🧀- Hungry
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「玲さーん!」
楽屋の扉が開くと同時に聞こえる、あの声。
今日も変わらず、まっすぐな笑顔で私の名前を呼ぶ、その姿に胸が温かくなる。
声に応えて振り向くと、目が合ったさくらが嬉しそうに笑う。
私はメイク落としの手を止めて、自然と微笑んでいた。
たぶん、それはもう反射のようなものだった。
この子の声には、どんな時も自然と反応してしまう。
…本当に、ずるい子だ。
ふわふわの髪、つややかな瞳。
見るたびに、胸の奥がじんわり熱くなる。
この感情の名前をはっきりと自覚したのは、いつだったろうか。
気づいたときにはもう、逃れられないくらいに惹かれていた。
さくらの一挙手一投足に心が揺れて、彼女の言葉ひとつで笑顔にもなれば、不安にもなる。
まるで、自分の心が彼女の掌にあるみたいに。
でも――私は臆病だった。
この気持ちがバレてしまったら、今の関係が壊れてしまうかもしれない。
そんな怖さがあって、何もできずにいた。
…だけど、さくらは、いつも少しずつ距離を縮めてくる。
わざとらしくなく、でも確かに。
ほんの一瞬、手を繋いでくるだけでも、私の心は嵐みたいに騒ぎ出すのに。
わかってるのかな。
いや、わかってる気がする。
あの子はきっと、全部見透かしてる。
なのに何も言わず、ただそばにいてくれる。
その優しさが、たまらなくて、怖くて、でも嬉しくて。
収録が終わって、いつものようにさくらと並んで車に向かう。
自然に手を繋がれても、もう抵抗なんてできない。
むしろ、握り返してしまいそうになるのを、どうにか堪えていた。
車に乗り込むと、他のメンバーたちはそれぞれ自分の世界に入っていく。
私もいつも通り、イヤホンを取り出しかけて
――でも、ふと視線がさくらに向いた。
隣にいるこの子の存在が、今日はやけに強く感じられる。
静かな車内、二人きりみたいなこの空間。
気づいたら、言葉がこぼれていた。
「さくら、お話しよ」
たったそれだけなのに、彼女の表情がぱっと明るくなったのが見えて、胸が跳ねた。
そしてその直後、何も言わずにぎゅっと抱きつかれて、頭が真っ白になる。
心臓の音が、うるさい。
「……っ、さくら?」
何か言おうとしたけど、言葉にならなかった。
戸惑いと嬉しさと、いろんな感情がごちゃまぜになって、動けない。
そして次の瞬間――彼女の手が頬に添えられて、そっと唇が重なる。
驚いて、でも拒めなくて。
気づけば私は、目を閉じて彼女に身を預けていた。
…あたたかい。
心が、ゆっくりと溶けていくようだった。
こんなふうに、触れてくれて。
こんなふうに、想ってくれて。
私は、ずっと、望んでいた。
「……意外と、うぶなんですね。かわいい」
そうさくらが笑って言うけれど、そんなこと言われたら、余計に顔が熱くなる。
「……うるさい」
とっさにそう返したけど、自分でもわかってた。
まったく説得力なんてないってこと。
「好きですよ、ずっと」
そう言われたとき、胸が締めつけられるくらい嬉しかった。
だから私は、ちゃんと見つめて、言った。
「私も好き」
さくらへの気持ちを言葉にするのは、なんだかとても恥ずかしかった。
でも、嘘じゃない。心の底からの本音だった。
「付き合ってくれます?」
さくらがそう聞いてくれて、私は少し戸惑いながらも頷いた。
「うん……でも私、こういうのはじめてだから」
すると、彼女は優しく微笑んで「かわいい……私に任せてください」って。
私の全部を、大切にしてくれる。
そんな確信があった。
こんなにも想ってくれる人が隣にいる。
それだけで、世界が変わって見えた。
手を繋ぐだけで、鼓動が跳ねる。
目が合うだけで、息が止まりそうになる。
恋って、こんなにも愛しくて、苦しくて、幸せなものなんだ。
もう、逃げたりしない。
これからは、ちゃんと向き合っていく。
さくらと一緒に、少しずつ。
私なりの「好き」を、ちゃんと伝えていけたらいいな。
…ううん、きっと伝える。何度でも。
今夜から、私は「恋人」として、あなたの隣にいるんだから。
