quartet
カガリは頭に浮かんだことをそのまま言ったのだが、
すぐに「しまった」と思った。
アスランが、目を大きく見開いてこちらを見たからだ。
「あっ、いや、ご・・ごめん、変なこと聞いちゃってっ」
慌てて手を振って弁解する。
それでもなおアスランはカガリを見つめたまま動かなかった。
「ほんと!ごめ・・っ」
自分の発言とアスランの反応で、カガリは顔が熱くなってくるのを感じた。
耳までも。
(うわあああ何てことを聞いちゃったんだ私・・・!!)
とっさに教室の方へと足を向けた、その時。
「カガリ」
アスランに、手首を掴まれた。
大きな手に。
今度はカガリが目を見開く番だった。
「・・知りたいの?」
一歩、アスランが距離を詰めた。
カガリの顔に影が射したが、アスランのグリーンの瞳だけはハッキリ見えた。
「俺のこと」
「知りたい・・・?」
いつも見ているはずなのに、見たこともない瞳――――
「あれっ、アスランカガリ!なにしてんのこんなところで」
そこに現れたのはキラだった。