quartet
「ラクス・・・・!」
その姿を目にした瞬間、カガリの瞳からは再び涙が溢れてきた。
出口のない迷路で出会った救世主のように。
キラとの交際宣言を聞いてからラクスとは少し距離ができていたが、
そんなものはすべて吹き飛んでしまった。
「そうでしたか・・」
2人は並んでベッドに腰掛け、カガリの話があらかた終わったところだった。
泣きながらだったのでやや支離滅裂ではあったが、ラクスには伝わったようだ。
「つらいのですか?」
「・・・うん・・」
「アスランに触れられるのが嫌で手を振り払ったのでしたら、カガリさんの望む結果になったのではありませんか?」
「・・・っ」
「それなのに、なぜ泣いてらっしゃるのでしょう・・?」
カガリは言葉に詰まった。
親友の言う通りのはずなのに、違う。
何かが違うのだ。
アスランに触れられるのは・・嫌・・じゃない――――
「“変化”は決して悪いものばかりではありませんわ」
ラクスは厳しい問いの答えを知っているかのように、優しく笑った。
「私・・分からないんだ。なんであんなことしてしまったのか・・」
「アスランのこと嫌じゃないのに・・なんで・・・」
アスランとのやりとりを思い出すだけで、泣きそうになるほど胸が痛かった。
しかし、ラクスから返ってきたのは、軽快な声で。
「分からないのでしたら、確めてみるというのはいかがでしょう?」
「え?」
「カガリさんの方からアスランに触れてみれば、何か分かるかもしれません」
「え・・・ええっ!」