🎯🌱🧸主- ドリーマー
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運命の人だと思った。
高校に入学して二日目の放課後、まだ慣れない校舎の中で教室を探して迷っていた私に、声をかけてくれたのは田村先輩だった。
「迷子?」
ふにゃっとした笑顔に、胸がきゅうっとなった。
そのやわらかな声と、すれ違いざまにふわりと香ったシャンプーの匂い。
それだけで、心がなにかに触れたような気がした。
恋なんて、これまでしたことなかった。
でもその瞬間、「あ、これが恋なんだ」って、不思議と分かった。
気づいたときにはもう、先輩の後ろ姿を、目で追っていた。
美青の気持ちに気づいていなかった、と言えば嘘になる。
私たちは小さい頃からずっと一緒にいて、だからこそ分かることがある。
彼女の視線が、最近になって少しだけ変わった。
目が合うと、なにかを言いたそうに揺れていて、だけど言葉にはならない。
それがなんなのかは、言われなくてもわかった。
最初は、戸惑った。
でも、美青は何も強引に迫ってきたりしないし、今まで通り隣にいてくれるだけだった。
その気持ちに応えるべきなのか、応えられるのか。
正直、わからなかった。
でも、私も美青のことは大切だったし、もし告白されたら——そのときは、考えてみてもいいのかもしれない。そんな風に思ったこともあった。
でも。
田村先輩に出会って、恋に落ちてしまった。
先輩の声や、ふいに笑う顔が頭から離れなくなって、気づけばその人ばかり見つめていた。
美青に悪いことをしていると分かっていた。
それでも、自分の気持ちに嘘をつくことはできなかった。
「ねえ、美青ってさ、好きな人いるの?」
ある日、冗談めかしてそう尋ねたのは——本当は、自分が話したかったから。
ずっと心にあった、あの気持ちを誰かに打ち明けたかった。
聞いてほしかった。
そして、それが美青であることは、ごく自然なことだった。
「私ね、田村先輩が好きなの」
そう口にした瞬間、美青の目がほんのわずか揺れたのを、私は見逃さなかった。
でもそのまま、何もなかったように微笑んでくれた。
——その優しさが、少しだけ胸に痛かった。
それからは、田村先輩に会うためにいろんな理由を探した。
掃除の手伝い、ノートの貸し借り、部活の見学。
最初は戸惑っていた先輩も、次第に笑顔で迎えてくれるようになった。
ふとした会話のなかに、少しずつ「さくらちゃん」という名前が馴染んでいくのがうれしかった。
「田村先輩!」
「お〜さくらちゃん、今日はどしたん?」
いつものように先輩が笑いかけてくれると、その隣から森田先輩がひょこっと顔を出す。
「あれ、また来たん?」
田村先輩の親友で、いつもそばにいる森田先輩は、明るくて、ほんの少し天然で、そしてとても優しい人だ。
私が田村先輩に近づこうとしていることも、きっと全部分かっている。
それでも、邪魔をするどころか、いつも笑って受け入れてくれた。
そんな森田先輩のことも、私は好きだった。
もちろん、恋とかじゃなくて。
でも、すごく大事で、あったかい気持ちになれる相手。
「田村先輩、森田先輩……下の名前で呼んでもいいですか?」
いつか距離を縮めたいと思っていたこの一歩を、今日こそ踏み出す。
田村先輩だけを見て名前を呼ぶのは、まだ少しだけ恥ずかしい。
だから、森田先輩の名前も一緒に出して、自然にお願いする。
「ええで?なあ、ひぃちゃん?」
「うん、呼んで〜」
「じゃあ……保乃先輩、ひかる先輩!」
ふたりの名前を口にする。
心臓がドキドキして、でも、どこか誇らしくて。
この距離が少しでも縮まったような気がして、胸がいっぱいになる。
保乃先輩にあだ名で「ひぃちゃん」と呼ばれるひかる先輩に、最初はちょっとだけ嫉妬もした。
でも、それはきっと特別な関係じゃなくて、大切な友達同士の絆だって気づいてからは、変な気持ちは消えていった。
下の名前を呼べるようになっただけで、今日は十分な進展。
明日は、何を話しかけに行こうかな。
恋をするって、こんなに楽しくて、うれしくて、時々苦しい。
