quartet



後から思えば、そこで突発的に叫び声を上げてしまったり、衝撃で物音を立ててしまったりしなかったのは
奇跡だったと思う。

頭が、真っ白のまま

来た道を引き返す。

走る。






夢中で走っていたら、ドン!!と何かにぶつかった。


「わ、カガリ?」

「ご、ごめ・・・!」


「どうしたんだ、そんなに走って・・」

「・・アスラン!」

ぶつかってしまったのは、カガリのよく知る人物。
しかし、それでもカガリの動揺は変わらなかった。


「俺も今から部室に行こうと・・」

「だ、だめだ!!」

とっさに大声を出してしまった。
部室、という言葉が出てきて条件反射みたいなものだった。


「え?」

「あっ、あの・・、」

なんと言っていいか分からず、変な汗が出てくる。
それでも不思議そうに見てくるアスランに説明しようと、カガリは頭をフル回転させた。


「え、あ、えっと、だって、今キラとラクスが・・・っ」

「キラとラクスが?」

「あ、・・う、あの」


口に出して言うのが恥ずかしすぎて、最後は消え入りそうな声になってしまった。




「き・・キス、・・してて・・・」


7/22ページ