氷姫は残照に熔く



“綺麗”という言葉に、カガリは後ろ暗いところを突かれたような思いだった。
ぜんぜん綺麗なんかじゃない。

この数か月、自分が計画してきたことは―――


それに反して、アスランのすべては本当に綺麗だった。
カガリからも、薄暗い中でアスランの顔の輪郭や、男の躰の美しさが見えていて、
その腕の中に包まれていると思うだけで女のほうも感情が制御できなくなる。

アスランの手に触れられて、汚れていた自分の心が真っ白になっていくのが分かる…。
あまりに熱い自分の顔を、カガリは思わず手で覆ってしまった。


「俺は…酷いことばかり考えてるよ」

双丘の柔らかさを覚えながら、そこにキスの痕を残していくアスラン。

「こんな綺麗なカガリを、壊れるほど抱きたいって……」

「んっ、…ん」


激流みたいなキスをされて
ぜんぶを吞み込むように強い腕で抱かれた。

今まで触られたこともない場所へアスランの手が降りていく。

「あっあ!…あ」

最初は脚の間の入口だけ。
長い指にそこを愛されて…
次第にカガリの反応を見ながら深くまで入っていった。

正体が分からない蜜がそこから溢れ出た。
全身を走る刺激に一方的に翻弄されているのはカガリの方なのに、アスランもなぜか息が切れていて
余裕のない顔をしていた。

つらそうな翡翠の瞳に、求められる。

「もう、だめだカガリ…」


アスランの荒い息とともに耳元に残された声が最後になった。

言葉もなく、ただ熱と視線だけで伝え合う。




少しも離れたくない・・・


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