🧀- Hungry
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「玲さーん!」
今日も楽屋の扉を開けた瞬間、玲さん声をかけた。
この声に反応して、ふわりとこちらを向いてくれる玲さんの表情が、私はたまらなく好きだった。
メイク落としの手を止めて微笑むその顔は、相変わらず月のようにやさしくて、どこか儚い。
ライトの下で浮かび上がる白い肌、繊細なまつ毛の影、そのどれもがきらきらと輝いて見える。
そんな人が、自分の目の前にいて、しかもその笑顔が自分に向けられているという奇跡に、今日もまた心がざわついた。
いつからこんなふうに思い始めたんだっけ。
記憶をたどっても、明確な瞬間は思い出せない。
ただ気づいたときにはもう、私は玲さんのすべてに心を奪われていた。
そして――もしかしたら、玲さんも私のことを好きなんじゃないかと、思っている。
自惚れだと最初は笑い飛ばそうとした。
けれど私に向けられる言葉、仕草、視線。
そのすべてが優しすぎて、あたたかすぎて、私だけを見ているように感じてしまう。
痛いほど伝わってくる好意に、期待を抑えきれなくなってしまう。
収録も終わり、荷物をまとめて楽屋を出る。
私と玲さんはいつも同じ車両で帰っていて、それがささやかな楽しみになっていた。
移動のための味気ない時間のはずなのに、玲さんが隣にいるだけで特別なものになる。
だから、今日はちょっと勇気を出してさりげなく手を繋いで、並んで車に向かう。
同性のメンバー同士。
距離が近くたって、変じゃない。
そう思えばこそ、こんなにも堂々と触れられる。
でも本当は、理由なんてどうだっていい。
ただ、触れていたい。
この人の温度を感じていたい。それだけだ。
そんなことを思いながら車両に乗り込む。
他のメンバーたちは思い思いにイヤホンをつけたり、すぐに眠りに落ちたりして、車内はあっという間に静かになる。
まるでこの空間だけが、私たち二人だけの特別な世界になったようだった。
玲さんは普段、車に乗るとすぐイヤホンをつけて自分の時間に入る人。
だから、今日もそうするのだろうと私も音楽のアプリを立ち上げようとしていた。
そのとき。
「さくら、お話しよ」
玲さんが小さく、でも確かに言った。
胸の奥がぎゅっとなる。
玲さんが、私の名前を呼んで、話したいなんて言ってくるなんて。
月みたいに静かで穏やかな玲さんが、こうして心を開いてくれる時の顔は、太陽みたいに眩しくて。
その笑顔を私だけが見ている、と思うだけで胸がいっぱいになる。
何も言えなくなって、そのまま、私は玲さんに身体を寄せて、ぎゅっと抱きついた。
心の中でずっと思っていた。
いつか玲さんから告白してくれるのかなって。
でも――さすがにもう待ちきれなかった。
こんなにも好きなのに、伝えずにいられるほど器用じゃない。
私の好きと玲さんの好き、その矢印が向き合ってるってわかってる。
だったらもう、答え合わせなんていらない。
流れてしまう前に、この気持ちをちゃんと掴まえたい。
車の隅っこ、誰にも見られないこの場所で、玲さんの頬に手を添える。
そして、何も言わず、気持ちだけを込めて、そっと唇を重ねた。
ほんの一瞬。
けれど、それは永遠みたいにあたたかくて、やさしいキスだった。
玲さんは目を丸くして、すぐに頬を赤らめて俯いた。
でも、何も言わないまま、目を閉じて、私に身を預けてくれた。
イケメン担当、たらしだなんて言われることもある玲さんが、私の一言や一動作でこんなにも顔を赤くしてくれるなんて。
「……意外とうぶなんですね。かわいい」
思わずそんな言葉がこぼれた。
「……うるさい」
玲さんはそう言ったけど、その顔は真っ赤で、説得力なんてどこにもない。
「好きですよ、ずっと」
私がそう告げると、玲さんはほんの少しの間を置いて、でもしっかりと目を見て「私も好き」と言ってくれた。
言葉にしてくれることが、こんなにも嬉しいなんて。
こんな玲さんが、やっぱり、好きだ。
「付き合ってくれます?」
そう聞くと、玲さんは小さな声で「うん……でも私、こういうのはじめてだから」と呟いた。
その言葉に胸がきゅんとなって、もうどうしようもなかった。
「かわいい……私に任せてください」
玲さんのすべてが、愛おしくてたまらない。
触れるだけで、目を合わせるだけで、心臓がうるさくなる。
だからもっと、私のことを好きになってください。
大丈夫、私たちなら絶対にうまくいく。
