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寒空の下、被せた手袋同士をこすり合せる。少し遠出をして***はとある店へと向かっていた。ここの通りは菓子には強く、また洋菓子も当然ながら揃っている。
(この時期はどこへ行っても人が多いなぁ。デパートもなんか行列出来てたし……)
正直彼女は江戸へ来てからまだ日が浅い。どの店の菓子が美味いのか、どれが想い人好みの味なのか分からないのだ。
きっと人が多いところは美味しいのだろう、と甘い考えで歩いて行けば多いどころか店内の様子が見れないではないか。時間はあるが、どことなく入れそうな雰囲気ではなく、あいにく断念。どれもこれも相性は良くないらしい。
ふぅ、とベンチで一息つく。
初めてだ、こんな事は。初めて想い人を意識して、初めてそういうイベントで、初めて贈り物を悩む。
こんなにも心を躍らせた事は無かった。
だがしかし、時間は確実に削られてゆき、段々目当ての品も少なくなってきてしまう。いくら当日じゃないとはいえこの減りようは何だ。
もう少し歩いてピンと来なければコンビニの板チョコでいいだろう。という諦めムードが***の周りに漂う。慣れていないのだ、贈り物を選ぶことが。
「……あ」
***が目にしたのは、可愛いらしいラッピングに小さなウサギのピンが刺さっている箱だった。その店は先程の行列が出来る有名店通りとは少し外れの方であり、まあまあな人通り。
チョコレートの香りも甘過ぎず、とはいえ落ち着いた雰囲気で、なんだか懐かしさも感じる。
形も可愛らしい。雲のようなふわふわとした形のものもある、まるで彼みたいだ。気に入ったチョコを気に入ったラッピングにしてくれるらしく、***はすぐさまそれらを選んだ。
紙袋はレッドブラウンでクリーム色の差し色がされた落ち着いたカラーリング。
彼の為に、と思い悩んでいたが結局自分が気に入った物を買ってしまった。
(だけどこれをどこに置こう)
いくら冬でも流石に露に出すのは気が引けるし、絶対見つかってチョコを催促されるだろうし、なら冷蔵庫に……ビニール袋で一旦隠して紙で開けないでくださいって書いておくべき…?でも好奇心に負けた隊士達に開かれたら困るし……………………………
「…妙ちゃん、冷蔵庫の場所お借りして良い……?」
「良いけど……」
結局、友人の冷蔵庫を借りるしか無かった……。
(この時期はどこへ行っても人が多いなぁ。デパートもなんか行列出来てたし……)
正直彼女は江戸へ来てからまだ日が浅い。どの店の菓子が美味いのか、どれが想い人好みの味なのか分からないのだ。
きっと人が多いところは美味しいのだろう、と甘い考えで歩いて行けば多いどころか店内の様子が見れないではないか。時間はあるが、どことなく入れそうな雰囲気ではなく、あいにく断念。どれもこれも相性は良くないらしい。
ふぅ、とベンチで一息つく。
初めてだ、こんな事は。初めて想い人を意識して、初めてそういうイベントで、初めて贈り物を悩む。
こんなにも心を躍らせた事は無かった。
だがしかし、時間は確実に削られてゆき、段々目当ての品も少なくなってきてしまう。いくら当日じゃないとはいえこの減りようは何だ。
もう少し歩いてピンと来なければコンビニの板チョコでいいだろう。という諦めムードが***の周りに漂う。慣れていないのだ、贈り物を選ぶことが。
「……あ」
***が目にしたのは、可愛いらしいラッピングに小さなウサギのピンが刺さっている箱だった。その店は先程の行列が出来る有名店通りとは少し外れの方であり、まあまあな人通り。
チョコレートの香りも甘過ぎず、とはいえ落ち着いた雰囲気で、なんだか懐かしさも感じる。
形も可愛らしい。雲のようなふわふわとした形のものもある、まるで彼みたいだ。気に入ったチョコを気に入ったラッピングにしてくれるらしく、***はすぐさまそれらを選んだ。
紙袋はレッドブラウンでクリーム色の差し色がされた落ち着いたカラーリング。
彼の為に、と思い悩んでいたが結局自分が気に入った物を買ってしまった。
(だけどこれをどこに置こう)
いくら冬でも流石に露に出すのは気が引けるし、絶対見つかってチョコを催促されるだろうし、なら冷蔵庫に……ビニール袋で一旦隠して紙で開けないでくださいって書いておくべき…?でも好奇心に負けた隊士達に開かれたら困るし……………………………
「…妙ちゃん、冷蔵庫の場所お借りして良い……?」
「良いけど……」
結局、友人の冷蔵庫を借りるしか無かった……。
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