🎐🦉- 知恵の輪
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最近、まりのちゃんの様子が、なんだかおかしい。
メンバーの中でも特別仲が良いわけではない私が、そんなことを感じるのはおかしいのかもしれないけれど――でも、確かに違和感がある。
避けられている。それも、あからさまじゃない、きっと私にしか分からないくらい、さりげなく。
これまでは、まりのちゃんのほうから話しかけてくることはなかったけれど、グループで一緒になれば笑顔で応じてくれていたし、軽く冗談を返してくれることもあった。
なのに最近は、私が近づいただけで、空気を読むようにスッと立ち位置を変えてしまう。小島ちゃんや的野、村山の方へ。
気づけば、まりのちゃんの姿は、私の視界の端にすらなくなっている。
今までこれといって特別な関わりがあったわけじゃない。嫌われるほどの会話も、失敗も、きっかけすら思い当たらない。
だからこそ原因が分からず、私は何もできずにいる。
誰かに相談しようかとも考えたけれど――そんなことを聞いてしまったら、自分の気持ちがバレてしまいそうで、それも怖くて。
結局、何もできないまま、私はただ「避けられている」と思いながら過ごしていた。
今日も、そうだった。
ゾノとまりのちゃんと井上、天ちゃんの4人が、楽しそうに話していた。笑い声が自然に響くその輪の中に、私は少しだけ勇気を出して入ってみた。
だけど――まりのちゃんは、私と目も合わせないまま、遠くで話している3期生の方へ歩いて行ってしまった。
胸が少し、痛んだ。
さすがに落ち込んでいた私の袖を、隣にいたゾノがクイッと引っ張った。
「ねえ、まりのんとなんかあった?最近避けられてるでしょ」
「えっ……?」
思わず聞き返すと、ゾノは目を丸くして逆に「え?」と返してきた。
「え、気づいてたの……?」
「気づくよお。好きな人に避けられるなんて、夏鈴ちゃーん、なにしちゃったの?」
「えっ!?!?」
私にしては珍しく声が裏返るくらいの勢いで叫んでしまって、大きな声で楽しそうに井上とふざけていた天ちゃんが驚いた顔で振り向いた。
「え?夏鈴どしたの?」
ヤバい、と思った私は咄嗟にゾノの手を取って、その場を誤魔化すように部屋の外へ引っ張り出した。
まりのちゃんが、こちらの様子を遠くから見ていたことも知らずに――。
ドアが閉まった瞬間、私は小声で必死に問い詰める。
「ゾノ、さっきの“好きな人”って……」
「あれ、まりのんのこと、好きなんじゃないの?」
心臓が跳ねる。息が止まりそうになる。
「え、えぇ……あー、うん、す、好きだけど……」
「けど?」
「……なんでわかってんの」
ゾノは悪戯っぽく笑って、あっさり言った。
「そりゃあ、分かるよ。かりんちゃん、めっちゃ分かりやすいもん」
思ってもみなかった一言に、私は言葉を失った。
「……ごめん、グループに支障きたすのはダメだから、もうすぐ忘れる。迷惑かけてごめん」
そう言い残して、私は逃げるようにその場を去った。
誰にも見られず1人になれる場所――救護室へ。
扉を閉めると、張り詰めていたものが一気に崩れそうになる。
まさか、この想いがバレていたなんて。
誰にも気づかれないように、胸の中だけに閉じ込めていたはずなのに。
それでも私は、きっと表情や視線や声の温度に、気持ちを滲ませてしまっていたんだ。
ひとりで思い続けられれば、それで良かった。 誰にも知られず、誰も困らせず、ただ静かに好きでいたかっただけ。
でも――もう、限界かもしれない。
逃げても隠しても、この気持ちは、私の中から消えてくれそうにない。
だったらいっそ、忘れてしまいたい。 まりのちゃんへのこの想いなんて、捨ててしまいたい。
だけど、どうしてこんなに苦しいんだろう。
頭ではわかってるのに、心が言うことを聞いてくれない。
この気持ちを捨てたいと願うたび、まりのちゃんの笑顔が、声が、優しい仕草が、頭の中に鮮やかに蘇ってくる。
あの子の全てが、私の心のどこかに、静かに、でも確かに根を張っていて。どれだけ「忘れよう」と繰り返しても、その根は抜けるどころか、もっと奥深くへ入り込んでいく気がする。
そんな自分が、どうしようもなく、情けなくて。
でも、ほんの少しだけ――
まりのちゃんへの想いがゾノに伝わっていたと知れたことが、救いにも思えた。