でも今の私は、それを全部まるごと抱きしめて生きている。
高校に入学して二日目の放課後、まだ慣れない校舎の中で教室を探して迷っていた私に、声をかけてくれたのは田村先輩だった。
「迷子?」
ふにゃっとした笑顔に、胸がきゅうっとなった。
そのやわらかな声と、すれ違いざまにふわりと香ったシャンプーの匂い。
それだけで、心がなにかに触れたような気がした。
恋なんて、これまでしたことなかった。
でもその瞬間、「あ、これが恋なんだ」って、不思議と分かった。
気づいたときにはもう、先輩の後ろ姿を、目で追っていた。
美青の気持ちに気づいていなかった、と言えば嘘になる。
私たちは小さい頃からずっと一緒にいて、だからこそ分かることがある。
彼女の視線が、最近になって少しだけ変わった。
目が合うと、なにかを言いたそうに揺れていて、だけど言葉にはならない。
それがなんなのかは、言われなくてもわかった。
最初は、戸惑った。
でも、美青は何も強引に迫ってきたりしないし、今まで通り隣にいてくれるだけだった。
その気持ちに応えるべきなのか、応えられるのか。
正直、わからなかった。
でも、私も美青のことは大切だったし、もし告白されたら——そのときは、考えてみてもいいのかもしれない。そんな風に思ったこともあった。
でも。
田村先輩に出会って、恋に落ちてしまった。
先輩の声や、ふいに笑う顔が頭から離れなくなって、気づけばその人ばかり見つめていた。
美青に悪いことをしていると分かっていた。
それでも、自分の気持ちに嘘をつくことはできなかった。
「ねえ、美青ってさ、好きな人いるの?」
ある日、冗談めかしてそう尋ねたのは——本当は、自分が話したかったから。
ずっと心にあった、あの気持ちを誰かに打ち明けたかった。
聞いてほしかった。
そして、それが美青であることは、ごく自然なことだった。
「私ね、田村先輩が好きなの」
そう口にした瞬間、美青の目がほんのわずか揺れたのを、私は見逃さなかった。
でもそのまま、何もなかったように微笑んでくれた。
——その優しさが、少しだけ胸に痛かった。
それからは、田村先輩に会うためにいろんな理由を探した。
掃除の手伝い、ノートの貸し借り、部活の見学。
最初は戸惑っていた先輩も、次第に笑顔で迎えてくれるようになった。
ふとした会話のなかに、少しずつ「さくらちゃん」という名前が馴染んでいくのがうれしかった。
「田村先輩!」
「お〜さくらちゃん、今日はどしたん?」
いつものように先輩が笑いかけてくれると、その隣から森田先輩がひょこっと顔を出す。
「あれ、また来たん?」
田村先輩の親友で、いつもそばにいる森田先輩は、明るくて、ほんの少し天然で、そしてとても優しい人だ。
私が田村先輩に近づこうとしていることも、きっと全部分かっている。
それでも、邪魔をするどころか、いつも笑って受け入れてくれた。
そんな森田先輩のことも、私は好きだった。
もちろん、恋とかじゃなくて。
でも、すごく大事で、あったかい気持ちになれる相手。
「田村先輩、森田先輩……下の名前で呼んでもいいですか?」
いつか距離を縮めたいと思っていたこの一歩を、今日こそ踏み出す。
田村先輩だけを見て名前を呼ぶのは、まだ少しだけ恥ずかしい。
だから、森田先輩の名前も一緒に出して、自然にお願いする。
「ええで?なあ、ひぃちゃん?」
「うん、呼んで〜」
「じゃあ……保乃先輩、ひかる先輩!」
ふたりの名前を口にする。
心臓がドキドキして、でも、どこか誇らしくて。
この距離が少しでも縮まったような気がして、胸がいっぱいになる。
保乃先輩にあだ名で「ひぃちゃん」と呼ばれるひかる先輩に、最初はちょっとだけ嫉妬もした。
でも、それはきっと特別な関係じゃなくて、大切な友達同士の絆だって気づいてからは、変な気持ちは消えていった。
下の名前を呼べるようになっただけで、今日は十分な進展。
明日は、何を話しかけに行こうかな。
恋をするって、こんなに楽しくて、うれしくて、時々苦しい。
でも今の私は、それを全部まるごと抱きしめて生きている。