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バタンと音を立てて襖を開ける。朝の会議の30分前。会議までに朝食、洗顔、着替え身支度その他諸々を終わらせなきゃいけない。

「ほら!斉藤隊長、朝ですよ!」

手を叩いて声を掛ける。目の前に置かれている大きくてかわいらしいみのむしはもぞもぞと動き、そしてまた静止する。
この時期になってから斉藤隊長はこうやって寝起きが悪くなっている。あの日からというもの何回も二度寝や遅刻ギリギリを繰り返すという、他の隊士達からも心配される程に。そこで私が毎朝斉藤隊長をこうやって起こしに来ているのだ。

「起きてください」

布団をぱんぱんと叩き、中に居る彼を出てきてもらう。顔の辺りから布団をちらっと捲り、彼の目と目が合う。

「朝ご飯、一緒に食べましょう?」

彼は目を閉じながらも、体をゆっくり起こし、みのむしの殻を取った。最近分かったことなのだけれど、こういう言い方をすると正直に布団から出てきてくれるのだ。ちょっとお母さんっぽいかもしれないけど、斉藤隊長が副長に切腹されないならまあいいかなぁって。

起きてくれたのはいいけど、瞳は閉じて座ったまま。暖かな布団が恋しいのかな。

「…あっ、先に着替えますか?私外で待ってますから」

多分二度寝に入ることは無いだろうと思うけど、私はそこから立ち上がって部屋を出ようとする。

「…………………ありがとう」
「! ……ふふ、いえいえ」

朝、たまにだけどそう言ってくれるのだ。

「私が作った朝ご飯ですから、冷める前に行きましょうね」
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