氷姫は残照に熔く



「泣かないで…」

涙に口づけて、そのままカガリの唇を深く塞ぐ。
激しい愛撫でカガリがなにも考えられないようにする。

もう…躰を重ねるとてつもない幸せを、知っていた。





今まで孤独に生きてきた18年間はすべて・・

こうして俺の全力で君を愛するためだったと

今なら思う









「……やっぱり、一緒に帰ろうカガリ―――」

躰を繋げたまま、額をこつんと合わせた。
話すために律動を止めてもなお熱く、アスランの頬から汗が落ちる。


「で、でも…」

「もちろん戦争は起こさせない…。何か方法があるはずだよ、俺たちが両国から働きかければ…」

「あ…」

アスランの指がカガリの華奢な手を絡めとった。

「カガリには俺がいる。もう一人で抱え込まなくていいんだ」

「………っアス…」


「軍事協定を止めた上で、俺たちが結婚もできる道を、絶対見つけよう・・・」




―――朝日が昇る。
その夜明けとともに、二人きりの生活は終わりを告げた。


36/43ページ