細かいことは、すっ飛ばして。
さっさと、幸せになっちゃいましょうよ。
今日も楽屋の扉を開けた瞬間、玲さん声をかけた。
この声に反応して、ふわりとこちらを向いてくれる玲さんの表情が、私はたまらなく好きだった。
メイク落としの手を止めて微笑むその顔は、相変わらず月のようにやさしくて、どこか儚い。
ライトの下で浮かび上がる白い肌、繊細なまつ毛の影、そのどれもがきらきらと輝いて見える。
そんな人が、自分の目の前にいて、しかもその笑顔が自分に向けられているという奇跡に、今日もまた心がざわついた。
いつからこんなふうに思い始めたんだっけ。
記憶をたどっても、明確な瞬間は思い出せない。
ただ気づいたときにはもう、私は玲さんのすべてに心を奪われていた。
そして――もしかしたら、玲さんも私のことを好きなんじゃないかと、思っている。
自惚れだと最初は笑い飛ばそうとした。
けれど私に向けられる言葉、仕草、視線。
そのすべてが優しすぎて、あたたかすぎて、私だけを見ているように感じてしまう。
痛いほど伝わってくる好意に、期待を抑えきれなくなってしまう。
収録も終わり、荷物をまとめて楽屋を出る。
私と玲さんはいつも同じ車両で帰っていて、それがささやかな楽しみになっていた。
移動のための味気ない時間のはずなのに、玲さんが隣にいるだけで特別なものになる。
だから、今日はちょっと勇気を出してさりげなく手を繋いで、並んで車に向かう。
同性のメンバー同士。
距離が近くたって、変じゃない。
そう思えばこそ、こんなにも堂々と触れられる。
でも本当は、理由なんてどうだっていい。
ただ、触れていたい。
この人の温度を感じていたい。それだけだ。
そんなことを思いながら車両に乗り込む。
他のメンバーたちは思い思いにイヤホンをつけたり、すぐに眠りに落ちたりして、車内はあっという間に静かになる。
まるでこの空間だけが、私たち二人だけの特別な世界になったようだった。
玲さんは普段、車に乗るとすぐイヤホンをつけて自分の時間に入る人。
だから、今日もそうするのだろうと私も音楽のアプリを立ち上げようとしていた。
そのとき。
「さくら、お話しよ」
玲さんが小さく、でも確かに言った。
胸の奥がぎゅっとなる。
玲さんが、私の名前を呼んで、話したいなんて言ってくるなんて。
月みたいに静かで穏やかな玲さんが、こうして心を開いてくれる時の顔は、太陽みたいに眩しくて。
その笑顔を私だけが見ている、と思うだけで胸がいっぱいになる。
何も言えなくなって、そのまま、私は玲さんに身体を寄せて、ぎゅっと抱きついた。
心の中でずっと思っていた。
いつか玲さんから告白してくれるのかなって。
でも――さすがにもう待ちきれなかった。
こんなにも好きなのに、伝えずにいられるほど器用じゃない。
私の好きと玲さんの好き、その矢印が向き合ってるってわかってる。
だったらもう、答え合わせなんていらない。
流れてしまう前に、この気持ちをちゃんと掴まえたい。
車の隅っこ、誰にも見られないこの場所で、玲さんの頬に手を添える。
そして、何も言わず、気持ちだけを込めて、そっと唇を重ねた。
ほんの一瞬。
けれど、それは永遠みたいにあたたかくて、やさしいキスだった。
玲さんは目を丸くして、すぐに頬を赤らめて俯いた。
でも、何も言わないまま、目を閉じて、私に身を預けてくれた。
イケメン担当、たらしだなんて言われることもある玲さんが、私の一言や一動作でこんなにも顔を赤くしてくれるなんて。
「……意外とうぶなんですね。かわいい」
思わずそんな言葉がこぼれた。
「……うるさい」
玲さんはそう言ったけど、その顔は真っ赤で、説得力なんてどこにもない。
「好きですよ、ずっと」
私がそう告げると、玲さんはほんの少しの間を置いて、でもしっかりと目を見て「私も好き」と言ってくれた。
言葉にしてくれることが、こんなにも嬉しいなんて。
こんな玲さんが、やっぱり、好きだ。
「付き合ってくれます?」
そう聞くと、玲さんは小さな声で「うん……でも私、こういうのはじめてだから」と呟いた。
その言葉に胸がきゅんとなって、もうどうしようもなかった。
「かわいい……私に任せてください」
玲さんのすべてが、愛おしくてたまらない。
触れるだけで、目を合わせるだけで、心臓がうるさくなる。
だからもっと、私のことを好きになってください。
大丈夫、私たちなら絶対にうまくいく。
細かいことは、すっ飛ばして。
さっさと、幸せになっちゃいましょうよ。