Vivid Colors 第2話
助けてもらって、
その上女の子の手を泥だらけにしておいて
お礼も言わずにただボケっとしていただけなんて…
なんて情けないんだ、俺は……。
【Vivid Colors 第2話】
ディアッカ曰く、その日のアスランは病んでいたらしい。
自分の席で頭を抱えながら俯いていたかと思うと、急にがしがしと髪を掻きだす。
そんな友人の姿を、ディアッカは体調が悪いのかと相変わらず見当外れなことを思っていた。
けれど、ディアッカの彼女であり、バスケ部のマネージャーでもあるミリアリアは違った。
他の女子と違ってアスランに特別な感情もないし、マネージャーとして周りを客観的に見れる。
また女としてのカンも鋭かったため、
こんな様子のアスランに驚きつつも、好奇な眼差しを寄せるミリアリアだった。
そんな風に時間は過ぎ、放課後…
「アスラン? 部活休むか?」
「いや、行くよ」
色々考えてたって仕方がない。
身体を動かせば意外とスッキリするかもしれない…。
アスラン、ディアッカ、ミリアリア、3人は並んで部室までの廊下を歩き出す。
それはいつもの光景のはずだった。
その先に金色の輝きを見つけるまでは―――
見間違えるはずもない。
それは、彼女だった。