Vivid Colors 第6話
ピピピピ…ピピピピ…
久しぶりに目覚ましのアラーム音を聞いた気がする。
いつもは音が鳴る前にうなされて起きてしまうから…。
カガリは目をこすりながら上半身を起こし、カチッとアラームを止めた。
【Vivid Colors 第6話】
それでも眠りは浅かった。
昨日の別れ際、アスランに言い放った通りになってしまったのだ。
胸が高鳴って落ち着かなくて。
目を閉じるとアスランの唇の感触を思い出して。
あの力強い腕に抱き締められた感覚が蘇って。
アスランに会いたくなってしまって……。
競技会で身体は疲れてるのに、睡魔は遠ざかるばかりだった。
“~~~アスランのばか…っ//”
ベッドの中で何度そう呟いたかわからない。
カガリは見事に一晩中アスランに支配されていたのだ。
結局眠りにつけたのは、東の空が白んできた頃だった。
けど不思議と目覚めは良くて…憑き物が落ちたように清々しい気分だ。
しばらく忘れていた。
誰かと真っ直ぐ心を通わせるって…こんな気持ちなんだな。
カーテンで覆っていた、ありのままの自分を見せることができて…
そしてそれを受け止めてくれる人がいる…。
なんだか幸せすぎて怖い。
アスラン…
アスランがいなくなったら、私は今度こそもうダメな気がする…
ずっとそばにいて。
何よりも綺麗なその瞳に、私を映し続けて・・