◆ 塔尋
七夕祭
「失礼します」
ソファで寝転びながら煙草を咥えていると、寮長室の扉が5回ノックされた。聞き慣れた声とともに入ってきた男が持っていたのは、大玉のスイカ。
「……食わねぇぞ」
「おや、それは残念」
全く残念などと思っていないだろう声色で塔真がスイカを部屋のテーブルに置いた。煙草の煙を吐きながら、ぼんやりとスイカのしま模様を眺めていると、塔真が窓の方へと向き直った。
「今日は七夕祭だそうですよ。中止になるという話もありましたが、結局開催したようですね」
そういえば今日はホタルビの方が騒がしかったが、そういうことだったか。いつの間にかソファに寄ってきていた塔真が、ニッコリと胡散臭い笑顔をつくる。
「特待生さんも素敵な御召物で七夕祭にご参加なさるようですよ。寮長もいかがですか?」
「興味ねぇな」
「たまには外出なさらないと、干からびてしまいますよ?」
わざとらしく悲しそうな顔をした塔真に舌打ちをするが、こいつは楽しそうに口角をあげた。ふざけた野郎だ。
「そんなに行きてぇなら脳筋同士で行ってくればいいだろ」
「御堂君なら屋台の仕入れで忙しそうでしたよ」
「……」
会ったのか、と言いかけてやめた。黙認すると言った手前、いちいち詮索するわけにもいかない。
「スイカ、私の斧で割りましょうか?」
「粉々だろ」
「では寮長、お願いしますね」
「……」
妙に楽しそうな塔真に、俺は大きくため息をついた。
。
「失礼します」
ソファで寝転びながら煙草を咥えていると、寮長室の扉が5回ノックされた。聞き慣れた声とともに入ってきた男が持っていたのは、大玉のスイカ。
「……食わねぇぞ」
「おや、それは残念」
全く残念などと思っていないだろう声色で塔真がスイカを部屋のテーブルに置いた。煙草の煙を吐きながら、ぼんやりとスイカのしま模様を眺めていると、塔真が窓の方へと向き直った。
「今日は七夕祭だそうですよ。中止になるという話もありましたが、結局開催したようですね」
そういえば今日はホタルビの方が騒がしかったが、そういうことだったか。いつの間にかソファに寄ってきていた塔真が、ニッコリと胡散臭い笑顔をつくる。
「特待生さんも素敵な御召物で七夕祭にご参加なさるようですよ。寮長もいかがですか?」
「興味ねぇな」
「たまには外出なさらないと、干からびてしまいますよ?」
わざとらしく悲しそうな顔をした塔真に舌打ちをするが、こいつは楽しそうに口角をあげた。ふざけた野郎だ。
「そんなに行きてぇなら脳筋同士で行ってくればいいだろ」
「御堂君なら屋台の仕入れで忙しそうでしたよ」
「……」
会ったのか、と言いかけてやめた。黙認すると言った手前、いちいち詮索するわけにもいかない。
「スイカ、私の斧で割りましょうか?」
「粉々だろ」
「では寮長、お願いしますね」
「……」
妙に楽しそうな塔真に、俺は大きくため息をついた。
。