Vivid Colors 第8話
2年前の夏休み。
私は信じられないほどの…おぞましいものを見た。
今も自分の中から消えることはない。
あれが、全てを失った始まりだったから――――
【Vivid Colors 第8話】
インターホンの嵐でアスランの家に戻ってきたキラとラクスは、
仲良く手を繋いでいた。
2人はなにも言わなかったけど、幸せそうに微笑むラクスを見てうまくいったんだと思った。
キラは、やって来るなりアスランに一直線に向かっていって、わーわーじゃれ合って。
なんか私やラクスより先に、一番最初にアスランの家に来たかったみたいだ(?)
先越されたことを根に持つなんて…キラは本当にアスランの事が好きなんだな。
「なぁラクス…」
「はい?」
あれから4人はアスランの家で談笑し、夜、ラクスはカガリのマンションに泊まりに来ていた。
布団を並べて隣に眠る。
昔はよくお泊り会をしていたため、久しぶりとはいえ慣れたものだった。
パチンと電気を消し、カガリは静かに話しかけた。
「今日、楽しかったな」
「そうですわね。カガリさんがとても愛されているということが、よくわかりましたわ」
真っ暗で顔は見えないが、ラクスはカガリに向かってくすりと笑っている。
「あ、愛ってなんだよ//」
「ふふふ。キラも相変わらずで楽しかったですわ」
「あぁ、アスランとも言ってたんだけどさ、」
「はい」
「大きくなったら、みんなで一緒に暮らせたらいいよなっ」
楽しい未来を夢見て、カガリは屈託のない笑顔になった。
「――――……」
なんでもないカガリの言葉だが、ラクスは少し引っかかる事があり、
一瞬言葉を考えてしまう。
「…そうですわね。きっと、楽しいでしょうね…」
カガリさん…
貴女はあのときのトラウマを…まだお持ちなのでしょう?
ご自分の身に、いつか降りかかることだと…分かってらっしゃいますか…?
―――そうして夜も更け・・
カガリは幸せそうに
ラクスは親友を思うあまり切なそうに
目を閉じて眠りについたのだった。