🧀- Hungry
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「さくら、台本読んだ?」
楽屋のソファに座る私の隣で、さくらが小さく頷いた。
「はい。でも、玲さんとの掛け合い、練習したくて」
そう言って、彼女は私の顔をじっと見つめる。
そのまっすぐな目に、最近すぐに照れてしまう自分がいる。
まだ彼女になって数日。なのに、距離の近さがまったく違う。
少し前までなら、視線が合うたびにどきっとして、知らないふりをしてた。
けど、今はもう隠す理由なんてない。
逆に、隠せなくなってきてる。
たとえば――
「……近い」
「え?台本見せようとしてるんですよ?」
って言いながら、わざと体をくっつけてくるこの子とか。
「……わざとでしょ」
「えーバレました?」
そんなふうに笑うさくらが、最近本当にずるい。
前よりも甘えん坊で、でもちゃんと私のペースを守ってくれて、
好きを伝えてくるのが本当に上手で、反則だ。
…なんでこんなに、愛しいんだろう。
「玲さんが、ちゃんと恋人っぽいことしてくれないから、私ががんばらなきゃって思ってるんです」
「してるよ。……たぶん」
「たぶん、って。かわいい」
頬をつつかれて、私はわざとそっぽを向いた。
「それに、最近ちょっとわかってきました」
「何が?」
「玲さん、意外と独占欲強めですよね」
「は?」
突然のことに思わず声が裏返る。
「昨日の撮影のあと、私が他の子と一緒に写真撮ってたら、めっちゃ静かにこっち見てましたよね。目がつまんないって言ってた」
「……それは」
「ね、図星」
からかうような笑顔。でも、ちゃんと見てくれてたんだって思うと、なんだか嬉しかった。
「……さくらも、そうだったじゃん」
「え?」
「前、私が他のメンバーに耳打ちされてた時、めっちゃ怖い顔してた。あとで写真で見た」
「それは……!いや、それは玲さんが笑いながら頷くから…!」
顔を真っ赤にして慌てるさくらが、可愛すぎてもう無理。
「……私の方が独占欲強いとか言ってたけど、どっちもどっちでしょ」
そう言って笑ったら、さくらは悔しそうに口をとがらせて、でもすぐにくすっと笑った。
「……ねぇ玲さん」
「ん?」
「好きが止まらないんですけど、どうしたらいいですか」
「知るか。私もだから」
ふたりして笑って、それだけで胸がいっぱいになる。
その夜、仕事帰りの車の中。
後部座席に並んで座る。
いつも通り、手を繋いで、静かな時間。
「……あのとき、ありがとうございます」
ふいにさくらが言った。
「え?」
「私、絶対待てなかった。玲さんからじゃないと、告白はダメって決めてたのに……無理でした」
「……私も」
「うん?」
「言ってくれて嬉しかった。…さくらが勇気出してくれたから、今こうして隣にいられる」
ほんの少しの勇気が、こんなにも世界を変えるなんて。
あの夜のキスが、今でもずっと唇に残ってる気がする。
さくらが私の肩に頭を預けて、そっと囁く。
「ねぇ、玲さん」
「なに」
「もう一回、キスしてもいい?」
返事をするより先に、顔が熱くなる。
でも、拒む理由なんてどこにもない。
「……いいよ」
そう言った私に、さくらはそっと顔を寄せて、静かに唇を重ねた。
今度のキスは、あのときよりも長くて、深くて、恋人という言葉がしっかりと心に染みていくようだった。
―もう迷わない。
恋は不安や嫉妬も連れてくるけれど、それでも、さくらと一緒ならきっと大丈夫。
誰にどう思われたって、関係ない。
だって私は今、こんなにもまっすぐな“好き”を知ってしまったから。
そして、それを同じ熱量で返してくれる人が、すぐ隣にいるから。
これからもっと、もっと幸せになろう。
一緒に、少しずつ、恋を育てていこう。
