魔入りました!入間くん
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「イルマくん、カルエゴ先生を使い魔にしたって本当?」
クラスメイトの名前さんがニコニコとこちらに笑いかけ、僕の返答を待っている。
アブノーマルクラスというだけあって、このクラスの生徒たちは個性的な人達が多いけど、彼女のことだけは正直未だに計りかねていた。
人間である僕の目から見てさえ、名前さんはとっても普通なのだ。
「あ、えっと、うん」
自分でも分かるほど情けない声で答えてしまい、一気に顔が熱くなる。
おじいちゃんに連れられて魔界に来てから数か月が経ったが、未だに魔界の常識には驚かされることがある。
そんな状況において、名前さんの振る舞いはあまりにも僕が知っている「女の子」そのもので、異性に対する免疫がない僕は、彼女が悪魔であることさえ忘れてつい緊張してしまう。
「いいなぁ、いつでも一緒にいられるんだね」
「え⁉いや、いつでも一緒に、という訳にはいかないかも」
「そうなの?」
「あまりにも恐れ多くて、呼び出すのに躊躇しちゃって」
「あはは、確かに。イルマくんがカルエゴ先生のご主人様ってあんまり想像できないかも」
「そっそうだよね…」
名前さんの悪戯っぽく笑う姿が可愛いのと、図星をつかれたのとで言葉に詰まる。
こういう時にアズくんやクララがいてくれればいくらでも間が持つのだけれど、あいにく今は2人揃って売店に行ってしまっている。
話題を探して顔を真っ赤にして慌てている僕は、きっとすごく格好悪いはずだ。
「えっと、名前さんの使い魔って…」
「私の使い魔はたいしたことないよー。そもそも私が全然強くないから」
「あぁ!それでカルエゴ先生が使い魔だったらなあって思ったの?」
「うん?」
「うん?」
いい調子で会話が弾んできたと思ったのだけど、名前さんが首を傾げたことで急ブレーキがかかった。
あれ?僕何かおかしなこと言っちゃった⁉
「えっと…カルエゴ先生に使い魔になってもらったらずっと一緒にいられて安心だなーってこと…なのかなって僕、あの、思ったんだけど…」
「え⁉あはは!違うよ、やだー!だってカルエゴ先生むちゃくちゃ怖いんだもん!」
「うん、そうだね…むちゃくちゃ怖いよ…」
カルエゴ先生を使い魔にしてしまったことによって降りかかった様々な困難が走馬灯のように浮かび、深々と同意する。
本当に、つくづく僕は先生程の使い魔を従える器じゃない。
むちゃくちゃ怖い。
「うん?あれ?じゃあ『一緒にいられていいね』っていうのは?」
「あぁ、それはだから、イルマくんと、いつも一緒にいられていいなーって」
「………えぇ⁉」
「今回の使い魔との契約期限って一年なんだよね?」
「あ、え?う、うん」
「それじゃあ、今度は私を使い魔にしてよ!」
「え⁉いやいや!」
「あれ、嫌?」
「いや…いや!このいやは嫌じゃなくて!違うけどでも…」
「私をもし使い魔にしてくれたならいつでも呼び出してくれていいよ!そうしたら私、いつもイルマくんと一緒にいられるもんね」
怒涛の展開についていけない僕を置き去りにして、相変わらず笑顔を浮かべたままの名前さんの主導で話がトントン拍子に進んでいく。
「名前さん!あの、ちょっと待って!」
「なあに?」
「その一緒にいたいって…その、僕と?」
「ふふ、うん。そうだよー」
「な、なんな、な!」
「…そっか、私の強さじゃ足りないかな、使い魔として」
「いや、そういうことではなくて!」
「私、一年後までに頑張ってもっともっと強くなるね!」
「え⁉ちょっと、名前さん⁉」
混乱のあまり悲鳴にも似た声で名前さんを呼び止めるが、何か間違った決意を固くしてしまった彼女に対しては響かなかったらしい。
「それじゃあ、またね!」とこれまた素敵な笑顔で手を振り教室を出て行ってしまった。
「せめて、お友達から始めませんか…」
