その小さな手を



アスランは一瞬動きが止まったかと思うと、次の瞬間、カガリを強く抱きしめていた。
こっちの方が泣きたくなってくる。
まいった…
嬉しすぎて、愛しすぎて…。


別れ際も、そんなこと思ってあんな風に送り出したのか…?

まんまと騙されてしまった…。


「ばかだな…カガリ…」

「アスラン…」


額にキスをして、もう一度カガリを抱きしめる。
きつく抱き合う。
少しの隙間もできないように。


「俺は、カガリ以上に大切なものなんてない。いつだってカガリが一番だ」

「…っ、……」

「ちゃんと覚えておくんだぞ」

「……うん…っ…」


アスランは腕を緩めてカガリの顔を覗き込んだ。

そして……その先の衝動は、もう抑えきれなかった。



アスランの顔がだんだんとカガリに近づいていく。
カガリも自然と瞳と閉じて…


アスランは…初めてカガリの口唇に自分のそれを重ねた―――





幸せすぎて、めまいがした。

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