長編・幸せはポケットの中に
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____ムーミン、ムーミン!
空からゆっくりと日の光が降り注ぎ、やさしい風が吹くとある春の日。ムーミンは、窓から聞こえる自分を呼ぶ声に目を覚ました。
こんな朝早くに、一体どうしたというのだろう。
急用かもしれない、とムーミンが慌てて窓を開けると、何やらわくわくした様子のミィとフローレンがこちらを見上げていた。
「どうしたんだよ、二人とも随分早起きじゃないか」
「聞いてちょうだいムーミン!アリサが、森でとっても面白い物を見せてくれるらしいのよ!」
「そうよ、だから早く降りてきなさいよ!」
ミィとフローレンはそう言って楽しそうに跳ねる。
「面白い物…?」
面白い物とはなんだろう?もしかして、魔法が使えるようになったのだろうか。それとも箒に乗せて、どこかへ連れて行ってくれるのかな。もしそうなら、まだ見たことのない海のずっと向こうに連れて行ってくれるかもしれない…
「ちょっとムーミン!何モタモタしてんのよ!」
その声にムーミンがハッ!とすると、怒り顔のミィが、早くしろと言わんばかりにこちらを睨みつけている。急いで降りなければ。
キラキラと光るステッキを持ったアリサが色んな魔法を見せてくれる姿が思い浮かんで、心が弾んだ。
森へ向かう途中、まだ寝ていたスニフと、川の近くで寝転んでいたスナフキンも誘った。谷の空気はまだ朝の香りを残し、青く抜けるような空と相まって爽快感を与えてくれる。
少し開けた場所に立っていたアリサは、ムーミンたちを見つけるとにこやかに手を降った。
「待ってたわ!来てくれてありがとう」
「いやいや、それで、面白い物って?」
「そうそう…はい、これ」
アリサが手の中から出したのは、青色の綺麗な液が入った小瓶だった。予想の外れたムーミンは少し残念そうにしていたが、すぐに小瓶に興味が湧いたようで、目を輝かせて覗き込む。青い液体はキラキラと光りながら渦を巻いていて、まるで小さな蛇が動いているかのようにも見えた。ムーミンたちの目は、その美しい液体に釘付けになっていた。
「わぁ…すごくきれい」
「ねぇアリサ。この液体はとっても綺麗だね。僕初めて見たよ」
「スナフキン、あんたは見たことないの?」
「いや、これは僕でも見たことがないね。街にも売っていないよ」
「アリサはこれどこで手に入れたの?」
小瓶を前にわいわいと盛り上がる5人を見てアリサはクスクスと笑う。
「おばあちゃんがくれたのよ!なんでも、この液を一滴垂らせばたちまちにその物の姿を変えられるんですって!」
「えっ、姿を…?」
姿を変えると聞いて飛行鬼の帽子を思い出したムーミンは、少し後ずさりして嫌な顔をした。もう二度とあんな思いをするのは御免なのだ。姿が変わり、誰からも気付いてもらえなかったときの悲しさといったら!
「これって、つまり私達の姿も変えられるってこと?」
「いいえ。動物には使えないらしいの。けどここは森だから、それ以外のものだっていくらでも見つかるわ!」
「なんだ、なら安心だな」
魔法の小瓶があっても、試すものがなければ仕方がない。ムーミンたちは森の中を駆けずり回って、面白くなりそうな物を片っ端から集めてきた。
ムーミンは緑の葉っぱ。
フローレンは黄色のお花。
ミィは木の枝。
スニフは大きな石ころ。
そして、スナフキンは真っ赤な木のみを。
「これだけ試すものがあれば、きっととても面白いものが見られるぞ!」
「そうね、それじゃあ早速小瓶を使ってみましょう!」
空からゆっくりと日の光が降り注ぎ、やさしい風が吹くとある春の日。ムーミンは、窓から聞こえる自分を呼ぶ声に目を覚ました。
こんな朝早くに、一体どうしたというのだろう。
急用かもしれない、とムーミンが慌てて窓を開けると、何やらわくわくした様子のミィとフローレンがこちらを見上げていた。
「どうしたんだよ、二人とも随分早起きじゃないか」
「聞いてちょうだいムーミン!アリサが、森でとっても面白い物を見せてくれるらしいのよ!」
「そうよ、だから早く降りてきなさいよ!」
ミィとフローレンはそう言って楽しそうに跳ねる。
「面白い物…?」
面白い物とはなんだろう?もしかして、魔法が使えるようになったのだろうか。それとも箒に乗せて、どこかへ連れて行ってくれるのかな。もしそうなら、まだ見たことのない海のずっと向こうに連れて行ってくれるかもしれない…
「ちょっとムーミン!何モタモタしてんのよ!」
その声にムーミンがハッ!とすると、怒り顔のミィが、早くしろと言わんばかりにこちらを睨みつけている。急いで降りなければ。
キラキラと光るステッキを持ったアリサが色んな魔法を見せてくれる姿が思い浮かんで、心が弾んだ。
森へ向かう途中、まだ寝ていたスニフと、川の近くで寝転んでいたスナフキンも誘った。谷の空気はまだ朝の香りを残し、青く抜けるような空と相まって爽快感を与えてくれる。
少し開けた場所に立っていたアリサは、ムーミンたちを見つけるとにこやかに手を降った。
「待ってたわ!来てくれてありがとう」
「いやいや、それで、面白い物って?」
「そうそう…はい、これ」
アリサが手の中から出したのは、青色の綺麗な液が入った小瓶だった。予想の外れたムーミンは少し残念そうにしていたが、すぐに小瓶に興味が湧いたようで、目を輝かせて覗き込む。青い液体はキラキラと光りながら渦を巻いていて、まるで小さな蛇が動いているかのようにも見えた。ムーミンたちの目は、その美しい液体に釘付けになっていた。
「わぁ…すごくきれい」
「ねぇアリサ。この液体はとっても綺麗だね。僕初めて見たよ」
「スナフキン、あんたは見たことないの?」
「いや、これは僕でも見たことがないね。街にも売っていないよ」
「アリサはこれどこで手に入れたの?」
小瓶を前にわいわいと盛り上がる5人を見てアリサはクスクスと笑う。
「おばあちゃんがくれたのよ!なんでも、この液を一滴垂らせばたちまちにその物の姿を変えられるんですって!」
「えっ、姿を…?」
姿を変えると聞いて飛行鬼の帽子を思い出したムーミンは、少し後ずさりして嫌な顔をした。もう二度とあんな思いをするのは御免なのだ。姿が変わり、誰からも気付いてもらえなかったときの悲しさといったら!
「これって、つまり私達の姿も変えられるってこと?」
「いいえ。動物には使えないらしいの。けどここは森だから、それ以外のものだっていくらでも見つかるわ!」
「なんだ、なら安心だな」
魔法の小瓶があっても、試すものがなければ仕方がない。ムーミンたちは森の中を駆けずり回って、面白くなりそうな物を片っ端から集めてきた。
ムーミンは緑の葉っぱ。
フローレンは黄色のお花。
ミィは木の枝。
スニフは大きな石ころ。
そして、スナフキンは真っ赤な木のみを。
「これだけ試すものがあれば、きっととても面白いものが見られるぞ!」
「そうね、それじゃあ早速小瓶を使ってみましょう!」
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