その小さな手を
女の躰が跳ね、男はそれを愛しむように抱きとめる。
しかし、上半身の優しい動きに反して下半身の打ちつけは激しくなっていた。
“落ち着いてできる”というアスランの言は結果的に半分以上嘘になってしまった。
「あッ、あ…っ、あ、…っは、…ああ!」
「カガ、リ……、カガリ…ッ…は、あ」
乱れていくカガリを揺さぶりながら、アスランはまた真っ白になりそうな自分と戦っていた。
できるだけ意識を保とうとカガリへのキスを繰り返したが、それでも。
こんな気がおかしくなるくらい幸せなこと、我を失うなという方が無理なのだ。
カガリは先ほどより甘い声を出してくれるようになって、それがアスランを加速させていった。
「気持ち、いい……?カガリ…っ…」
「あんっ…あ、あん、っや…あッ」
そんな可愛い声出すなよと思いながらももっと鳴かせたくて
彼女の感じるところばかり攻めてしまう。
さっきはあまり気持ちよくさせてあげられなかったから。
二度目はさすがにその点を意識しないと男として情けない。
「ちゃんと…教えて…、っ…気持ち…いい?」
「……んっ、はぁ、あッ……う、ん…っ…」
必死にしがみつきながらも、カガリはちゃんと答えた。
あとでそう言ったことを覚えているのか疑問なほど彼女は余裕がなかったけれど。
「よかった……、俺も…、…っ、すごく…気持ちいい……よ」
やっと感じあえたことが嬉しい。
ほんとに…5年間…
長かった
全力で男の自分を押さえ続けた…毎晩だ。
でもこれからは夫婦になって、存分に男と女になれる。
「もっと…気持ちいいところ、…いこうか。一緒に………」
カガリは意味がよく分からなかったが、尋ねることができなかった。
激しいキスで唇を塞がれたのだ。
…そうして
ベッドの軋みがやっと止まったのは、窓の外が明るくなり始めたころだった。