🎯🌱🧸主- ドリーマー
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ひかる先輩は、本当に優しい人だった。
——優しすぎるくらいに、静かで、遠慮深くて。
「お試しでいいから」
そんなことを言ってくれたあの日から、先輩は何も変わらなかった。
手を繋ごうとしない。
スキンシップもない。
言葉も、態度も、まるで以前と変わらない。
付き合っている、はずなのに。
この距離のままで「恋人」だなんて、本当に言えるのかな。
最初はそれでもよかった。
むしろ安心してた。
保乃先輩に振られて、傷ついた心に、ひかる先輩の静かな優しさが心地よくて。
そのまま何も考えずに寄りかかっていた。
でも、日が経つごとに、その“変わらなさ”が不安になっていった。
「お試し」だから?
私がまだ保乃先輩を好きだって、思ってるから?
それとも——
ひかる先輩は、本当はそんなに私のこと、好きじゃなかったんじゃないか。
そんなモヤモヤを抱えたまま、今日も私たちは並んで歩いていた。
夕焼けに染まった帰り道。
ふたりで帰るのは、これで何回目だろう。
すれ違う生徒たちの中で、私たちはいつも少しだけ間を空けて歩く。
ほんの一歩分、腕ひとつぶんの距離。
ぴったりくっついて歩いてるカップルを見かけるたびに、私は胸の奥がちくりとする。
私たちは——そういう恋人、じゃないの?
不意に歩幅が合わなくて、肩がふれた。
その瞬間、ひかる先輩はすぐに一歩分距離をあけながら、
「ごめん」
って、小さく言った。
それが、寂しかった。
私は、たまらなくなって、歩きながらそっとひかる先輩の手に触れた。
迷って、ためらって、それでも。
指先を絡めて、ギュッと恋人繋ぎにした。
先輩は驚いた顔をして、ぱちくりと目を瞬かせた。
そしてすぐに、少し困ったように笑って言った。
「さくらちゃん……無理しなくていいよ?」
その言葉に、胸の奥がきゅうっと痛くなった。
なんで、そんなこと言うの?
なんで私にだけ、そんなに優しいのに遠いの?
「……ひかる先輩から告白してくれたのに」 「どうしてそんなこと言うんですか?」
止まって、立ち尽くして、私は真正面から先輩の瞳を見つめた。
「私のこと……好きですか?」 「なんか、付き合ってるはずなのに、今までと何も変わらなくて……寂しいです」
言葉にした瞬間、胸の中の波が一気に溢れてきた。
自分でも、こんなに気にしてたんだって、驚いた。
ひかる先輩は黙って私の目を見つめ返してきた。
静かな視線。
でも、優しい光が宿っていて。
「……ごめん、そうだね」
そう言って、もう一度、手を握ってくれた。
今度は、離さなかった。
でも、その手はやっぱり、少しだけぎこちなくて。
遠慮がちで、優しさの分だけ距離があるようで。
それがなんだか、逆に泣きたくなるくらい切なかった。
——遠慮しないで。
私のこと、本気で好きだって言ってくれたあのときみたいに。
ちゃんと、触れてほしい。
そんなふうに思ってしまう自分の心が、気付けば、ひかる先輩でいっぱいになっていた。
あれ? 私、いつからこんなに、ひかる先輩のことを想ってたんだろう。
保乃先輩に恋してた頃とは、全然ちがう。
あの時の気持ちは、もっと一方的で、夢みたいで、遠くて。
でも、ひかる先輩への気持ちは、もっと——あたたかくて、静かで、でも強くて。
いつの間にか、ひかる先輩のことが、好きになってた。
もう、「お試し」なんかじゃ終われない。
自分の心変わりがあまりに早くて、ちょっと呆れる。
自分でも勝手だと思う。
でも、もうこの気持ちは止まらない。
右手に感じる、先輩の指のぬくもり。
私は、そこにそっと力をこめて、もう一度ぎゅっと握りしめた。
言葉はまだ、言えないかもしれない。
でも、この手を離したくないと思った。
もっと近づきたいと思った。
私は、もうあなたが好きなんです。
——そう心の中でそっと呟いて、夕暮れの帰り道を歩き続けた。
——優しすぎるくらいに、静かで、遠慮深くて。
「お試しでいいから」
そんなことを言ってくれたあの日から、先輩は何も変わらなかった。
手を繋ごうとしない。
スキンシップもない。
言葉も、態度も、まるで以前と変わらない。
付き合っている、はずなのに。
この距離のままで「恋人」だなんて、本当に言えるのかな。
最初はそれでもよかった。
むしろ安心してた。
保乃先輩に振られて、傷ついた心に、ひかる先輩の静かな優しさが心地よくて。
そのまま何も考えずに寄りかかっていた。
でも、日が経つごとに、その“変わらなさ”が不安になっていった。
「お試し」だから?
