Red Line 第11話
彼の誕生日に私がケーキを作って
来年も再来年も毎年一緒にお祝いして
そんな幸せな夢が粉々に崩れ落ちた
強く強く愛し合った人が
世界中で唯一人の・・・結ばれてはいけない人だった
【Red Line 第11話】
一晩中、実家の自室で泣き続けたカガリは、朝方になって
携帯電話の着信やメールに気づいた。
“どこにいる?”
“話がしたい。電話にでてほしい”
当然アスランからだった。
「……っ…うっ…」
あれだけ涙を流したのにまだ出た。
絶望と、愛しさと、・・・憎悪―――
昨夜のやりとり。
一緒にいたオレンジ髪の男の人は誰なのか分からなかったが
これだけは理解した。
アスランは…知っていた。
自分たちの血のつながりを、知っていた――――!!
いつから・・?
ぜんぶ分かっていて、性的関係をもった・・?
何度も何度も
数えきれないほど愛し合った
私だけが、知らなかった・・!
アスランと話をしなければいけないと思った。
もう心はボロボロでそんな気力なんてないけれど。
聞かなければいけないことが、たくさんあった。
生徒たちの前で笑える自信なんてまったく無くて
初めて仕事を休んだ。
シャワーで涙の跡を落とそうとしたけど、赤く腫れあがった瞼は戻らなかった。
拭いても拭いても涙がこぼれてくるのだから当たり前だ。
フラフラの足で向かったのは、自分の一人暮らしのマンション。
アスランがそこにいることはもう…メールで聞かなくても分かっていた。