恋唄 第13話



恋は、相手と想いが通じ合えばハッピーエンド…


それで終わりだと思っていた


19の夏までは






【恋唄 第13話】







「キス、慣れてきた…?」

「え…っ」

ふざけるようなキスのあと、ふいに優しい声で問いかけられてドキッとした。



アスランと“恋人”という関係になって1週間…
キスはもう数え切れないくらいしていた。

今日もアスランのマンションで一緒に課題をしていて、休憩となったとたんアスランに引き寄せられた。



私はいつも心臓がうるさく鳴って、キスの合間に息をするのが精一杯で。
それでも最初の頃よりは落ち着いてできるようになってきたと思う。

そして今日は…アスランの顔が近づいてくるのと同時に、自然と目を閉じた…。



すると、それを見透かされたように「慣れた?」とアスランから問いかけられてしまった。


「わ…、わかんない…よ。そんなの…」

「慣れてきたなら、少し…いい?」


返事をする間もなく、アスランに唇を塞がれた。


「!」


何か生温かいものが口に入ってきて、思わず肩が跳ねた。

それに気づいてアスランはすぐに離してくれたけど、瞳が合うとまたすぐに再開された。


「ふ、……あ…!」

前にも一度だけされたことがある。
口を開かされるキス―――


「……っむ…、ぅんっ…」


侵入されて掻き回される…

未知の感覚だった。








新しいことを知るたび

全身に熱が灯りながら、頭のどこかで気持ちが翳っていく自分がいた



なに落ち込んだりしてるんだろう

分かってるはずなのに

アスランが他の誰かと…こういう事をしてた経験があることくらい―――

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