名前さんの意図するところはさっぱりわからないけれど、取り敢えず、小さくなっていく彼女の背中に虚しく呟いたこの台詞を今度はちゃんと本人に伝えよう…。
クラスメイトの名前さんがニコニコとこちらに笑いかけ、僕の返答を待っている。
アブノーマルクラスというだけあって、このクラスの生徒たちは個性的な人達が多いけど、彼女のことだけは正直未だに計りかねていた。
人間である僕の目から見てさえ、名前さんはとっても普通なのだ。
「あ、えっと、うん」
自分でも分かるほど情けない声で答えてしまい、一気に顔が熱くなる。
おじいちゃんに連れられて魔界に来てから数か月が経ったが、未だに魔界の常識には驚かされることがある。
そんな状況において、名前さんの振る舞いはあまりにも僕が知っている「女の子」そのもので、異性に対する免疫がない僕は、彼女が悪魔であることさえ忘れてつい緊張してしまう。
「いいなぁ、いつでも一緒にいられるんだね」
「え⁉いや、いつでも一緒に、という訳にはいかないかも」
「そうなの?」
「あまりにも恐れ多くて、呼び出すのに躊躇しちゃって」
「あはは、確かに。イルマくんがカルエゴ先生のご主人様ってあんまり想像できないかも」
「そっそうだよね…」
名前さんの悪戯っぽく笑う姿が可愛いのと、図星をつかれたのとで言葉に詰まる。
こういう時にアズくんやクララがいてくれればいくらでも間が持つのだけれど、あいにく今は2人揃って売店に行ってしまっている。
話題を探して顔を真っ赤にして慌てている僕は、きっとすごく格好悪いはずだ。
「えっと、名前さんの使い魔って…」
「私の使い魔はたいしたことないよー。そもそも私が全然強くないから」
「あぁ!それでカルエゴ先生が使い魔だったらなあって思ったの?」
「うん?」
「うん?」
いい調子で会話が弾んできたと思ったのだけど、名前さんが首を傾げたことで急ブレーキがかかった。
あれ?僕何かおかしなこと言っちゃった⁉
「えっと…カルエゴ先生に使い魔になってもらったらずっと一緒にいられて安心だなーってこと…なのかなって僕、あの、思ったんだけど…」
「え⁉あはは!違うよ、やだー!だってカルエゴ先生むちゃくちゃ怖いんだもん!」
「うん、そうだね…むちゃくちゃ怖いよ…」
カルエゴ先生を使い魔にしてしまったことによって降りかかった様々な困難が走馬灯のように浮かび、深々と同意する。
本当に、つくづく僕は先生程の使い魔を従える器じゃない。
むちゃくちゃ怖い。
「うん?あれ?じゃあ『一緒にいられていいね』っていうのは?」
「あぁ、それはだから、イルマくんと、いつも一緒にいられていいなーって」
「………えぇ⁉」
「今回の使い魔との契約期限って一年なんだよね?」
「あ、え?う、うん」
「それじゃあ、今度は私を使い魔にしてよ!」
「え⁉いやいや!」
「あれ、嫌?」
「いや…いや!このいやは嫌じゃなくて!違うけどでも…」
「私をもし使い魔にしてくれたならいつでも呼び出してくれていいよ!そうしたら私、いつもイルマくんと一緒にいられるもんね」
怒涛の展開についていけない僕を置き去りにして、相変わらず笑顔を浮かべたままの名前さんの主導で話がトントン拍子に進んでいく。
「名前さん!あの、ちょっと待って!」
「なあに?」
「その一緒にいたいって…その、僕と?」
「ふふ、うん。そうだよー」
「な、なんな、な!」
「…そっか、私の強さじゃ足りないかな、使い魔として」
「いや、そういうことではなくて!」
「私、一年後までに頑張ってもっともっと強くなるね!」
「え⁉ちょっと、名前さん⁉」
混乱のあまり悲鳴にも似た声で名前さんを呼び止めるが、何か間違った決意を固くしてしまった彼女に対しては響かなかったらしい。
「それじゃあ、またね!」とこれまた素敵な笑顔で手を振り教室を出て行ってしまった。
「せめて、お友達から始めませんか…」
名前さんの意図するところはさっぱりわからないけれど、取り敢えず、小さくなっていく彼女の背中に虚しく呟いたこの台詞を今度はちゃんと本人に伝えよう…。