」
とりあえず二階部分へ移動した彼らだったが
ずっと静かに同行していたアンナがひらりと3人の前に出る。
《…ねえ、彼女の言っていた部屋。覚えてる?》
「二階の、一番奥の扉…トゲの天井だよね」
《ええ。でもコインやキノコ罠の部屋ばかりの中、
あそこだけエサは何もなかった…》
「何か隠れているかもしれない…という事?」
「まあ、そうだな。その可能性に賭けてみるしか…」
マリオのその言葉で三人が再び顔を合わせる。
そして改めてトゲの天井のある部屋へと入っていった。
確かに全ての入れる部屋と比べると少し異質だった。
部屋の広さや露骨な罠なのは変わりないが
その罠にはめる手段がこの部屋だけ明らかに違う。
だが見上げても不安になる無数の穴と金属の天井。
それの作動キーなのであろう
先程ピーチが押してしまったスイッチが
ポツンと壁に貼り付けられているのみ。
「ねえねえ」
「ん?」
「コダーイ村での勇者の心得、覚えてる?」
「心得…」
見上げるマリオに
神菜が話しかける。
聞き覚えのある文字列に彼は見上げたまま思考を巡らせた。
「…どこでもとにかく次元ワザ!」
そう声を上げながら
神菜の顔を見る。
彼女は力強く頷き、マリオも納得したように改めて見上げた。
「何もなければ…逃げりゃいいから、
そのスイッチも押してみるか」
「りょーかい!」
「…?」
首をかしげるピーチを連れ、
マリオはなるべく扉に近い場所へと移動する。
神菜は駆け足で部屋の奥のへと向かい
そのままスイッチを押した。
―ガシャン!
再び窓が柵に閉ざされ、
天井の穴からトゲが出てくると天井が動き出した。
それを確認した
神菜は駆け足でマリオ達の元へ戻る。
そして全員がマリオに接触する体勢になるが
ピーチだけは理解しようとただその光景を交互に見ていた。
そんな彼女に
神菜が手を差し伸べる。
「ごめんなさい。状況が理解できていなくて…」
「いいのいいの!とりあえず今はこの手、繋いでて!」
困惑するピーチが
神菜の手を取る。
それを見たマリオがそのまま次元ワザを発動すれば
やはり部屋の一部にある変化が現れた。
「…まあ!」
部屋の天井全てを覆っていた鉄の塊の半分が
紙がめくれるようにぺらりと消えてなくなってしまったのだ。
思わず声をあげるピーチを横目で見つつ
そのトゲに押しつぶされないよう、
鉄の塊が消えて何もなくなったスペースへと移動した。
そして衝撃音と揺れを発生させて地上へとトゲが着地すれば
一行の目の前に分厚い鉄の塊が降りてくる。
「あ!ほら!」
「…あ~、なるほどな。そういう事だったのか」
その金属質が無くなった天井を改めて見上げれば
それに隠されていた更に高い天井が遠くに見えたのだ。
遠くてはっきりと確認はできないものの
何やら複雑な構造の梁が複数張り巡らされている。
「よし、コレで登るぞ」
《うわーい!》
この鉄の塊が地上へ着地後、
数秒後に定位置に戻る事を知っていたマリオがそう伝えれば
二人とも頷いてその鉄の塊の上へあがった。
全員が天井だったモノの上に上がったのを確認すれば
マリオは次元ワザを解除する。
すると消えていた鉄の塊がぺらりと元に戻った。
「コレって…言っていたマリオの使える次元ワザ?」
「そうそう!一応私達も付いていけるんだけど
次元を行き来するにはマリオとの接触が必要なんだ」
「なるほどね…」
そう感心したように元に戻った鉄の塊を見下ろす。
その間でも徐々に定位置に戻ってきていたのか
遠くで見えていた梁との距離が縮まっていた。
そして一番低い梁が頭上付近に来るほどの高さで止まる。
やはりただの構造と比べれば状態は複雑なようで、
真っすぐ伸びている梁は殆ど存在していない。
伸びていた状態から90度曲がって伸びて、曲がって…
まるで複雑な細道のような形にも見えるだろう。
「何かありそうだよね」
「コレで何もなかったらお手上げだ…」
《ビビ~ン!感じるビン!!衝動が…呼んでいる…ッ!!》
