🎯🌱🧸主- ドリーマー
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保乃先輩との距離は、たぶん、かなり縮まった。
そう思っていた。
私からたくさん話しかけたし、そのたびに保乃先輩も、変わらない笑顔で応じてくれた。
ふたりだけのちょっとした会話や、偶然じゃない偶然に、私は毎日のように心を踊らせていた。
気がつけば、「さくらちゃん」って名前を呼んでくれる頻度も増えた。
廊下ですれ違ったとき、笑って話しかけてくれるようになったのが、本当に嬉しかった。
あの柔らかな声で自分の名前を呼ばれるたび、私は心の中で何度も跳ねた。
——もう、そろそろ告白してもいいかもしれない。
そう思ったのは、夢を見すぎたわけじゃない。
きっと、あの笑顔に勘違いするなという方が無理だった。
だから今日。
私は意を決して、放課後の空き教室に保乃先輩を呼び出した。
夕陽が差し込む教室。
机の影が長く伸びていて、誰もいない空間には、どこか特別な雰囲気が漂っていた。
まるで漫画のワンシーンみたいで、少しふわふわした気持ちで、私は机に手を添えながら保乃先輩の到着を待っていた。
やがて、ドアが開く音がして。
「さくらちゃん、どしたん?」
保乃先輩のいつもの声。
やわらかな笑顔。
変わらない優しさに、私は深呼吸をひとつして、真正面から向き合った。
「保乃先輩、好きです。付き合ってほしいです」
言えた。
練習した通りの言葉を、ちゃんと伝えられた。
緊張で手が汗ばんでいたけど、声は震えなかった。
きっと、保乃先輩も少し驚いた顔をして、それから、少し黙って——
「えっと……さくらちゃん、ありがとう。でも……ごめんね。さくらちゃんのこと、そういう風に思ったことなくて」
……あれ?
言葉の意味は分かっているはずなのに、頭が真っ白になるって、本当にあるんだ。
私は、それが現実の言葉だと理解するまでに、少し時間がかかった。
まるで、自分が誰か別の人間になったような、ふわふわとした感覚。
うまく足元に力が入らなくて、呼吸の仕方すら分からなくなる。
でも、そんな自分を誤魔化すように、私は笑った。
「そうですよね、急に変なこと言ってすみません」
そう返したつもりだった。
でも、自分の声がどう響いたのかはよく分からない。
笑えていたか、顔が引きつっていなかったか、それすら確かじゃない。
「でも、保乃のわがままかも知れへんけど……これからも、仲良い先輩後輩でいたいな。……あかん?」
ああ、その声が。
その笑顔が。
私が一目惚れしたときと同じ顔なのに、今はまるで違うものに見えた。
まっすぐに、私を傷つけないように気遣う、優しい笑顔。
そんな顔をさせてしまったことが、申し訳なくて、悲しかった。
心の中で叫ぶ。
——優しくしないでよ。
——そんな言葉で慰めないで。
——そんな笑顔を向けないで。
じゃないと、余計に忘れられなくなる。
言葉にならない想いが胸の奥に渦巻いて、でも外に出せる言葉はたったひとつだった。
「……はい」
それだけ。
それしか言えなかった。
保乃先輩は、それを聞いてほっとしたように笑っていた。
それすらも優しくて、苦しくて、息が詰まった。
私の初恋は、あっけないほど静かに終わった。
保乃先輩に出会ったあの日から、ずっと浮かんでいた期待も、
積み重ねた言葉も、
全部、そっと胸の奥にしまいこまれた。
教室の窓から差し込む夕陽は、もうほとんど赤く染まっていて、
教室の中はすっかり静かになっていた。
私はただ、保乃先輩の背中を見送りながら、
心の中で何度も、同じ言葉を繰り返していた。
——ありがとうございます。
——ごめんなさい。
——大好きでした。
そして私は、少しだけ背を丸めて、ゆっくりと教室をあとにした。
そう思っていた。
私からたくさん話しかけたし、そのたびに保乃先輩も、変わらない笑顔で応じてくれた。
ふたりだけのちょっとした会話や、偶然じゃない偶然に、私は毎日のように心を踊らせていた。
気がつけば、「さくらちゃん」って名前を呼んでくれる頻度も増えた。
廊下ですれ違ったとき、笑って話しかけてくれるようになったのが、本当に嬉しかった。
あの柔らかな声で自分の名前を呼ばれるたび、私は心の中で何度も跳ねた。
——もう、そろそろ告白してもいいかもしれない。
そう思ったのは、夢を見すぎたわけじゃない。
きっと、あの笑顔に勘違いするなという方が無理だった。
だから今日。
私は意を決して、放課後の空き教室に保乃先輩を呼び出した。
夕陽が差し込む教室。
机の影が長く伸びていて、誰もいない空間には、どこか特別な雰囲気が漂っていた。
まるで漫画のワンシーンみたいで、少しふわふわした気持ちで、私は机に手を添えながら保乃先輩の到着を待っていた。
やがて、ドアが開く音がして。
「さくらちゃん、どしたん?」
保乃先輩のいつもの声。
やわらかな笑顔。
変わらない優しさに、私は深呼吸をひとつして、真正面から向き合った。
「保乃先輩、好きです。付き合ってほしいです」
言えた。
練習した通りの言葉を、ちゃんと伝えられた。
緊張で手が汗ばんでいたけど、声は震えなかった。
きっと、保乃先輩も少し驚いた顔をして、それから、少し黙って——
「えっと……さくらちゃん、ありがとう。でも……ごめんね。さくらちゃんのこと、そういう風に思ったことなくて」
……あれ?
言葉の意味は分かっているはずなのに、頭が真っ白になるって、本当にあるんだ。
私は、それが現実の言葉だと理解するまでに、少し時間がかかった。
まるで、自分が誰か別の人間になったような、ふわふわとした感覚。
うまく足元に力が入らなくて、呼吸の仕方すら分からなくなる。
でも、そんな自分を誤魔化すように、私は笑った。
「そうですよね、急に変なこと言ってすみません」
そう返したつもりだった。
でも、自分の声がどう響いたのかはよく分からない。
笑えていたか、顔が引きつっていなかったか、それすら確かじゃない。
「でも、保乃のわがままかも知れへんけど……これからも、仲良い先輩後輩でいたいな。……あかん?」
ああ、その声が。
その笑顔が。
私が一目惚れしたときと同じ顔なのに、今はまるで違うものに見えた。
まっすぐに、私を傷つけないように気遣う、優しい笑顔。
そんな顔をさせてしまったことが、申し訳なくて、悲しかった。
心の中で叫ぶ。
——優しくしないでよ。
——そんな言葉で慰めないで。
——そんな笑顔を向けないで。
じゃないと、余計に忘れられなくなる。
言葉にならない想いが胸の奥に渦巻いて、でも外に出せる言葉はたったひとつだった。
「……はい」
それだけ。
それしか言えなかった。
保乃先輩は、それを聞いてほっとしたように笑っていた。
それすらも優しくて、苦しくて、息が詰まった。
私の初恋は、あっけないほど静かに終わった。
保乃先輩に出会ったあの日から、ずっと浮かんでいた期待も、
積み重ねた言葉も、
全部、そっと胸の奥にしまいこまれた。
教室の窓から差し込む夕陽は、もうほとんど赤く染まっていて、
教室の中はすっかり静かになっていた。
私はただ、保乃先輩の背中を見送りながら、
心の中で何度も、同じ言葉を繰り返していた。
——ありがとうございます。
——ごめんなさい。
——大好きでした。
そして私は、少しだけ背を丸めて、ゆっくりと教室をあとにした。