ねぇねぇ、姉さん【停滞中】
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おつかいくらいできるもん!
と言いたげな表情で母を見上げ、おつかいの内容を書かれた紙を受け取り、意気揚々と出掛けた。店先の店主にメモを見せ、その商品を買い、なんとかクリアして帰路に着いた。どんなに恥ずかしやがりな自分だって、おつかいくらいはできるのだ。そんなことに胸を張って、帰りに店員にくれた風船を片手に歩いていた。
今日は不意に強い風が吹くこともあり、手に持っていた買い物袋を抱え、足早に家に向かう。
「……ぁ……!」
青色の風船が風に巻かれ、木に掛かってしまった。色がとても気に入っていた終は、どうしてもその風船が取りたくて、木のそばに駆け寄る。
「っ……!」
歳近い周りの人間には言えないことだが、終は木登りができないのだ。どうしても登ることができず、ただ背伸びをして、その風船に向かって手を向けるだけだった。とても悔しくて、悲しいけど、諦めるしかないのかな。終が腕を引っ込めた時、後ろから声がする。
「…どうしたの?風船が取れなくなっちゃったの?」
後ろを振り向くと、自分の背に合わせてしゃがみこみ、目線を合わせて風船を見上げる女性が。
「大丈夫、お姉ちゃんが取ってあげるね」
肩に手を添えられその場所から離されると、女性はその木に捕まり、簡単に木を登って行ってしまった。おっとりとした見た目の女性だが、意外にも気丈なのだと思った。
その女性は風船の位置まで登り切ると、糸に掴み終に見せる。終はぱあっと顔を明るくし手を伸ばした。笑顔を見せる終に胸を暖かくした女性は、木から降りようとする…が。
「っ!」
姿勢を崩してしまい、咄嗟に足を木に挟み込んだまま、ズッと地面に落ちてしまう。終はそれに驚き、女性の元へと駆け寄る。
「久しぶりに登ったから落ちちゃった…。はいっ、風船」
照れ笑いを浮かべながらも、痛みを顔に出さないようにする女性に向かい、終はあわあわとする。捲れ上がった裾からは、擦り傷で血が浮き出ている膝が見え、終はパッと女性の手を取り、引っ張った。
と言いたげな表情で母を見上げ、おつかいの内容を書かれた紙を受け取り、意気揚々と出掛けた。店先の店主にメモを見せ、その商品を買い、なんとかクリアして帰路に着いた。どんなに恥ずかしやがりな自分だって、おつかいくらいはできるのだ。そんなことに胸を張って、帰りに店員にくれた風船を片手に歩いていた。
今日は不意に強い風が吹くこともあり、手に持っていた買い物袋を抱え、足早に家に向かう。
「……ぁ……!」
青色の風船が風に巻かれ、木に掛かってしまった。色がとても気に入っていた終は、どうしてもその風船が取りたくて、木のそばに駆け寄る。
「っ……!」
歳近い周りの人間には言えないことだが、終は木登りができないのだ。どうしても登ることができず、ただ背伸びをして、その風船に向かって手を向けるだけだった。とても悔しくて、悲しいけど、諦めるしかないのかな。終が腕を引っ込めた時、後ろから声がする。
「…どうしたの?風船が取れなくなっちゃったの?」
後ろを振り向くと、自分の背に合わせてしゃがみこみ、目線を合わせて風船を見上げる女性が。
「大丈夫、お姉ちゃんが取ってあげるね」
肩に手を添えられその場所から離されると、女性はその木に捕まり、簡単に木を登って行ってしまった。おっとりとした見た目の女性だが、意外にも気丈なのだと思った。
その女性は風船の位置まで登り切ると、糸に掴み終に見せる。終はぱあっと顔を明るくし手を伸ばした。笑顔を見せる終に胸を暖かくした女性は、木から降りようとする…が。
「っ!」
姿勢を崩してしまい、咄嗟に足を木に挟み込んだまま、ズッと地面に落ちてしまう。終はそれに驚き、女性の元へと駆け寄る。
「久しぶりに登ったから落ちちゃった…。はいっ、風船」
照れ笑いを浮かべながらも、痛みを顔に出さないようにする女性に向かい、終はあわあわとする。捲れ上がった裾からは、擦り傷で血が浮き出ている膝が見え、終はパッと女性の手を取り、引っ張った。