🥚🐈⬛- 月下美人
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勢いに任せて言いすぎた。
美羽が麗奈と付き合うことになって落ち込んでいるであろう愛季を慰めるために追いかけて、ただ他愛ない話をするか、もしくは勇気を出してちょっとだけスキンシップをしてしまおうかなんて考えていたはずなのに口から出た言葉は全く違って。
気付けば告白していたみたいだ。
愛季は私のことなんとも思ってないのに。
絶対引かれた。愛季は優しいから嫌われはしないだろうけどこれからは今までみたいに話してくれなくなるかも。
あのときの私は愛季の涙を見て気が動転してしまって、冷静じゃなかった。
ほんと何やってんだろ私。
愛季の笑顔が好きだなんて思いながら、実際は笑わせるどころか困らせて。
そう思って落ち込んで、楽屋の机に突っ伏していると後ろから肩を叩かれる。
どうせ優か美青とかその辺りだろうと思って「なに」と冷たい返事を返すと「あ、ごめん、あとでもいいんだけど」と大好きな人の声が返ってくる。
慌てて顔を上げると、すっかり涙は乾いた様子の愛季。
「ごめん、間違えた。どしたの?」
と返すと「間違えたって何」と笑いながら返してくれる愛季。
良かった。嫌われては無さそうだ。
安堵したのもつかの間、愛季は
「さっきしーが言ってくれたこと嬉しかった」
「今はまだ、好きとか思えないけど、嫌じゃなかった。しーのこと好きになりたいって思った」
そう言って私の頭を撫でてくれる。
その言葉が嬉しくて気付いたら涙が出ていたみたいで愛季が涙を拭ってくれる。
「これじゃあさっきと逆じゃん」なんて笑っている愛季の笑顔は私が大好きなもので、その笑顔につられて私も笑みが零れた。
あれから愛季は今まで以上に私に話しかけてくれるようになって、気付けば美羽の居場所だった愛季の隣は私の定位置になっていた。
私は美羽みたいに素直な言葉を口にしたり甘えたりが得意じゃないけど、2人で話すときには頑張って愛季の笑顔が好きなこと、ずっと笑っていてほしいことを伝えていた。
今日もいつも通り、「愛季の笑顔好きなんだよね。私は見られなくてもいいからさー、ずっと笑ってて欲しいもん。」
ちょっぴり勇気を出して伝えて、愛季は笑顔でありがとうって答えてくれる、そのはずだったのに。
「しーはさ、」
真剣な面持ちで話し出す愛季に背筋が伸びる。
「しーはさ、もう私のこと好きじゃなくなった?」
予想外の問いかけに声が詰まる。
その間を肯定と捉えたのか愛季の顔は暗くなっていく。
「そうだよね、ごめん。待たせすぎた。そんなにずっと好きでいてくれるわけないもんね。私なにもしてあげられてないし。」
言いたいことはいろいろあったけど出たのは「ちがう」の3文字だけだった。
それでも愛季には伝わったみたいで「そっか」と言いながら私の大好きな笑顔を見せて「じゃあさ、私のこと隣で笑わせてくれるのはしーがいいな」「しー、好きだよ付き合って。」
私がその言葉にぽろぽろと涙を流していると、愛季は私の涙を拭って頭を撫でてくれる。
あの日と同じ構図に思わず2人で目が合って笑みがこぼれる。
私たちの恋はまだまだ始まったばかり。
おまけ
「しー、今日のリハ終わったらどこ行くー?」
楽屋の隅でストレッチをしながら、愛季がこっちを見る。
まだ湿った髪をアップにまとめたばかりのその姿が、好きで仕方ない。
「え、なにその言い方。まるで一緒に行くのが当然みたいに」
わざとそっけなく返すと、愛季はちょっと膨れた顔になる。
「だって当然じゃないの?今日オフ明けで久しぶりに会えたし、しーがデートする?って言ってくれてたじゃん」
「言ったけど、そんな期待されたら逆に照れるんだけど……」
「うわ〜しーが照れてる〜〜かわい〜〜〜!」
ニコニコしながら寄ってくる愛季を、周りの3期生がチラッと見る。
でも誰も茶化したりはしない。
いつの間にか、“愛季の隣=私定位置”っていうのが完全に定着していた。
「で、どこ行くの?」
「……映画、見に行こっか。あとアイスも。愛季、昨日食べたいって言ってたでしょ」
「ほんと!? しーが覚えててくれるなんて珍しい!」
「いや、恋人の発言ぐらいちゃんと覚えてますけど」
「うわ〜〜〜惚れ直す〜〜!」
「直さなくていい。ずっと惚れてて」
いつの間にか、こういうやりとりも自然になった。
愛季の笑顔が大好きだ。
でもその笑顔を自分の言葉で引き出せたときの喜びは、もっと特別。
「……しーもさ、めっちゃ笑うようになったよね」
ふとした瞬間に、そんなことを言われる。
「そりゃ、愛季の隣は居心地いいから」
「えへへ……しー、ほんとに好きだよ」
「うん、知ってる。私も、ずっと好きだよ」
リハーサルが終わったら、今日は2人で映画とアイスと、たぶん他愛ない話ばかり。
きっと、そんな毎日が続いていく。
ドキドキすることも、たまに不安になることも、全部一緒に重ねていく。
――たぶん今日も、愛季がいちばん好き。
