氷姫は残照に熔く
―――今日の陽が落ちていく
だんだんと谷に影が差して、おぼろ雲に緋色の光だけが残る
互いの存在をもっと強く感じたい。
その想いを遂げるために、男と女がこうなることは止められなかった。
「んっ……は、…待っ、恥ずかしい…」
「だめ…ちゃんと見せて。もう見えなくなるんだから…」
暗くなっていく室内に急かされるように、アスランはベッドでカガリの衣類を解いていった。
彼女の小さな抵抗を甘いキスで塞ぎながら。
想いの通じ合ったキスは信じられないほど気持ちよくて、いつまでも味わっていたくなる。
舌を擦り合わせるたび可愛い反応が返ってくる。
それでも、少しの光が残っているうちにカガリの素肌が見たかった。
――薄暗い中、シーツの上で一糸纏わぬ女性の曲線が、浮かび上がる。
それはアスランが息を呑むほど美しかった。
言葉が出ない。
もう……何度もカガリの躰に触れることを想像した――
控えめに、最初はカガリのおなかあたりに触れる。
手が吸い付いてしまいそうな肌の滑らかさに驚いて、指で腰のラインを確かめる。
そのまま乳房の下側から手で包み込んだ。
「…っ」
ぴくっと少しだけカガリの躰が反応して、目が合う。
「なんでこんな綺麗なんだ…」
「そっ、それはアスランのほうだよ…」