恋唄 第10話



カガリが笑ってるときは一緒に笑って

ずっと笑ってもらえるように何かしたいと思う



カガリが泣いているときは…

そばにいたい
できることなら抱きしめたい



それができるくらい俺はカガリに近づけたと

思っていたのに






【恋唄 第10話】






あいつは

あいつは……カガリの兄…

キラ――――…!!


あまりの衝撃に、指先が震えた。
同時に俺の身体の機能も止まってしまった気がした。


その男はすぐに角を曲がって見えなくなってしまったが、
一瞬だけで十分だった。
いつでも鮮明に思い出せるほど強く、この目に焼きついた。


「あいつ…、が…」


なんでこんな所に。

…などと、そんな事はもう分かりきっていた。
あいつはカガリのアパートの方から歩いてきたのだから。


―――あの顔を見ただけで、一瞬で、すべてが繋がった気がした―――


あいつは、今まで
カガリの部屋に居た・・?


今日カガリの様子がおかしかったのも
カガリが泣いていたのも


全部・・・ッ!!

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