Op.3女子高生、そしてポアロ
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ど、どうしよう………………。
掴んだはいいが、このあとどうしたら良いか全く分からない。
「まっ……て…………」
視線を彷徨わせながらなんとか声を絞り出す。
彼はきょとんとした顔で私を見た。
これが安室透という人の素の反応なのか。
あるいは降谷くんのポーカーフェイスなのか。
それを確かめる方法を探すため思考を巡らせていると、1つの案を思いついた。
私は掴んでいた腕をぐいっと自分に引き寄せる。
バランスを崩した彼が私の方に倒れ込み、目の前が彼の着ている服でいっぱいになった。
傍から見たら抱き合っている状態だ。
この抱擁感。
この良い匂い。
この安心する感じ。
………………知ってる。
学生の時、何度も降谷くんの胸に飛び込んだ。その度に嫌々言う彼だったが、結局最後は抱きしめ返してくれたのだ。
─────その時の感覚と一緒。
私は身体を離し、彼に向き直る。
彼も私から離れ、黙ってこっちを見た。
先程の貼り付けられたような笑顔ではない。
真剣な表情だ。
「私のこと、知ってるよね」
有無を言わさぬ口調で言った。
彼は何も答えない。
お互いがお互いの視線を捕らえ、無言の時間だけがゆっくりと過ぎていく。
膠着 状態の末、彼が観念した様子で目を逸らした。
小さくため息をつき再び私を見る。
「りよさん、お久しぶりです」
以前とは少し違う声色で、あまりに他人行儀な再会の挨拶をされた。
しかも、またさっきの作り笑いをしている。
「降谷くん……だよね?安室って誰…………?」
別人のような降谷くんに対し、頑張って笑顔を保ちながら努めて明るい声で尋ねた。
「僕の名前ですよ。僕は安室透です」
さも当然のことのように言われ、口をつぐんでしまう。
頭を整理するためにもう一度彼に質問した。
「降谷零くんではないの?」
「はい」
「私の幼馴染?」
「そうですよ」
「名前は安室透?」
「可笑しいですか?」
可笑しいことしかない。
私の中で『幼馴染=降谷零』なのだ。
しかし彼は『幼馴染=安室透』だと言う。
もし2人の言い分が正しいなら『降谷零=安室透』が成り立つはずなのだ。
でも本人は『降谷零≠安室透』と主張する。
意味が分からない。
掴んだはいいが、このあとどうしたら良いか全く分からない。
「まっ……て…………」
視線を彷徨わせながらなんとか声を絞り出す。
彼はきょとんとした顔で私を見た。
これが安室透という人の素の反応なのか。
あるいは降谷くんのポーカーフェイスなのか。
それを確かめる方法を探すため思考を巡らせていると、1つの案を思いついた。
私は掴んでいた腕をぐいっと自分に引き寄せる。
バランスを崩した彼が私の方に倒れ込み、目の前が彼の着ている服でいっぱいになった。
傍から見たら抱き合っている状態だ。
この抱擁感。
この良い匂い。
この安心する感じ。
………………知ってる。
学生の時、何度も降谷くんの胸に飛び込んだ。その度に嫌々言う彼だったが、結局最後は抱きしめ返してくれたのだ。
─────その時の感覚と一緒。
私は身体を離し、彼に向き直る。
彼も私から離れ、黙ってこっちを見た。
先程の貼り付けられたような笑顔ではない。
真剣な表情だ。
「私のこと、知ってるよね」
有無を言わさぬ口調で言った。
彼は何も答えない。
お互いがお互いの視線を捕らえ、無言の時間だけがゆっくりと過ぎていく。
小さくため息をつき再び私を見る。
「りよさん、お久しぶりです」
以前とは少し違う声色で、あまりに他人行儀な再会の挨拶をされた。
しかも、またさっきの作り笑いをしている。
「降谷くん……だよね?安室って誰…………?」
別人のような降谷くんに対し、頑張って笑顔を保ちながら努めて明るい声で尋ねた。
「僕の名前ですよ。僕は安室透です」
さも当然のことのように言われ、口をつぐんでしまう。
頭を整理するためにもう一度彼に質問した。
「降谷零くんではないの?」
「はい」
「私の幼馴染?」
「そうですよ」
「名前は安室透?」
「可笑しいですか?」
可笑しいことしかない。
私の中で『幼馴染=降谷零』なのだ。
しかし彼は『幼馴染=安室透』だと言う。
もし2人の言い分が正しいなら『降谷零=安室透』が成り立つはずなのだ。
でも本人は『降谷零≠安室透』と主張する。
意味が分からない。