さくら、ずっと、よろしくね。
楽屋のソファに座る私の隣で、さくらが小さく頷いた。
「はい。でも、玲さんとの掛け合い、練習したくて」
そう言って、彼女は私の顔をじっと見つめる。
そのまっすぐな目に、最近すぐに照れてしまう自分がいる。
まだ彼女になって数日。なのに、距離の近さがまったく違う。
少し前までなら、視線が合うたびにどきっとして、知らないふりをしてた。
けど、今はもう隠す理由なんてない。
逆に、隠せなくなってきてる。
たとえば――
「……近い」
「え?台本見せようとしてるんですよ?」
って言いながら、わざと体をくっつけてくるこの子とか。
「……わざとでしょ」
「えーバレました?」
そんなふうに笑うさくらが、最近本当にずるい。
前よりも甘えん坊で、でもちゃんと私のペースを守ってくれて、
好きを伝えてくるのが本当に上手で、反則だ。
…なんでこんなに、愛しいんだろう。
「玲さんが、ちゃんと恋人っぽいことしてくれないから、私ががんばらなきゃって思ってるんです」
「してるよ。……たぶん」
「たぶん、って。かわいい」
頬をつつかれて、私はわざとそっぽを向いた。
「それに、最近ちょっとわかってきました」
「何が?」
「玲さん、意外と独占欲強めですよね」
「は?」
突然のことに思わず声が裏返る。
「昨日の撮影のあと、私が他の子と一緒に写真撮ってたら、めっちゃ静かにこっち見てましたよね。目がつまんないって言ってた」
「……それは」
「ね、図星」
からかうような笑顔。でも、ちゃんと見てくれてたんだって思うと、なんだか嬉しかった。
「……さくらも、そうだったじゃん」
「え?」
「前、私が他のメンバーに耳打ちされてた時、めっちゃ怖い顔してた。あとで写真で見た」
「それは……!いや、それは玲さんが笑いながら頷くから…!」
顔を真っ赤にして慌てるさくらが、可愛すぎてもう無理。
「……私の方が独占欲強いとか言ってたけど、どっちもどっちでしょ」
そう言って笑ったら、さくらは悔しそうに口をとがらせて、でもすぐにくすっと笑った。
「……ねぇ玲さん」
「ん?」
「好きが止まらないんですけど、どうしたらいいですか」
「知るか。私もだから」
ふたりして笑って、それだけで胸がいっぱいになる。
その夜、仕事帰りの車の中。
後部座席に並んで座る。
いつも通り、手を繋いで、静かな時間。
「……あのとき、ありがとうございます」
ふいにさくらが言った。
「え?」
「私、絶対待てなかった。玲さんからじゃないと、告白はダメって決めてたのに……無理でした」
「……私も」
「うん?」
「言ってくれて嬉しかった。…さくらが勇気出してくれたから、今こうして隣にいられる」
ほんの少しの勇気が、こんなにも世界を変えるなんて。
あの夜のキスが、今でもずっと唇に残ってる気がする。
さくらが私の肩に頭を預けて、そっと囁く。
「ねぇ、玲さん」
「なに」
「もう一回、キスしてもいい?」
返事をするより先に、顔が熱くなる。
でも、拒む理由なんてどこにもない。
「……いいよ」
そう言った私に、さくらはそっと顔を寄せて、静かに唇を重ねた。
今度のキスは、あのときよりも長くて、深くて、恋人という言葉がしっかりと心に染みていくようだった。
―もう迷わない。
恋は不安や嫉妬も連れてくるけれど、それでも、さくらと一緒ならきっと大丈夫。
誰にどう思われたって、関係ない。
だって私は今、こんなにもまっすぐな“好き”を知ってしまったから。
そして、それを同じ熱量で返してくれる人が、すぐ隣にいるから。
これからもっと、もっと幸せになろう。
一緒に、少しずつ、恋を育てていこう。
さくら、ずっと、よろしくね。
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