氷姫は残照に熔く
白いシーツの上で純白のドレスが暴かれる。
アスランは王宮の私室で、1年ぶりの甘い肌を味わっていた。
「アスラ…、まだ、だめ…だよ…っ」
アスランとカガリは先ほど結婚式をあげたばかりだが、初夜にはまだ早い。
このあと各国から賓客を迎えた大規模な祝賀パーティーが開かれるのだ。
今はその間の休憩時間にすぎない。
「どうせ、違うドレスに着替えるんだから、俺が脱がしてもいいだろう…?」
「ぁっ…」
そう言いながら、アスランのしていることはただの“着替え”でないことは明白だった。
結婚式で誓いのキスをしたときからもう、アスランは襲いたくて仕方なかった。
ドレスごとカガリを抱くことしか考えていなかった。
ようやく1年ぶりに叶うのだから当然だ。
久しぶりに見たカガリの肌は、あの日抱き合ったときと少しも変わらなかった。
顔の傷は…かなり薄くなっていて化粧をすればほとんど分からないくらいになっている。
一つ大きな違いは、香り。
結婚式のため、今日のカガリは花の香りがする香水をつけている。
これも悪くないけど、やっぱりカガリ自身の香りを感じたい。
その白い肌に舌を這わせて体温を高ぶらせていくと、少しずつカガリの香りに包まれた。
もっと欲しい・・
「カガリ…、前より感じやすくなってる…」
声に嬉しさを隠しきれないまま、カガリの表情を覗いた。
「あ、あのときは、初めてだったから、なにも分からなかったし…」
「うん…。俺も…」
あの隠れ家で初めて抱いたときは、なかなか挿入できなかったり、律動で抜けてしまったり
一つ一つが手探りで加減もできなかった。
でもとてつもない幸せを感じた…。
そして今、1年ぶりにそれを確かめ合える。