その小さな手を
カガリにとっては全てが初めてで、何よりこんなアスランを見たのは初めてだった。
瞳は以前のような優しいものじゃなく、何か強い意志をもってカガリを見つめている。
声も穏やかなものじゃなく、熱い息の合間に途切れ途切れで。
そして今、カガリは誰にも見せたことのない肌をさらけ出している。
恥ずかしくて死にそうな思いだった。
「……ぁっ」
大きな手で双丘を包まれ、思わず声が出た。
その膨らみは出会った頃とは明らかに違い、すっかり女性のものとなっている。
待ち続けた側としてはそれが嬉しくてたまらなかった。
「ゃ…まっ……」
カガリはとっさにガードしてしまったが、アスランはおかまいなしに愛撫を続けた。
全部アスランを煽る要素にしかならないのだ。
もうこの手を止める理由なんてない。
「ごめん、だめだ……もう…俺」
自分の限界を感じたような声。
アスランはすでに頭が沸騰しそうだった。
興奮がすべてを支配している。
まだ挿入すらしていないというのに
こうしてカガリの肌に触れているだけで…自分じゃなくなる…。
まさか自分がこんなことになるなんて――――
「…だめだ……」
無理だ
抑えられない…
「抱かせて…カガリ…」
「…っアスラ……、でも…」
カガリにはまだ、求められて嬉しい気持ちよりも羞恥の方がはるかに勝っていた。
すでに心臓がものすごいことになっているのに、この先は…
カガリが戸惑っていると、もう一度懇願の声が降ってきた。
「抱かせて…」
「…ぁ……」
その声でカガリは陥落した。
アスランが囁くだけで頭が溶けていくようだった。
翡翠の瞳に吸い込まれるように…カガリは躰を預けた。