🥚🐈⬛- 月下美人
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美羽が最初から私が眼中に無いことなんか分かってた。
美羽は私のこと、とても好きで居てくれると思う。
でもその好きは私の好きとは違う。
「私生活全部愛季にやってもらってる」
「愛季がいないと生きていけない」
いろんな所で期待させる言葉を言うくせに、その視線の先に私が映ることはない。
いつから好きだったかなんて分からない。
数ヶ月前のような気もするし、数年前、もしかしたらグループに加入したばかりの時なのかもしれない。
でも、美羽の纏っている雰囲気も、甘えてくれる姿も、優しいところも、意外と乙女なのも、全部好きになっていた。
気付けば私は美羽と1番仲良いポジションをゲットしていて。
私は面倒見がいいって、お母さんみたいだってよく言われるけど、そんな私でも美羽にしかしないこと、美羽だからやっていること、いっぱいあるんだよ。
それなのに美羽は期待させるような言葉だけ残して私のことはなんとも思っていない。
美羽の視線が、好きが、麗奈に向いてることなんてずっとずっと分かってる。
私はそんなんじゃないって分かってる。
美羽は、何でも尽くしちゃっていつもいるって安心できちゃう私より、どこが掴みどころがなくて、手を離せばどこかへ行ってしまいそうな麗奈の方に夢中になるよね。
全部分かってる。分かってるはずなのに。
気まぐれな麗奈の方を見て一喜一憂する美羽を見て、私のものにならなくていいから、その恋が叶わないでなんて思ってしまう私は最低だ。
そんなこと思う人じゃなかったはずなのに、美羽のことになると私は性格が悪くなるみたい。
こんな私のこと、私がいちばん嫌いだ。
こんな私じゃ、美羽に選ばれなくて当然だ。
せめて、美羽の1番近くで美羽の背中を押せる最強の同期になってやる、それが私にできる精一杯だ。
だけど、そう思っていたはずなのに、いざ2人が付き合ったという報告を聞いて、黒い感情が浮き上がってくるのはなんでだろう。
愛季は特別だからって、そんな話し出しで始まった会話に胸が弾んで、ありもしない期待が膨らんで。
ああ私ってやっぱりバカだな、美羽が好きだ。
そう思ったのもつかの間、他の3期生には今度言うけど、麗奈と付き合うことになった。なんて報告を聞かされて。
私はこんな話を聞くために美羽のそばにいた訳じゃないのに。
私の中の黒い感情が暴れ出しそうで、収まってくれない。
何とか絞り出した「そっか、おめでとう」の言葉はちゃんと声になっていただろうか。
変な風に思われなかっただろうか。
その夜は1人の部屋で涙が枯れるまで泣いた。
泣きすぎてもう訳が分からなかった。
初めから叶うことはないって分かっていたのに、いざ現実を突きつけられるとこんなにも苦しいなんて。
明日からどうすればいいんだろう。
美羽も麗奈も大切な同期だからこそ、こんな風に思ってしまう自分が情けなくて嫌いだ。
それから数日後、3期生全員に美羽と麗奈から報告があった。
覚悟していたはずなのにやっぱり辛くて、その報告の後すぐに、ごめんトイレ。と言って楽屋を抜け出した。
最初は駆け足だったけど段々とスピードは落ち、とぼとぼと涙を堪えながら歩いていると、後ろから聞き馴染みのある声が聞こえる。
「愛季」
振り向かなくてもその声がしーであることは分かった。
今のこのぐちゃぐちゃの感情でしーと話すと、しーのことを傷つけてしまいそうだと思ったけど、上手い言い訳も思いつかなくて仕方なく振り返って返事をする。
「どうしたの、しー」
少し冷たい言い方になってしまっただろうか、私って本当にダメだ、自分を責めていると予想外の言葉が飛んできた。
「いい加減さ、美羽のこと諦めなよ」
なんでそんなことしーに言われなきゃいけないんだ、そう思ったけどそれは正論で、しーを責める言葉も出なくて涙がこぼれる。
そのときしーが私の涙を拭って
「ごめん、泣かせるつもりはなかった。でもさ美羽は麗奈と付き合ったし」
「私にしときなって言ってるの」
「私、愛季のこと好きだよ、ずっと」
普段ツンツンしてばかりのしーがこんなことを言ってきて、でもその目を見ればそれが冗談じゃなくて本気だってことはすぐ分かった。
どうしよう、と沈黙していると
「返事、今すぐじゃなくていいから考えといて。私のこと意識してね」
それだけ言って私の頭をポンと撫でたあと足早に楽屋に戻ってしまった。
しーのことが好きかと言われればそれはまだ違うと思うけど、しーの言葉を思い返すと心臓がうるさくて、しーに撫でられた頭と涙を拭われた頬が熱かった。