誰かが、私のこの気持ちを、ちゃんと見てくれていたんだ。
それだけで、ほんの少しだけ、息ができる気がした。
メンバーの中でも特別仲が良いわけではない私が、そんなことを感じるのはおかしいのかもしれないけれど――でも、確かに違和感がある。
避けられている。それも、あからさまじゃない、きっと私にしか分からないくらい、さりげなく。
これまでは、まりのちゃんのほうから話しかけてくることはなかったけれど、グループで一緒になれば笑顔で応じてくれていたし、軽く冗談を返してくれることもあった。
なのに最近は、私が近づいただけで、空気を読むようにスッと立ち位置を変えてしまう。小島ちゃんや的野、村山の方へ。
気づけば、まりのちゃんの姿は、私の視界の端にすらなくなっている。
今までこれといって特別な関わりがあったわけじゃない。嫌われるほどの会話も、失敗も、きっかけすら思い当たらない。
だからこそ原因が分からず、私は何もできずにいる。
誰かに相談しようかとも考えたけれど――そんなことを聞いてしまったら、自分の気持ちがバレてしまいそうで、それも怖くて。
結局、何もできないまま、私はただ「避けられている」と思いながら過ごしていた。
今日も、そうだった。
ゾノとまりのちゃんと井上、天ちゃんの4人が、楽しそうに話していた。笑い声が自然に響くその輪の中に、私は少しだけ勇気を出して入ってみた。
だけど――まりのちゃんは、私と目も合わせないまま、遠くで話している3期生の方へ歩いて行ってしまった。
胸が少し、痛んだ。
さすがに落ち込んでいた私の袖を、隣にいたゾノがクイッと引っ張った。
「ねえ、まりのんとなんかあった?最近避けられてるでしょ」
「えっ……?」
思わず聞き返すと、ゾノは目を丸くして逆に「え?」と返してきた。
「え、気づいてたの……?」
「気づくよお。好きな人に避けられるなんて、夏鈴ちゃーん、なにしちゃったの?」
「えっ!?!?」
私にしては珍しく声が裏返るくらいの勢いで叫んでしまって、大きな声で楽しそうに井上とふざけていた天ちゃんが驚いた顔で振り向いた。
「え?夏鈴どしたの?」
ヤバい、と思った私は咄嗟にゾノの手を取って、その場を誤魔化すように部屋の外へ引っ張り出した。
まりのちゃんが、こちらの様子を遠くから見ていたことも知らずに――。
ドアが閉まった瞬間、私は小声で必死に問い詰める。
「ゾノ、さっきの“好きな人”って……」
「あれ、まりのんのこと、好きなんじゃないの?」
心臓が跳ねる。息が止まりそうになる。
「え、えぇ……あー、うん、す、好きだけど……」
「けど?」
「……なんでわかってんの」
ゾノは悪戯っぽく笑って、あっさり言った。
「そりゃあ、分かるよ。かりんちゃん、めっちゃ分かりやすいもん」
思ってもみなかった一言に、私は言葉を失った。
「……ごめん、グループに支障きたすのはダメだから、もうすぐ忘れる。迷惑かけてごめん」
そう言い残して、私は逃げるようにその場を去った。
誰にも見られず1人になれる場所――救護室へ。
扉を閉めると、張り詰めていたものが一気に崩れそうになる。
まさか、この想いがバレていたなんて。
誰にも気づかれないように、胸の中だけに閉じ込めていたはずなのに。
それでも私は、きっと表情や視線や声の温度に、気持ちを滲ませてしまっていたんだ。
ひとりで思い続けられれば、それで良かった。 誰にも知られず、誰も困らせず、ただ静かに好きでいたかっただけ。
でも――もう、限界かもしれない。
逃げても隠しても、この気持ちは、私の中から消えてくれそうにない。
だったらいっそ、忘れてしまいたい。 まりのちゃんへのこの想いなんて、捨ててしまいたい。
だけど、どうしてこんなに苦しいんだろう。
頭ではわかってるのに、心が言うことを聞いてくれない。
この気持ちを捨てたいと願うたび、まりのちゃんの笑顔が、声が、優しい仕草が、頭の中に鮮やかに蘇ってくる。
あの子の全てが、私の心のどこかに、静かに、でも確かに根を張っていて。どれだけ「忘れよう」と繰り返しても、その根は抜けるどころか、もっと奥深くへ入り込んでいく気がする。
そんな自分が、どうしようもなく、情けなくて。
でも、ほんの少しだけ――
まりのちゃんへの想いがゾノに伝わっていたと知れたことが、救いにも思えた。
誰かが、私のこの気持ちを、ちゃんと見てくれていたんだ。
それだけで、ほんの少しだけ、息ができる気がした。