quartet



アスランが一瞬怯んだ隙に、カガリはその場から逃げた。
手を振り払った勢いのまま。


とにかく逃げて、走って。
わけも分からず涙が出てくる。
胸がちぎれそう。



“あんなところ”


“もう行きたくない”



あの酷い言葉を吐きだした瞬間、分かった。

変わってしまったのは4人の関係じゃない。



私だ――――








「カガリ、お友達が来て下さったわよ?」

「え・・っ」

赤い目を隠し、自分の布団に潜りこんで泣いていたカガリに突然声を掛けてきたのは母親だった。

「上がってもらうわね」

「ちょ・・待っ・・!!」

とっさに頭に浮かんだのはアスラン。
会えるわけがない。
あんなことがあった後で。こんな顔で。


「・・・わたくしでもいけませんか?カガリさん」


ドアから顔をのぞかせたのは、ピンクの髪の親友だった。

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