quartet
自分から、アスランに触る・・!?
「そんなこと・・・っ」
想像するだけで顔から火が出そうだった。
だいたい顔もまともに見れないというのに。
「無理だよそんなこと・・!」
「なぜ?」
「う・・。私・・アスランにひどいこと言っちゃったし・・」
手を振り払っただけではなく、「あんなところに行きたくない」とまで言ってしまった。
それは先ほど泣きながらラクスに説明したばかりだった。
「アスランは、そんなことでカガリさんを怒ったりなどしませんわ。絶対に」
「・・・・」
誰もを信じさせてしまうような口調と表情で、ラクスは言った。
彼女の言葉には以前からそういう不思議な引力があった。
「自分の気持ちを知りたいと思っていらっしゃるのなら、一度、触れてみてはいかがですか?」
カガリはまるで暗示にかかったように美しい親友の顔を見つめていた。
プルルルル―――
その夜、キラの携帯電話が鳴った。
アスランからの着信だった。
『キラ・・すまないが、明日部室を借りていいか』
「え・・っ・・借りるって」
こんな事前予約のようなことは初めてで、キラはすぐにピンときた。
「アスラン、まさか・・・」
『・・・・もう、抑えてられなくなった』
悲壮感と、愛しさと。
アスランの声は聞いているだけで切なくなった。
『避けられても嫌がられても、もういい。・・・カガリに言いたい』
明日―――――