私がまだ保乃先輩を好きだって、思ってるから?
それとも——
ひかる先輩は、本当はそんなに私のこと、好きじゃなかったんじゃないか。
そんなモヤモヤを抱えたまま、今日も私たちは並んで歩いていた。
夕焼けに染まった帰り道。
ふたりで帰るのは、これで何回目だろう。
すれ違う生徒たちの中で、私たちはいつも少しだけ間を空けて歩く。
ほんの一歩分、腕ひとつぶんの距離。
ぴったりくっついて歩いてるカップルを見かけるたびに、私は胸の奥がちくりとする。
私たちは——そういう恋人、じゃないの?
不意に歩幅が合わなくて、肩がふれた。
その瞬間、ひかる先輩はすぐに一歩分距離をあけながら、
「ごめん」
って、小さく言った。
それが、寂しかった。
私は、たまらなくなって、歩きながらそっとひかる先輩の手に触れた。
迷って、ためらって、それでも。
指先を絡めて、ギュッと恋人繋ぎにした。
先輩は驚いた顔をして、ぱちくりと目を瞬かせた。
そしてすぐに、少し困ったように笑って言った。
「さくらちゃん……無理しなくていいよ?」
その言葉に、胸の奥がきゅうっと痛くなった。
なんで、そんなこと言うの?
なんで私にだけ、そんなに優しいのに遠いの?
「……ひかる先輩から告白してくれたのに」 「どうしてそんなこと言うんですか?」
止まって、立ち尽くして、私は真正面から先輩の瞳を見つめた。
「私のこと……好きですか?」 「なんか、付き合ってるはずなのに、今までと何も変わらなくて……寂しいです」
言葉にした瞬間、胸の中の波が一気に溢れてきた。
自分でも、こんなに気にしてたんだって、驚いた。
ひかる先輩は黙って私の目を見つめ返してきた。
静かな視線。
でも、優しい光が宿っていて。
「……ごめん、そうだね」
そう言って、もう一度、手を握ってくれた。
今度は、離さなかった。
でも、その手はやっぱり、少しだけぎこちなくて。
遠慮がちで、優しさの分だけ距離があるようで。
それがなんだか、逆に泣きたくなるくらい切なかった。
——遠慮しないで。
私のこと、本気で好きだって言ってくれたあのときみたいに。
ちゃんと、触れてほしい。
そんなふうに思ってしまう自分の心が、気付けば、ひかる先輩でいっぱいになっていた。
あれ? 私、いつからこんなに、ひかる先輩のことを想ってたんだろう。
保乃先輩に恋してた頃とは、全然ちがう。
あの時の気持ちは、もっと一方的で、夢みたいで、遠くて。
でも、ひかる先輩への気持ちは、もっと——あたたかくて、静かで、でも強くて。
いつの間にか、ひかる先輩のことが、好きになってた。
もう、「お試し」なんかじゃ終われない。
自分の心変わりがあまりに早くて、ちょっと呆れる。
自分でも勝手だと思う。
でも、もうこの気持ちは止まらない。
右手に感じる、先輩の指のぬくもり。
私は、そこにそっと力をこめて、もう一度ぎゅっと握りしめた。
言葉はまだ、言えないかもしれない。
でも、この手を離したくないと思った。
もっと近づきたいと思った。
私は、もうあなたが好きなんです。
——そう心の中でそっと呟いて、夕暮れの帰り道を歩き続けた。