quartet
それから、2日後―――
昨日は部活が休みだったため、想いが通じ合ってから初めての部活になる。
アスランは一人、ぼーっと魂が抜けたような状態で学校に向かって歩いていた。
いまだ夢の中、といったような状態である。
そこに、後ろからキラがやってきた。
「アスランおめでとー!うまくいってよかったね!」
「・・・キラ!」
背中をバンと叩かれてアスランはやっと夢の世界から戻って来たようだった。
あの日、キラとラクスは心配で部室から少し離れた木陰で様子を窺っていたのだ。
そしたらアスランとカガリが手をつないで出てきて、そのまま一緒に帰って行ったのを目撃したという。
「いやー、まさかあの鈍感カガリを相手にこんな急展開でうまくいくなんてビックリだよ。これで晴れて念願の恋人同士だね!」
「え・・あ、ああ・・」
「じゃあこれ僕から、両想い記念のお祝い、あげる」
突然キラから渡されたブツを見て、アスランは目を見開いた。
手のひらサイズの、ビニールに包まれたゴム製の。
「ちょ、キラこれ・・!」
「まだまだ先かもしれないけど~、彼女ができたんなら、常に持っておくのが男のマナーだよ?」
至極愉快そうに笑って、キラは親友の反応を見た。
しかし。
アメジストの目に映ったのは、予想していた慌てふためく様子ではなかった。
「・・・・」
表情を見られないようにそっぽを向き、黙って自分のポケットに入れる親友の姿。
「・・・アスラン?」
(あれ??)
アスランなら絶対に、真っ赤な顔で怒りながら突き返してくると思ったのに。
怪訝な顔でキラは、あっちを向いたままのアスランを見つめた。
そして数秒後、ピンときてしまった。
「え。もしかして・・・・、もうしちゃったのーーーーっ!!?」