🌱🍒- 初恋。
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
翌日の放課後。
テストも近いからって、教室に残って勉強していた。
まつりが眠そうにワークをめくっていて、天ちゃんは隣の席で、スッとペンを走らせている。
私もノートを広げてはいるけれど、頭にはぜんぜん入ってこない。
だって麗奈ちゃんが、窓側で静かに問題集を解いてるその横顔が、昨日よりもずっと近く感じるから。
“隠さない”って決めただけで、どうしてこんなにも変わるんだろう。
「ねえ、ひかる」
まつりが急に声を潜めるようにして、こっちを覗き込んできた。
その目は、明らかに期待に満ちていた。
「結局さ、麗奈とはどういう関係なの?」
ぴくり、とペン先が止まる。
少しだけ目線を逸らして、でも覚悟を決めて答えた。
「……うん。大事な人、だよ」
言ってから、顔が少し熱くなった。
でも、ちゃんと伝えられた。それだけで、胸がすっと軽くなる。
「え〜っ!やっぱり〜〜!」
まつりが嬉しそうに机に顔を伏せる。
「だから昨日、手繋いで帰ってたの見たって言ったじゃん」
天も口元だけ笑って言う。声のトーンはいつも通りなのに、どこかあたたかい。
「……ごめん、隠してたわけじゃないんだけど」
「ううん、わかってたよ。ひかる、そういうとこ真面目だから」
「でも、ふたりお似合いだよ。なんか、並んでると安心する」
「そーそー。天なんて最初から“あれは付き合う流れ”って言ってたし」
「まつり、声でかい」
「えへっ、ごめん〜」
私が顔を覆うと、窓際にいた麗奈ちゃんが、こちらに気づいてにこっと微笑んだ。
その笑顔を見た瞬間、なんだかもう全部どうでもよくなる。
この人が私の“大事な人”だってこと。
世界に知られてもいいって、初めて思えた。
それくらい、私は本気で恋をしてる。
帰り道、ふたりきりになったとき、私はふと呟く。
「今日ね、“大事な人”って言ったんだ」
「……そっか」
「やっぱちょっと恥ずかしかったけど、言えてよかった」
すると麗奈ちゃんが、手を繋ぎながらふっと笑う。
「じゃあ私も、“世界で一番好きな人”って言ってくる」
「えっ、それはハードル高くない?」
「えへへ、でもほんとだから」
笑い合いながら歩く帰り道。
もう夕焼けの色が、ふたりの背をそっと押してくれる。
“好き”って言葉が、今はもう、こわくない。
テストも近いからって、教室に残って勉強していた。
まつりが眠そうにワークをめくっていて、天ちゃんは隣の席で、スッとペンを走らせている。
私もノートを広げてはいるけれど、頭にはぜんぜん入ってこない。
だって麗奈ちゃんが、窓側で静かに問題集を解いてるその横顔が、昨日よりもずっと近く感じるから。
“隠さない”って決めただけで、どうしてこんなにも変わるんだろう。
「ねえ、ひかる」
まつりが急に声を潜めるようにして、こっちを覗き込んできた。
その目は、明らかに期待に満ちていた。
「結局さ、麗奈とはどういう関係なの?」
ぴくり、とペン先が止まる。
少しだけ目線を逸らして、でも覚悟を決めて答えた。
「……うん。大事な人、だよ」
言ってから、顔が少し熱くなった。
でも、ちゃんと伝えられた。それだけで、胸がすっと軽くなる。
「え〜っ!やっぱり〜〜!」
まつりが嬉しそうに机に顔を伏せる。
「だから昨日、手繋いで帰ってたの見たって言ったじゃん」
天も口元だけ笑って言う。声のトーンはいつも通りなのに、どこかあたたかい。
「……ごめん、隠してたわけじゃないんだけど」
「ううん、わかってたよ。ひかる、そういうとこ真面目だから」
「でも、ふたりお似合いだよ。なんか、並んでると安心する」
「そーそー。天なんて最初から“あれは付き合う流れ”って言ってたし」
「まつり、声でかい」
「えへっ、ごめん〜」
私が顔を覆うと、窓際にいた麗奈ちゃんが、こちらに気づいてにこっと微笑んだ。
その笑顔を見た瞬間、なんだかもう全部どうでもよくなる。
この人が私の“大事な人”だってこと。
世界に知られてもいいって、初めて思えた。
それくらい、私は本気で恋をしてる。
帰り道、ふたりきりになったとき、私はふと呟く。
「今日ね、“大事な人”って言ったんだ」
「……そっか」
「やっぱちょっと恥ずかしかったけど、言えてよかった」
すると麗奈ちゃんが、手を繋ぎながらふっと笑う。
「じゃあ私も、“世界で一番好きな人”って言ってくる」
「えっ、それはハードル高くない?」
「えへへ、でもほんとだから」
笑い合いながら歩く帰り道。
もう夕焼けの色が、ふたりの背をそっと押してくれる。
“好き”って言葉が、今はもう、こわくない。
4/4ページ