quartet
部室で見てしまったものは、静かに口唇を重ねている友人たちだった。
キラとラクス。
今までいつも一緒に過ごしてきた仲間が。
「・・・ああ、なんだ」
しばらくして頭上に降ってきたアスランの声は、カガリとは対照的に落ち着いていた。
「カガリの反応があんまりだから、てっきり、それ以上のことでもしてたのかと思った。」
「そ・・っそれ以上!?」
自分の容量を遥かに超えるような言葉がでてきて、カガリは思わず飛び跳ねそうになった。
それ以上・・・
それ以上・・!?
頭がついていかない。
アスランはなおも普段の温度で話を続けた。
「付き合ってるんだから、キスくらいは普通にするだろ?」
「ふ、ふつう!?」
「そんなに驚いた?」
「だって・・・っ」
大人がするような行為を見てしまったショックと
元の4人には戻れないことが決定的になったショックと
素直に祝福できない自己嫌悪。
いろんなものが一気に押し寄せてきて、カガリは涙目になってしまった。
なぜ、アスランはそうやって冷静でいられるんだ。
付き合うって聞いた時も、4人で一緒にいる時も、いつもいつも・・・
ふと、カガリは思い当たって聞いてみた。
「アスランは・・」
「うん?」
「誰かと付き合ったり、そういうこと・・したことあるのか?」