――さくら、大好きだよ。
楽屋の扉が開くと同時に聞こえる、あの声。
今日も変わらず、まっすぐな笑顔で私の名前を呼ぶ、その姿に胸が温かくなる。
声に応えて振り向くと、目が合ったさくらが嬉しそうに笑う。
私はメイク落としの手を止めて、自然と微笑んでいた。
たぶん、それはもう反射のようなものだった。
この子の声には、どんな時も自然と反応してしまう。
…本当に、ずるい子だ。
ふわふわの髪、つややかな瞳。
見るたびに、胸の奥がじんわり熱くなる。
この感情の名前をはっきりと自覚したのは、いつだったろうか。
気づいたときにはもう、逃れられないくらいに惹かれていた。
さくらの一挙手一投足に心が揺れて、彼女の言葉ひとつで笑顔にもなれば、不安にもなる。
まるで、自分の心が彼女の掌にあるみたいに。
でも――私は臆病だった。
この気持ちがバレてしまったら、今の関係が壊れてしまうかもしれない。
そんな怖さがあって、何もできずにいた。
…だけど、さくらは、いつも少しずつ距離を縮めてくる。
わざとらしくなく、でも確かに。
ほんの一瞬、手を繋いでくるだけでも、私の心は嵐みたいに騒ぎ出すのに。
わかってるのかな。
いや、わかってる気がする。
あの子はきっと、全部見透かしてる。
なのに何も言わず、ただそばにいてくれる。
その優しさが、たまらなくて、怖くて、でも嬉しくて。
収録が終わって、いつものようにさくらと並んで車に向かう。
自然に手を繋がれても、もう抵抗なんてできない。
むしろ、握り返してしまいそうになるのを、どうにか堪えていた。
車に乗り込むと、他のメンバーたちはそれぞれ自分の世界に入っていく。
私もいつも通り、イヤホンを取り出しかけて
――でも、ふと視線がさくらに向いた。
隣にいるこの子の存在が、今日はやけに強く感じられる。
静かな車内、二人きりみたいなこの空間。
気づいたら、言葉がこぼれていた。
「さくら、お話しよ」
たったそれだけなのに、彼女の表情がぱっと明るくなったのが見えて、胸が跳ねた。
そしてその直後、何も言わずにぎゅっと抱きつかれて、頭が真っ白になる。
心臓の音が、うるさい。
「……っ、さくら?」
何か言おうとしたけど、言葉にならなかった。
戸惑いと嬉しさと、いろんな感情がごちゃまぜになって、動けない。
そして次の瞬間――彼女の手が頬に添えられて、そっと唇が重なる。
驚いて、でも拒めなくて。
気づけば私は、目を閉じて彼女に身を預けていた。
…あたたかい。
心が、ゆっくりと溶けていくようだった。
こんなふうに、触れてくれて。
こんなふうに、想ってくれて。
私は、ずっと、望んでいた。
「……意外と、うぶなんですね。かわいい」
そうさくらが笑って言うけれど、そんなこと言われたら、余計に顔が熱くなる。
「……うるさい」
とっさにそう返したけど、自分でもわかってた。
まったく説得力なんてないってこと。
「好きですよ、ずっと」
そう言われたとき、胸が締めつけられるくらい嬉しかった。
だから私は、ちゃんと見つめて、言った。
「私も好き」
さくらへの気持ちを言葉にするのは、なんだかとても恥ずかしかった。
でも、嘘じゃない。心の底からの本音だった。
「付き合ってくれます?」
さくらがそう聞いてくれて、私は少し戸惑いながらも頷いた。
「うん……でも私、こういうのはじめてだから」
すると、彼女は優しく微笑んで「かわいい……私に任せてください」って。
私の全部を、大切にしてくれる。
そんな確信があった。
こんなにも想ってくれる人が隣にいる。
それだけで、世界が変わって見えた。
手を繋ぐだけで、鼓動が跳ねる。
目が合うだけで、息が止まりそうになる。
恋って、こんなにも愛しくて、苦しくて、幸せなものなんだ。
もう、逃げたりしない。
これからは、ちゃんと向き合っていく。
さくらと一緒に、少しずつ。
私なりの「好き」を、ちゃんと伝えていけたらいいな。
…ううん、きっと伝える。何度でも。
今夜から、私は「恋人」として、あなたの隣にいるんだから。
――さくら、大好きだよ。
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