Red Line 第7話
仕事中、書類の端で指を切った
滲み出てくる血・・
この赤い血を全部抜いて入れ替えれば
一生カガリのそばにいられるだろうか
【Red Line 第7話】
10月に入った。
体の関係をもって1ヶ月以上たっても、落ち着くどころか加熱するばかりで。
週末の時間のほとんどをベッドで過ごすようになっていた。
アスランはずっと腕の中にカガリを閉じ込めて、少しも離そうとしなかった。
「アスラン…痩せた?ちゃんと食べてる?」
シーツで胸元を隠しながら、おずおずとカガリがアスランの頬に触れた。
どう見ても彼は疲れていて、本当は痩せたというよりやつれたという表現に近い。
「うん…平気だよ」
「でも、なんかずっと辛そうにしてるし…。そうだ、来週あたり、外にでも出ない?」
「え…?」
「温泉とかリラクゼーションとかある施設。友達がこの前行って、良かったって。アスランにゆっくり休んで欲しいし」
仕事の疲れだと思い込んでいるカガリはいつも心配して、肩を揉んだりバランスを考えた食事を作っていた。
そして次の提案は、気分転換の温泉。
全ては大切な恋人のために。
しかし、アスランの表情は浮かないものだった。
「あ…すまない…。来週はちょっと……会えないんだ」
「え…もしかして、休日出勤?」
「違うよ」
「本当に?アスランはすぐ無茶するから…。ちゃんと休まないと駄目だよ」
「本当に、仕事じゃなくて……」
アスランは口ごもった。
言い出しにくかったが、体の管理に関しては人一倍厳しいカガリに対して
仕事と偽ることができなかった。
「父の…一周忌なんだ」