quartet
ああ
そっか私
アスランに触れられることが、震えるほど嬉しいんだ・・・
ただもう、そこが心地よくて嬉しくて
カガリはアスランの背中に手を回した。
離さないでという気持ちを込めて。
「カガリ・・」
その手に気づいたアスランも、さらに強く抱き返す。
眩暈がするほど幸せだった。
静まりかえった部室で二人きり、ただただ抱き合ってお互いの気持ちを確かめ合った。
ひとしきり体温を確認すると、アスランはそっと腕を緩めた。
カガリも同じようにしてくれると思ったが、そうはならなかった。
アスランの胸に抱きついたまま一向に離れようとしないのだ。
「カガリ・・?」
恥ずかしくて顔を上げられないのだろうか。
でもアスランとしては愛しい人の顔も見たいしキスだってしたい。
アスランが華奢な肩に手を置いてカガリを促すと、びっくりするような言葉が飛んできた。
「・・・やだ。離れたくない」
「えっ」
「ぎゅってして・・アスラン」
―――瞬殺。
アスランは頭が爆発したかのような衝撃で倒れそうになってしまった。
あのカガリが。
男女のことに疎いあのカガリが、蕩けそうな声で甘えている。
なぜこんなことになったのか分からず混乱しつつも、、彼女の手を背中に感じて夢ではないと再認識した。
「・・好きだよ、カガリ」
心からの想いを言葉に
今度は大事に包み込むようにしてアスランはカガリを抱きしめた。