Red Line 第6話



至上の幸せと苦しみが
交互に押し寄せてくる


この先大きくなっていくのはどちらの方なのか

頭では分かっていても、もう止められない








【Red Line 第6話】








朝の日差しの中、何度も絶頂に連れて行かれて。
次にカガリが目覚めたときは、もうお昼に近い時間だった。
やはりアスランはすでに起きていて、カガリの目の前には自分を見つめる翡翠の瞳があった。


触れるだけのキスが降りてきたあと、シャワーを勧められる。
昨夜はそんな間も惜しむ勢いでベッドになだれ込んだため、シャワーは浴びてなかった。

やっとスッキリ汗を洗い流せるのだが、いざ浴びるとなると、アスランに愛された名残まで消えてしまうようで
カガリは少し寂しい気持ちになった。
キスマークはいくつも残されていたものの、それは明るいところで肌を見られたという羞恥にしか繋がらない。
こんな身体でアスランは良かったのだろうかと不安になるくらいだった。


しかし。
シャワーのあと脱衣所で待っていたのは、彼のTシャツで…
自分の身体より大きなサイズのそれを着ると、再び温かな気持ちで満たされていく。


…恋人同士みたい。

みたい、じゃなくて…本当に恋人同士になったんだ―――


鏡を見て男物のTシャツに触れながら、少しずつ実感した。
昨日までとはすっかり変わった関係を。



その後は、交代でアスランがシャワーに入って、雨で濡れてしまった服を一緒に洗って、
乾くまでそのTシャツを着て過ごした。
自然と抱き寄せられ、触れ合っていると結局それも脱がされてしまったけれど。



「…また、来週」

帰り際。
少し長めのキスのあと、アスランの唇からカガリの耳元へ言葉が落とされる。
これも今までとは違う―――恋人同士そのもので。

「うん、また来週」

もう約束なんてしなくても、当たり前に会えることが嬉しかった。



カガリの瞳には、幸せばかりが詰まった未来しか映っていなかった。

1/8ページ