空も風も



言わずにはいられなかった。
閉じ込めていられるような穏やかな想いじゃなかった。


言った瞬間、彼女の肩が震えた気がした。

でも視線は変わらず雨を見つめて…
その横顔にもう一度告げる。


「好きなんだ……」


隠す気もごまかす気もない想いは、声に熱を孕んだ。

100%拒絶される告白。
それでも俺は…正面からぶつかる以外の方法を知らなかった。



「……な…んで…」


彼女は瞳を閉じて俯いてしまった。

まるで、絶望の中
立ちすくむように


「なんでそんなこと言うんだ……」



続く言葉は、悲鳴だった。



「なんでお前はそんなに、私の中に入ってくるんだ・・・!!」


「待って……!」


弾かれたように飛び出していった彼女を、反射的に追いかけた。



なぜ君はそんなにも他人を拒絶するんだ。
人が、嫌いだから……?

いや、人が好きだからあんなに優しいんだ。




彼女の悲鳴が・・・

“助けて”と言っているように、聞こえた。

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