「はいはい」
すると大人しくしていたボムドッカんが急に興奮を見せる。
全員が一度見るも、
神菜は見覚えのある反応に
呆れながらも不思議と確信を得ていた。
そしてそのままの勢いで梁の上へ飛び上がる。
梁といっても足場の広さは人一人分は確保されており
とび職が歩き回っている足場程の細さだ。
マリオは安定してその梁の上を率先して歩き、
道を塞いでいるブロックを壊しては前進している。
神菜も高いところには慣れつつあったが
そこを細い道で渡る所業はさすがに慣れていない。
「
神菜、無理しなくていいのよ?」
平均台を渡るようにバランスを取りながらゆっくり歩けば
何故かドレスとパンプスで軽快に進むピーチが振り向く。
確かにマリオが先に進んでいるのならば
余程のことがない限り
神菜は待機していればいいだけだ。
ピーチの言葉に頷くとその場で一旦待機する。
そして
神菜の後方、
進行方向の逆側に何かないかと振り向いた時だった。
「…あった!!カギだ!!」
同時に遠くからマリオの声が響く。
よく見てみればこの部屋の一番奥までたどり着いており
しゃがみ込んだ体勢のままこちらに体を向けていたのだ。
その手には鍵であろう、何かを持っている。
「カギ…カギ!?」
その単語に何かを思い出した
神菜が反応する。
ピーチも思い当たる節があるのか、
考え込んだ様子で視線を下へ向けていた。
「思い当たるのはあの番犬の所ね…」
「ヤンチャしたからってそこまでする?」
「しつけじゃなくてもそうでも…
わざわざ手元からカギを遠ざけるなんてあるかしら?」
「確かに…」
そうこう話しているとマリオが戻ってくる。
彼の手には確かに鍵が握りしめられていた。
ピーチが考えていた内容を相談してみれば
マリオも同じことを考えていたのか、小さく頷いた。
「もうこれ以上何も見つからなかったから…
突き付けるより、使った方がいいかもしれないな」
「ええ。私もそれが良いと思うわ」
「よし!ちゃっちゃと行きましょ!」
静かに話を聞いていた
神菜も賛同すれば
再び次元ワザを使いこなし、地上へ降りる。
そして廊下に出てそのまま迷わず一階の奥へと向かえば
流石に気付いたマーネがじっと彼らを凝視し始めていた。
しかし彼らは構わずにダイバンケンのいる所へ進む。
「あーらら…強行突破しちゃうのかしら」
そう小さく呟いた時だった。
—カチャン
「来た!」
「え?」
鍵が施錠される音が響いた。
同時にマーネの表情がに余裕が消え
大きな音を立てダイバンケンに繋がれていた鎖が外れた。
「
ウガウガガ~っ!」
「
うひぃぁぁぁあっ!!」
そう何度か吠えると、目の前にいるマリオ達を無視し
一目散にマーネ方へと突進したのだ。
マーネは見せた事もない焦りの顔で悲鳴をあげると
ダイバンケンの突進を何とかかわす。
しかしダイバンケンの標的は常に彼女に定められており
どうかわし続けても彼女を襲い続けているだけだった。
流石に危険を察知したのか、
マーネはそのまま逃げる様に部屋を飛び出し、
ダイバンケンも追いかけて部屋から出ていってしまった。
一行はただその暴れ具合を
遠くでじっと見つめていた。
「わあお…」
《あのマーネに襲い掛かっていた…》
「館の外で出会った囚人の話も考えると…
やっぱり何かありそうよね」
「これ以上面倒なことになってなきゃいいが…」
そして目の前にはダイバンケンと鎖によって閉ざされていた扉。
扉を開き、その先へと進んでみれば
その光景に思わず
神菜の声が漏れていた。
「部屋じゃない…!!」
ぐるぐるとさ迷っていた罠部屋とは違う
綺麗に掃除された長い廊下がそこにあったのだ。
変化したその光景に
神菜はその廊下を走り出す。
マリオは呆れつつ、ピーチは微笑ましく眺めると
その後ろ姿を見失わないために急いで後を追った。
№22 転がる罠
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