quartet
“俺のこと 知りたい・・・?”
アスランに手首を掴まれたとき、心臓が飛び出るかと思った。
今まで手をひっぱったり、背中にもたれかかったり、なんでもなかったはずなのに。
思い出すだけで顔が熱い
たぶん次アスランの目を見たら、死んでしまうかもしれない
「カガリは今日も部活こないの?」
男2人が先に着替え始めていると、あとからラクスが部室に入ってきてキラが声をかけた。
着替えのスペースは完全な個室にはなっていないが、ロッカーで男女を仕切られて見えないようになっている。
「ええ・・。ずっと部員集めを・・貼り紙を作ったり、1年生の名簿をチェックしたりですわ」
「そんな頑張んなくてもいいのにね~」
「・・・」
アスランは何も言わずに黙々と着替えていた。
「あ、でも明日から夏休みだし、さすがにもう切り上げてくるよね?」
「それが・・・」
ラクスは、アスランに気づかって言いにくそうにしたが、連絡事項でもあるため言わなくてはならなかった。
「明日からは、補習に来る1年生を捕まえるとおっしゃっていて・・」
「ええー?夏休みも勧誘するつもりなの?」
2人の会話を聞きながらアスランは着替え終わり、
ロッカーを閉めると静かに心を決めた。
翌日。
アスランが待ち構えていたのは、1年の補習で使われている教室の廊下だった。
予想通りその人物は現れた。
「カガリ」
「・・・!アスラ・・っ」
“数日ぶりに顔を合わせたクラブメイト”
カガリが示した反応はそんなものではなかった。