私の黒い感情が少しずつ消えていく気がした。
美羽は私のこと、とても好きで居てくれると思う。
でもその好きは私の好きとは違う。
「私生活全部愛季にやってもらってる」
「愛季がいないと生きていけない」
いろんな所で期待させる言葉を言うくせに、その視線の先に私が映ることはない。
いつから好きだったかなんて分からない。
数ヶ月前のような気もするし、数年前、もしかしたらグループに加入したばかりの時なのかもしれない。
でも、美羽の纏っている雰囲気も、甘えてくれる姿も、優しいところも、意外と乙女なのも、全部好きになっていた。
気付けば私は美羽と1番仲良いポジションをゲットしていて。
私は面倒見がいいって、お母さんみたいだってよく言われるけど、そんな私でも美羽にしかしないこと、美羽だからやっていること、いっぱいあるんだよ。
それなのに美羽は期待させるような言葉だけ残して私のことはなんとも思っていない。
美羽の視線が、好きが、麗奈に向いてることなんてずっとずっと分かってる。
私はそんなんじゃないって分かってる。
美羽は、何でも尽くしちゃっていつもいるって安心できちゃう私より、どこが掴みどころがなくて、手を離せばどこかへ行ってしまいそうな麗奈の方に夢中になるよね。
全部分かってる。分かってるはずなのに。
気まぐれな麗奈の方を見て一喜一憂する美羽を見て、私のものにならなくていいから、その恋が叶わないでなんて思ってしまう私は最低だ。
そんなこと思う人じゃなかったはずなのに、美羽のことになると私は性格が悪くなるみたい。
こんな私のこと、私がいちばん嫌いだ。
こんな私じゃ、美羽に選ばれなくて当然だ。
せめて、美羽の1番近くで美羽の背中を押せる最強の同期になってやる、それが私にできる精一杯だ。
だけど、そう思っていたはずなのに、いざ2人が付き合ったという報告を聞いて、黒い感情が浮き上がってくるのはなんでだろう。
愛季は特別だからって、そんな話し出しで始まった会話に胸が弾んで、ありもしない期待が膨らんで。
ああ私ってやっぱりバカだな、美羽が好きだ。
そう思ったのもつかの間、他の3期生には今度言うけど、麗奈と付き合うことになった。なんて報告を聞かされて。
私はこんな話を聞くために美羽のそばにいた訳じゃないのに。
私の中の黒い感情が暴れ出しそうで、収まってくれない。
何とか絞り出した「そっか、おめでとう」の言葉はちゃんと声になっていただろうか。
変な風に思われなかっただろうか。
その夜は1人の部屋で涙が枯れるまで泣いた。
泣きすぎてもう訳が分からなかった。
初めから叶うことはないって分かっていたのに、いざ現実を突きつけられるとこんなにも苦しいなんて。
明日からどうすればいいんだろう。
美羽も麗奈も大切な同期だからこそ、こんな風に思ってしまう自分が情けなくて嫌いだ。
それから数日後、3期生全員に美羽と麗奈から報告があった。
覚悟していたはずなのにやっぱり辛くて、その報告の後すぐに、ごめんトイレ。と言って楽屋を抜け出した。
最初は駆け足だったけど段々とスピードは落ち、とぼとぼと涙を堪えながら歩いていると、後ろから聞き馴染みのある声が聞こえる。
「愛季」
振り向かなくてもその声がしーであることは分かった。
今のこのぐちゃぐちゃの感情でしーと話すと、しーのことを傷つけてしまいそうだと思ったけど、上手い言い訳も思いつかなくて仕方なく振り返って返事をする。
「どうしたの、しー」
少し冷たい言い方になってしまっただろうか、私って本当にダメだ、自分を責めていると予想外の言葉が飛んできた。
「いい加減さ、美羽のこと諦めなよ」
なんでそんなことしーに言われなきゃいけないんだ、そう思ったけどそれは正論で、しーを責める言葉も出なくて涙がこぼれる。
そのときしーが私の涙を拭って
「ごめん、泣かせるつもりはなかった。でもさ美羽は麗奈と付き合ったし」
「私にしときなって言ってるの」
「私、愛季のこと好きだよ、ずっと」
普段ツンツンしてばかりのしーがこんなことを言ってきて、でもその目を見ればそれが冗談じゃなくて本気だってことはすぐ分かった。
どうしよう、と沈黙していると
「返事、今すぐじゃなくていいから考えといて。私のこと意識してね」
それだけ言って私の頭をポンと撫でたあと足早に楽屋に戻ってしまった。
しーのことが好きかと言われればそれはまだ違うと思うけど、しーの言葉を思い返すと心臓がうるさくて、しーに撫でられた頭と涙を拭われた頬が熱かった。
私の黒い感情が少しずつ消えていく気がした。
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