quartet
後から思えば、そこで突発的に叫び声を上げてしまったり、衝撃で物音を立ててしまったりしなかったのは
奇跡だったと思う。
頭が、真っ白のまま
来た道を引き返す。
走る。
夢中で走っていたら、ドン!!と何かにぶつかった。
「わ、カガリ?」
「ご、ごめ・・・!」
「どうしたんだ、そんなに走って・・」
「・・アスラン!」
ぶつかってしまったのは、カガリのよく知る人物。
しかし、それでもカガリの動揺は変わらなかった。
「俺も今から部室に行こうと・・」
「だ、だめだ!!」
とっさに大声を出してしまった。
部室、という言葉が出てきて条件反射みたいなものだった。
「え?」
「あっ、あの・・、」
なんと言っていいか分からず、変な汗が出てくる。
それでも不思議そうに見てくるアスランに説明しようと、カガリは頭をフル回転させた。
「え、あ、えっと、だって、今キラとラクスが・・・っ」
「キラとラクスが?」
「あ、・・う、あの」
口に出して言うのが恥ずかしすぎて、最後は消え入りそうな声になってしまった。
「き・・キス、・・してて・・・」