明日もあさっても、ずっとそうだと思う。
美羽が麗奈と付き合うことになって落ち込んでいるであろう愛季を慰めるために追いかけて、ただ他愛ない話をするか、もしくは勇気を出してちょっとだけスキンシップをしてしまおうかなんて考えていたはずなのに口から出た言葉は全く違って。
気付けば告白していたみたいだ。
愛季は私のことなんとも思ってないのに。
絶対引かれた。愛季は優しいから嫌われはしないだろうけどこれからは今までみたいに話してくれなくなるかも。
あのときの私は愛季の涙を見て気が動転してしまって、冷静じゃなかった。
ほんと何やってんだろ私。
愛季の笑顔が好きだなんて思いながら、実際は笑わせるどころか困らせて。
そう思って落ち込んで、楽屋の机に突っ伏していると後ろから肩を叩かれる。
どうせ優か美青とかその辺りだろうと思って「なに」と冷たい返事を返すと「あ、ごめん、あとでもいいんだけど」と大好きな人の声が返ってくる。
慌てて顔を上げると、すっかり涙は乾いた様子の愛季。
「ごめん、間違えた。どしたの?」
と返すと「間違えたって何」と笑いながら返してくれる愛季。
良かった。嫌われては無さそうだ。
安堵したのもつかの間、愛季は
「さっきしーが言ってくれたこと嬉しかった」
「今はまだ、好きとか思えないけど、嫌じゃなかった。しーのこと好きになりたいって思った」
そう言って私の頭を撫でてくれる。
その言葉が嬉しくて気付いたら涙が出ていたみたいで愛季が涙を拭ってくれる。
「これじゃあさっきと逆じゃん」なんて笑っている愛季の笑顔は私が大好きなもので、その笑顔につられて私も笑みが零れた。
あれから愛季は今まで以上に私に話しかけてくれるようになって、気付けば美羽の居場所だった愛季の隣は私の定位置になっていた。
私は美羽みたいに素直な言葉を口にしたり甘えたりが得意じゃないけど、2人で話すときには頑張って愛季の笑顔が好きなこと、ずっと笑っていてほしいことを伝えていた。
今日もいつも通り、「愛季の笑顔好きなんだよね。私は見られなくてもいいからさー、ずっと笑ってて欲しいもん。」
ちょっぴり勇気を出して伝えて、愛季は笑顔でありがとうって答えてくれる、そのはずだったのに。
「しーはさ、」
真剣な面持ちで話し出す愛季に背筋が伸びる。
「しーはさ、もう私のこと好きじゃなくなった?」
予想外の問いかけに声が詰まる。
その間を肯定と捉えたのか愛季の顔は暗くなっていく。
「そうだよね、ごめん。待たせすぎた。そんなにずっと好きでいてくれるわけないもんね。私なにもしてあげられてないし。」
言いたいことはいろいろあったけど出たのは「ちがう」の3文字だけだった。
それでも愛季には伝わったみたいで「そっか」と言いながら私の大好きな笑顔を見せて「じゃあさ、私のこと隣で笑わせてくれるのはしーがいいな」「しー、好きだよ付き合って。」
私がその言葉にぽろぽろと涙を流していると、愛季は私の涙を拭って頭を撫でてくれる。
あの日と同じ構図に思わず2人で目が合って笑みがこぼれる。
私たちの恋はまだまだ始まったばかり。
おまけ
「しー、今日のリハ終わったらどこ行くー?」
楽屋の隅でストレッチをしながら、愛季がこっちを見る。
まだ湿った髪をアップにまとめたばかりのその姿が、好きで仕方ない。
「え、なにその言い方。まるで一緒に行くのが当然みたいに」
わざとそっけなく返すと、愛季はちょっと膨れた顔になる。
「だって当然じゃないの?今日オフ明けで久しぶりに会えたし、しーがデートする?って言ってくれてたじゃん」
「言ったけど、そんな期待されたら逆に照れるんだけど……」
「うわ〜しーが照れてる〜〜かわい〜〜〜!」
ニコニコしながら寄ってくる愛季を、周りの3期生がチラッと見る。
でも誰も茶化したりはしない。
いつの間にか、“愛季の隣=私定位置”っていうのが完全に定着していた。
「で、どこ行くの?」
「……映画、見に行こっか。あとアイスも。愛季、昨日食べたいって言ってたでしょ」
「ほんと!? しーが覚えててくれるなんて珍しい!」
「いや、恋人の発言ぐらいちゃんと覚えてますけど」
「うわ〜〜〜惚れ直す〜〜!」
「直さなくていい。ずっと惚れてて」
いつの間にか、こういうやりとりも自然になった。
愛季の笑顔が大好きだ。
でもその笑顔を自分の言葉で引き出せたときの喜びは、もっと特別。
「……しーもさ、めっちゃ笑うようになったよね」
ふとした瞬間に、そんなことを言われる。
「そりゃ、愛季の隣は居心地いいから」
「えへへ……しー、ほんとに好きだよ」
「うん、知ってる。私も、ずっと好きだよ」
リハーサルが終わったら、今日は2人で映画とアイスと、たぶん他愛ない話ばかり。
きっと、そんな毎日が続いていく。
ドキドキすることも、たまに不安になることも、全部一緒に重ねていく。
――たぶん今日も、愛季がいちばん好き。
明日もあさっても、ずっとそうだと思う。
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