恋唄 第15話



胸を突き刺すような痛みと、痺れるほどの悦びが同居する

どちらも泣きそうなくらいに



溺れるように人を好きになるって

こういうことを言うのだろうか






【恋唄 第15話】







『ええっ!まだ外でデートしたことない!?』

『う、うん…』


昨日の映画の後、ミリィとした会話を思い返した。


『え、だって、ほぼ毎日会ってるのよね?一体どこで何してるの』

『アスランのマンションで課題したり、料理したり…とか…?』


ほとんどの時間をキスしたりくっついたりして過ごしているとは恥ずかしくて言えなかった。
私の落ち着きのない仕草でミリィには分かってしまったかもしれないけど。


『自宅デートってやつね…そうしたい気持ちも分かるけど。でもちゃんと避妊してくれてるんでしょ?』

『ひっ、ひひ、ひに!?///』


ミリィの可愛い顔からとんでもない言葉がサラリと出てきて、それはものすごい衝撃だった。


『……あ、ごめん。まだだったのね…。自宅デートばかりだっていうからてっきり…』

『え…、ええっ』

『でも、そんな遠くない出来事だと思うわよ?好きなら当然のことだし…アスランさんも考えてるでしょ』

『……!』



そんなことあるわけ…と頭を振りながら、今日もアスランのマンションに呼ばれた。


私が今まで見てきたドラマや小説では、恋人同士は手を繋いでデートして…

だから私もそんな感じで映画とか行ってみたいなと思って、アスランを誘おうとしたけど駄目だった。
アスランは映画館が苦手らしい。


…そして、本当にミリィの言った通りになった。


『カガリの心だけじゃなくて……身体も欲しい…』


身体に触れられて
その先を求められて

嬉しいのに……また、醜い感情が湧き起こる。

苦しい…
アスランには絶対言えないドロドロした感情は、私の中で消えることはなかった。

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